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東京新聞社説1/22:桜宮高入試問題 子どもの夢が奪われる

2013-01-22 18:28:12 | 教育

 各紙が、桜宮高校入試問題を取り上げています。

 市教委として、どのような議論の下、結論が出されたのでしょうか。

 今後、あがってくる議事録http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000026093.html でも確認したいと思います。
 東京新聞社説にもありますが、見識を示す時であったのではないかと思います。


*****東京新聞(2013/01/22)社説*****
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012202000133.html 
 【社説】


桜宮高入試問題 子どもの夢が奪われる


2013年1月22日


 体罰問題が持ち上がった大阪市立桜宮高校の体育系学科の募集が中止された。橋下徹市長の要請に市教育委員会が折れた形だ。大人の一方的な理屈で落ち度のない子どもの夢が奪われるのは残念だ。


 体罰を受けて自殺したバスケットボール部主将の問題が子どもを苦しめる方向へと転がっている。市教委が二月に予定していた桜宮高の体育科とスポーツ健康科学科の入試を取りやめた。


 全教員を異動させ、体罰を容認する伝統や校風を断ち切り、生まれ変わらせる。市教委が入試の中止を拒否するなら予算を出さない。橋下氏のそんな強硬姿勢が異論を封じ込めた。


 入試本番を目前に進路の変更を強いられては、受験生の夢がついえてしまわないか。将来のスポーツ選手や指導者を目指して積み重ねてきた努力が水泡に帰してしまわないか。強く懸念される。


 自らの実力ではなく、いわば大人の論理で未来への門戸が閉ざされたのだ。教育行政への不信感が募りかねない。


 在校生は「人生の一部である新入生の受験の機会を奪ってほしくない」と訴えた。橋下氏も市教委も、子どもや保護者の声をもっと真摯(しんし)に受け止めるべきだった。


 確かに、問題の背景に浮かんだ市教委や学校の閉鎖的で事なかれ主義の体質は看過できない。バスケ部を強豪チームに導いた実績を理由に周りが顧問の体罰を黙認した。市の公益通報窓口に寄せられた体罰情報を事実上放置した。


 だからこそ橋下氏は弁護士らの外部監察チームをつくり、市教委と共に徹底調査に乗り出したはずだ。優先すべきは入試の中止ではなく、実態を調べて勝利至上主義の風潮を改め、責任を明確にして再発防止につなげることだ。


 それがバスケを愛しながら自殺に追い込まれた男子生徒の思いに報いることになると考える。体罰の真相さえ判然としないのに、罪のない受験生や在校生に負担を与えるやり方は理解できない。


 桜宮高では体罰が発覚したバスケ部やバレーボール部だけではなく、文科系を含めてすべての部活動を自粛している。子どもへのしわ寄せが大きすぎる。


 市教委は体育系学科の定員百二十人分を普通科として募集し、試験科目は従来の体育系学科と同じにするという。入学後の子どもの意欲を低下させないよう配慮してほしい。政治的パフォーマンスが感じられる橋下氏に対し、市教委は見識を示せなかったのか。

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個人の法益を侵害する罪のひとつ財産を害する罪(刑法235~264条)の体系図

2013-01-22 18:14:24 | シチズンシップ教育

 なんでもそうですが、体系的にとらえることが、その後使える知識として習得するのに有効であるし、知識とする前段階の覚えるにあたっても有効です。

 刑法において、個人的法益侵害を考えるにあたって、生命&身体、自由&名誉とともに、大事な罪として財産犯があります。


 財産犯を体系的にとらえると、以下の形になります。



第三十六章 窃盗及び強盗の罪

(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(不動産侵奪)
第二百三十五条の二  他人の不動産を侵奪した者は、十年以下の懲役に処する。
(強盗)
第二百三十六条  暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(強盗予備)
第二百三十七条  強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。
(事後強盗)
第二百三十八条  窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
(昏酔強盗)
第二百三十九条  人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。
(強盗致死傷)
第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
(強盗強姦及び同致死)
第二百四十一条  強盗が女子を強姦したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。よって女子を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する。
(他人の占有等に係る自己の財物)
第二百四十二条  自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。
(未遂罪)
第二百四十三条  第二百三十五条から第二百三十六条まで及び第二百三十八条から第二百四十一条までの罪の未遂は、罰する。
(親族間の犯罪に関する特例)
第二百四十四条  配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
(電気)
第二百四十五条  この章の罪については、電気は、財物とみなす。

   第三十七章 詐欺及び恐喝の罪

(詐欺)
第二百四十六条  人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(電子計算機使用詐欺)
第二百四十六条の二  前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
(背任)
第二百四十七条  他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(準詐欺)
第二百四十八条  未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
(恐喝)
第二百四十九条  人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(未遂罪)
第二百五十条  この章の罪の未遂は、罰する。
(準用)
第二百五十一条  第二百四十二条、第二百四十四条及び第二百四十五条の規定は、この章の罪について準用する。

