「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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築地市場現在地再整備への第一歩 都議会審議の舞台裏

2010-04-05 17:09:37 | 築地を守る、築地市場現在地再整備

 都議会での築地市場移転問題の審議の舞台裏を取材した記事がございましたので、掲載します。

 この記事を読めば、少なくとも、都議会で、知事提案の市場会計予算が通ったことが、即、豊洲移転が進むとは、解釈できないことがお分かりになると思います。

 現在地再整備への第一歩が踏み出されたと私は、解釈しています。


****毎日新聞*****(重要な部分に、下線を引きました。)

築地市場移転:議会審議・記者座談会(その1) 決裂寸前、譲歩案 /東京

2010/03/30  毎日新聞 地方版  25ページ 

 ◇都、現在地再整備検討へ
 ◇民主、責任論に不安抱きつつ
 民主党が予算修正案提出を見送ることで決着した築地市場(中央区)の移転問題を巡る都議会審議。修正案は、江東区豊洲地区の移転先用地の購入費を削除する内容で、可決されれば移転計画の中断は避けられない見通しだったが、石原慎太郎知事が一定の譲歩を示したことで議会への提出は回避された。民主党が修正案提出の可能性を示唆し始めて以降、都議会を舞台にどんな駆け引きが行われてきたのか。現場を取材した都庁担当記者3人が振り返った。

 A 民主党には、現在地再整備の検討に前向きな知事答弁を引き出したことに対する満足感が広がっている。

 B 一方で、民主党は修正案を提出し、最後まで石原知事と対決すべきだったのでは、という意見もあるのでは。

 A 確かにそういう側面はあるかもしれない。ただ、修正案が都議会を通過してしまうと、移転がストップするだけでなく、都側との交渉も行き詰まり、民主党が目指した現在地再整備検討の余地まで消えてしまう。結果的に民主党の責任論に発展するのではないか、という不安もあった。

 B 大事なことは、都の移転方針が変わったわけではないということだ。「移転の方向性は変わらないが、再整備の声も大きいから聞いておこう」というのはわかりにくい。これで正面から再整備案を検討することになるのか疑問だ。

 A その点は、共産党が予算特別委の最後の質疑で指摘していた。

 C 「過去に400億円をかけて工事を進めながら、途中で頓挫した」などと現在地再整備の再検討を強く否定していた石原知事が、最後になって、再整備の検討に踏み込んだ答弁をしたのは率直に言って驚きだった。都側と民主党の水面下の交渉で行き着いた、大きな転換だったことは間違いない。

 B 修正案提出をほのめかす民主党に対し、まず、都が自民党を通じて「何とか原案を通してほしい」とアプローチした。

 A 「原案が否決されたら、知事は辞任して、選挙で信を問うかもしれない」。そんな憶測も流れた。「知事選になれば石原知事が再選され、参院選を前に民主党にとって大きな痛手になる」。憶測の背景に都側の戦略があったとすれば、“脅し”の効果も見据えたものだった可能性も否めない。

 B それでも民主党は闘う姿勢を見せていた。都の意向を背景に民主党と交渉した自民党が、初めて柔軟な態度に出たのは15日、予算特別委の質問だった。現在地再整備の検討にも理解を示すなど、明らかにそれまでとトーンが違った。「自民党は歩み寄ってもいい」というメッセージだった。

〔都内版〕

築地市場移転:議会審議・記者座談会(その2止) 交渉、30時間超す /東京
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100330ddlk13010311000c.html
2010/03/30  毎日新聞 地方版  24ページ

 ◇民主、予算修正案提出見送り
 ◇知事、「信問う」憶測も

 A 交渉を指揮したのは、民主党側が田中良団長(議長)、自民党側は前回の都議選で落選した内田茂、高島直樹両氏。実務交渉役は民主党が増子博樹、西岡真一郎両議員、自民党は高木啓、宇田川聡史両議員。佐藤広副知事と村山寛司財務局長が同席し、公明党も加わった。実務交渉は、常に都側が譲歩案を提示し、民主党が持ち帰って検討する、という形で繰り返された。計30時間超に及んだようだ。民主党の最後の決定権は大沢昇幹事長に一任されていた。

 B 気になったのは、この交渉で自民党の現役三役の存在感が薄かったことだ。もっとリーダーシップをみせても良かった。

 C 交渉が難航したのはなぜなのか。

 A マニフェストに掲げた約束を守るため、民主党は修正案を引っ込める条件として最後まで、「当局が主体的に現在地再整備を検討する」というハードルを下げなかった。都にとってなかなか飲めない条件で、交渉は何度も決裂しかけては仕切り直しになった。土壇場の27日未明、「ついに修正案提出か」という局面で、都側がぎりぎりの譲歩案を出した。「都が現在地再整備の検討組織を作る」というものだった。

 C そういえば、こんな場面もあった。27日、予算特別委採決前日の総括質疑で、民主党が石原知事から譲歩を引き出した直後、共産党の質問に、岡田至中央卸売市場長が「豊洲への移転がもっとも最適な方向」などと答弁。それに対し、民主党の大沢幹事長は拳を机にたたきつけて激怒した。

 A せっかくこぎつけた妥協をぶちこわしにするような答弁だと受け取られた。若手も含め、「民主党への知事答弁を否定するのか」と怒りが広がった。

 C 石原知事自ら、陳謝する事態になった。

 A ただ、実はあの一件で収穫もあった。石原知事は、民主党への答弁では、「現在地再整備検討の組織も設けていく必要もあると思います」としていたが、陳謝の場面で「現在地再整備検討の組織を設けていきます」と断言した

 B 今後は、民主党を中心に都議会が出す再整備案を、都が検討することになるだろう。つまり民主党には早期に再整備案を出さなければならないというプレッシャーがかかる。自民党と公明党は、推移を見守るということだろう。

 A 都議選で「強引な移転にNO」というマニフェストを掲げて大躍進したのだから、都民の意思として尊重しなければならないのは大原則だ

以上、

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