食事によるアナフィラキシーショックは、侮ってはならないという記事です。
この事件の場合、もちろん、アレルギーで除去している食べ物は除く必要があります。
ただ、今回の事件のようになんらかの事故で、食べてしまってアナフィラキシーの症状がでることも予想され、それに対しての備えもすべきでした。
すなわち、緊急対処薬(アドレナリン注射液「エピペン」)を学校にも常備し、担任、教頭、校長、養護教諭は万が一の際、それを使用することができるように準備することが必要でした。
実際に、当院でも、食物アレルギーの児に対して、相談のうえ学校での常備をお願いした経験があります。
記事には、書かれていないのでわかりませんが、エピペンの常備と使用できる体制づくりを怠っていることが本質的な誤りだと感じます。
エピペンについて
⇒ http://matome.naver.jp/odai/2135764315426089101
****その後いただいた情報より****
富永一@tominagahajime
@kosakakazuki 小坂先生、今回担任はなくなった子どもさんに注射を打つかたずねたら子どもさんが「打たないで」って言ったそうです。10分後には校長が駆けつけて打ったそうです。緊急時の対処の仕方を日ごろから確認しておく必要が大きいですね。
****読売新聞(2012/12/21)*****
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20121221-OYT8T00777.htm
小5女子児童、給食後に死亡…アレルギー反応か
東京都調布市の市立富士見台小学校で20日、5年生の女子児童(11)が給食を食べた後に体調を崩し、死亡していたことが警視庁調布署などへの取材でわかった。
女子児童には食物アレルギーがあり、同署は、アレルギーの原因となる食品を取ったことによる急性反応「アナフィラキシーショック」で亡くなった疑いがあるとみて、死因を調べている。
同署などによると、女子児童は給食後の20日午後1時20分頃、清掃時間中に体調不良を訴え、救急搬送されたが、午後4時半頃亡くなったという。
女子児童はチーズや卵にアレルギーがあり、給食では、こうした材料を除いた特別食が提供されていた。ほかの児童の給食には、チーズ入りのメニューがあったという。
(2012年12月21日 読売新聞)
****読売新聞(2013/01/09)*****
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130108-OYT1T01365.htm
女児アレルギー死、お代わりで「×印」確認怠る
東京都調布市の市立富士見台小学校で昨年12月20日、チーズなどにアレルギーのある5年生の女子児童(11)が給食を食べた後に死亡した問題で、同市は8日、女児がお代わりを希望した際、担任の男性教諭(29)がチーズ入りの料理を誤って提供していたとする調査結果を公表した。
同日、記者会見した海東元治・市教育長は「ご遺族に心よりおわびします」と陳謝した。市教委は、医師や弁護士を含む検証委員会を設置し、再発防止策などを検討する。
当日の給食は生地にチーズを練り込んだ韓国風お好み焼き「じゃがチヂミ」が出たが、女児用にはチーズを抜いたチヂミを1食分だけ用意。担任には1か月分の献立表が渡されており、女児が食べられない料理には「×印」が付けられていたが、確認を怠っていたため、お代わりを求められた際、女児に食べさせてはいけない「チーズ入り」だったことには気付かなかったという。
(2013年1月9日07時33分 読売新聞)
*****東京新聞(2013/01/09)****
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20130109/CK2013010902000086.html
【東京】
調布の小5 給食アレルギー死 市教委、検証委設置へ
2013年1月9日
調布市立富士見台小学校(小島町三)の五年生女子児童(11)が給食後に食物アレルギーで死亡した問題は、学校側の確認ミスの可能性が高まった。市教委は八日、原因とみられているチーズ入りチヂミを手渡したのは担任の男性教諭と発表。担任教諭の確認ミスと学校側の責任を初めて公式に認め、遺族らに謝罪した。 (梅村武史)
これまでの調査内容に不明な点も多く、市は医師や弁護士ら外部のメンバーを含む検証委員会を設け、原因究明と再発防止策をまとめる。市が発表した先月二十日の給食時の状況は次の通り。
午後零時四十五分、担任が余った粉チーズ入りチヂミを手に「食べる人いない?」と教室を回る。
零時五十分、女児が「ほしいです」。担任は「大丈夫か」と応じ、粉チーズ入りチヂミを渡した。
市教委によると、担任はこの際、女児の親が作成した女児用献立表を確認。チヂミにアレルギー食材の印が付いていなかったことから「大丈夫と判断した」という。
しかし、本来はアレルギー物資の有無を学校側が記載した「除去食一覧表(通称・おかわり表)」をチェックすることになっていた。担任は「確認を失念した」と説明している。手順を踏んでいれば、女児の死を防げたことになる。
海東元治教育長ら市教委幹部は会見の冒頭「児童の冥福をお祈りするとともにご遺族の皆さまに心よりおわびします」と深く頭を下げた。会見は、アレルギー疾患を抱える児童への学校側の認識の甘さを指摘する質問に集中した。「調査中」を繰り返す市教委側は、担任の処分にも「状況を見て判断する」と述べるにとどまった。
市教委は九日、校長会を開いてアレルギー疾患を持つ児童・生徒に対する認識を周知徹底させる。アレルギー疾患のある子どものお代わりは原則禁止するという。