   第三十八章 横領の罪

(横領)
第二百五十二条  自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。
(業務上横領)
第二百五十三条  業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
(遺失物等横領)
第二百五十四条  遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(準用)
第二百五十五条  第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。

   第三十九章 盗品等に関する罪

(盗品譲受け等)
第二百五十六条  盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。
(親族等の間の犯罪に関する特例)
第二百五十七条  配偶者との間又は直系血族、同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で前条の罪を犯した者は、その刑を免除する。
 前項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

   第四十章 毀棄及び隠匿の罪

(公用文書等毀棄)
第二百五十八条  公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
(私用文書等毀棄)
第二百五十九条  権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、五年以下の懲役に処する。
(建造物等損壊及び同致死傷)
第二百六十条  他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
(器物損壊等)
第二百六十一条  前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(自己の物の損壊等)
第二百六十二条  自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、又は賃貸したものを損壊し、又は傷害したときは、前三条の例による。
(境界損壊)
第二百六十二条の二  境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(信書隠匿)
第二百六十三条  他人の信書を隠匿した者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(親告罪)
第二百六十四条  第二百五十九条、第二百六十一条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
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貸したお金の取り立て行為で、「恐喝罪」(刑法249条)が成立する場合

2013-01-22 11:03:17 | シチズンシップ教育
 以前、同じような構造の法律構成をご紹介させていただきました。

 ブログ:「車に乗ったまま、お金貸します」返済期限が過ぎても返済ない場合の金融業者の車取戻しは窃盗罪になるか
 http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/483f6b313d66009fbac4dbad77584a4d
 刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし…同242条自己の財物であっても、他人が占有し…この章の罪については他人の財物とみなす

 

 貸金債権を取り立てるために脅迫手段を用いた場合、恐喝罪が成立するかどうか。


****刑法*****
(恐喝)
第二百四十九条  人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
***********

 例えば、「100万円の貸金債権を取り立てるために脅迫手段を用いた場合」

 二段階で考えます。Ⅰ構成要件該当性とⅡ違法性判断(構成要件該当性があることが前提)の二段階です。


Ⅰ構成要件該当性

 被害者の財産状態の変化としては、財産状態全体には変化がないが、現金100万円という個別財産が喪失したことが生じました。

 例では、「100万円の債務はなくなったが、現金100万円が失われた」

 恐喝罪は、個別財産に対する罪です。

 被害者の占有する個別財産の現金100万円が奪われている事実を重視すると、損害がありとみなされ、「恐喝罪」の構成要件に該当することとなります。(占有説)

 もともと恐喝を行ったひとが有している債権100万円を取り戻しただけと考えると、損害がなしとされ、「恐喝罪」の構成要件に該当しないことになり、恐喝罪は成立しません。(本権説)⇒よって、無罪。


 構成要件に該当すると考えた場合は、以下に進んで、


Ⅱ違法性判断(構成要件該当性があることが前提)

 債権者の権利行使として、許される範囲内の行為であるか否かで判断されます。

 あまりにひどい行為であれば、違法性が阻却されず、「恐喝罪」が成立します。

 正当行為(刑法35条)の範囲内とされれば、「恐喝罪」が成立しません。


***刑法35条***
(正当行為)
第三十五条  法令又は正当な業務による行為は、罰しない。
**********


 古い判例ですが、貸したお金の取り立て行為が、恐喝罪に当たると判事されました。
   

****最高裁判例昭和30年10月14日*****

 他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍溶すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする(昭和二六年(れ)二四八二号同二七年五月二〇日第三小法廷判決参照)。本件において、被告人等が所論債権取立のために執つた手段は、原判決の確定するところによれば、若し債務者Dにおいて被告人等の要求に応じないときは、同人の身体に危害を加えるような態度を示し、且同人に対し被告人A及び同B等は「俺達の顔を立てろ」等と申向けDをして若しその要求に応じない時は自己の身体に危害を加えられるかも知れないと畏怖せしめたというのであるから、もとより、権利行使の手段として社会通念上、一般に忍容すべきものと認められる程度を逸脱した手段であることは論なく、従つて、原判決が右の手段によりDをして金六万円を交付せしめた被告人等の行為に対し、被告人CのDに対する債権額のいかんにかかわらず、右金六万円の全額について恐喝罪の成立をみとめたのは正当であつて、所論を採用することはできない。
 被告人Bの弁護人〇〇〇〇の上告趣意第二点第三点について。右は事実誤認量刑不当の主張であつて上告適法の理由とならない。被告人Cの弁護人〇〇〇〇の上告趣意第二点について。所論は事実誤認の主張であつて上告適法の理由とならない。
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