本人に身の危険があるときは、身を挺して止めることがあったとしても、体罰は必要ありません。
教育でも用いることは、法が禁じています。
学校教育法11条:校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
以下、体罰に関する、精神科医宮田雄吾先生の解説です。
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宮田雄吾@yugomiyata
体罰について(1)体罰がダメだと言う前に、体罰がどのようなものか知ることが大切。最初に<体罰の作用>①速効性が高い②作用が強力。他の手段に比べ、強力。では副作用はどんなことがあるか。
体罰について(2)<体罰の副作用>①同じ程度の体罰では次第に効かなくなり、より強い体罰が必要になる②使えば使うほど、ちょっとしたことでも使いがちになる③症状は消えても原因はそのままなので問題が潜伏して悪化していくことがある④体罰を加える人がそこにいないと行動が改善しなくなる。
体罰について(3)さらに言うと体罰が与える効果は「痛み」からくる「恐怖」である。よく言われる教育効果は実は体罰そのものにはなく、「大人が子どもに本気で向かい合う姿勢」が伝わるという副次的効果による。その「本気で向かい合う姿勢」は別の手段でも提供可能。
体罰について(4)学校における体罰は学校教育法第11条によって明確に禁止されている。また児童福祉施設においては通知により懲戒権の濫用に当たるとして禁止されている(ちなみにその通知では自傷行為や他害行為の制止など急迫した危険回避のためのみ許されるとされている)
学校教育法11条:校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
体罰について(5)体罰を行なっている最中は「子どものためを思って」いるかどうか疑問。それは後付の正当化ではないか。しつけではなく大人の怒りの表出手段にすぎないのではないか。また大人の無力感を反映していたり、しつけることより子どもに勝つことに夢中になっていないかを自問した方がいい。
体罰について(6)<叩かれすぎた子どもはどうなるか>①人を信じる能力が低下する②対人関係が暴力的になりやすい③自分嫌いになりやすい④攻撃性が高まり、そのコントロールが悪くなる⑤未来への希望が低下する⑥一部の精神科疾患の発生につながる