謹賀新年
新年あけましておめでとうございます。皆様にとりまして、2016年もまた、素敵な一年となりますことを心からご祈念申し上げます。
医師から評論家となった加藤周一氏(1919-2008)は、1956年の論文『松山の印象―民主教育の問題―』(主著のひとつ『雑種文化』に集録)で、「日本の民主化という事業が容易でない。日本の民主主義の問題は、民主的改革をまもる側とそれに対する反動との対立関係だけではなく、より根本的には、民主主義の枠のなかに何をおくかということが大事である。…民主主義という枠のなかに何をいれて内側をみたすのか、西洋では、基督教、またはかつて基督教が生み出した価値の体系があったが日本ではそうはいかない。儒教を軸とした旧来の伝統的価値観は崩れ、それに代る何ものもない社会である。」と述べています。
戦後70年、加藤氏の論文から約60年の2015年は、残念ながら民主主義の枠自体が揺らいだ年でもありました。今一度、民主主義の根幹(立憲民主主義)の理解を深めるとともに、民主主義の枠のなかに何を入れるべきかを真剣に考えて行きたいものです。
加藤氏は、「民主主義」を、「個人の尊厳と平等の原則の上に考えられる社会制度」と定義しているところですが、民主主義の枠に入れるべき大切なものとして、例えば、「多様性を認めあうこと」、「相手に寛容であること」等もまた入ると、私は考えます。
この一年も、小児医療の現場から見えてくる子育て環境を少しでも良い方向に進めていけるよう区政の場において誠心誠意努力して参る所存です。社会の弱者である「子どもを守る」ことは、すべてのひとにとって優しい社会の実現に繋がると確信をしています。
今後とも、忌憚のないご意見ご提案を賜りますよう、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
平成28年新春
中央区議会議員
無所属会派 子どもを守る会
小 坂 和 輝
プロフィール
広島大学卒業、桐蔭横浜法科大学院卒業。医学博士、法務博士。病児保育施設を併設する医療法人小坂成育会こども元気クリニック理事長、小児科専門医。いつでも(24時間・365日)・どこでも(学校・地域の子ども達と関わられる皆様・NPOと連携して)・あらゆる手段を用いて(医学・心理分野にとどまることなく、法律・行政分野などの多角的視点を持って)子どもの健やかな成長を守る小児科医でありたいと思っています。
第1、2016年中央区政 12の注目ポイントについて
今までの区議会の議論の中で見えてきている注目点を列挙致します。決定ではなく、地元の皆様の慎重な議論が必要な計画もあります(特に、項目11、豊海大型流通配送センター建設計画など)。
1、区民目線第一の中央区新基本構想を作ること
これから30年先を見据えた新構想が作られます。中央区の基本計画の根拠となります。
区民目線第一の構想ができますよう、審議会傍聴やパブリックコメントにより、皆様の声を中央区に届けて下さい。
2、在宅療養看護で必須の制度、レスパイトの設置
医療的ケアの必要な者・児(「医ケア児」と略)が、24時間365日家族による看護のもと、在宅で過ごされています。その看護する親御さんの休息のために、医ケア児を預かる先が完備されます。
3、中央区子ども・子育て会議 第2期
待機児童問題解消だけでなく、保育の質の確保、様々な子育て支援策そして、接続期カリキュラムなどの幼保小の連携策などが、議論されます。
4、B型肝炎ウイルス予防接種が定期接種としての実施(無料化)へ
いままで任意接種でした。定期接種になる予定であり、日本のワクチン行政が一歩前進です。
5、発達障害などの子ども達にあった教育の場「特別支援教室」設置開始
『東京都特別支援教育推進計画 第三次実施計画(平成22年11月)』に従い、中央区も、今までの「通級指導学級」「固定学級」に加え、各校に「特別支援教室」が設置されます。
都の計画期間は28~30年の三カ年あるところ、中央区は、28年度と29年度の二カ年で整備。28年度から導入する学校は、京橋地域(中央小・明石小・◎京橋築地小)、日本橋地域(久松小・坂本小・◎有馬小)、月島地域(佃島小・月島第二小・◎月島第一小)(◎:拠点校、現在の通級指導学級設置校)です。29年度は、泰明小・明正小、城東小・常磐小・日本橋小、月島第三小・豊海小です。
新制度に移行しても、必要な児には、通級指導の継続など児童一人一人の状況に合わせた指導が行われることを事前説明会で区は何度も念押ししています。
6、ストレスチェック 子ども達に関わるすべての学校・保育の現場でも
労働安全衛生法が大改正(H26.6.25公布、H27.12.1施行)、すべての職場にストレスチェックが導入。
もちろん、子ども達に関わる学校・保育の現場でも当然に先生や保育士らにも適用になります。
もし、高ストレス状態の結果が出た場合、その本人は、産業医の指導を受けることができます(本人から申し出があった場合は、企業は、本人と医師の面接指導を実施するとことが義務であり、申し出を理由とする不利益な取り扱いは禁止)。
7、ペットとの共生「ペットとともに暮らすうえでの諸課題について語り合うカフェ」開催
各回異なるテーマが設定され、テーマごとに専門家、活動家をゲストに招き、参加者間の交流を通じて、ペットの適正飼養について意識を高めつつ、仲間作りが行われます。
8、中央区オリンピック・パラリンピック区民協議会
2020年東京五輪に向け、区民、関係団体および区が一体となって地域の発展とレガシーを残すことに取り組むための協議の場です。なお、第1回は、2015年12月17日に開催されました。
9、にぎわいにあふれる個性豊かな商店街 「商店街振興プラン2016」3月策定
前回は平成16年6月策定。中央区を6つの地区「八重洲・京橋・日本橋」「銀座」「新富・湊・八丁堀・茅場町」「築地」「人形町・やげん堀・浜町」「月島・勝どき」にわけ、各エリア別のコンセプトと重点テーマがまとめられています。
面的な広がりを持たせる回遊イベントの実施、外国人観光客の取り込み、商店街の組織力強化と人材育成が、重点的な取り組みとしてあげられています。
10、9月の総合防災訓練、今年は、京橋地区での開催
聖路加国際病院・聖路加看護大学そして、あらたに中央区と防災協定を締結した国立がんセンターなどとの十分な連携のもと、引き続き障害者団体の皆様もご協力もいただきつつ、実践的な訓練となることを願っています。
11、豊海地区への大型流通配送センター計画?とその屋上へのフットサルコート等の広場整備
区道の付け替えにより豊海町6番と7番が合体した大きな街区を可能にするという根幹部分において中央区も関与する豊海地区への大型流通配送センター建設計画。大型トラックの増加に伴い振動騒音排気ガスなどによる交通環境の悪化を来す計画である以上、その計画内容を勝どき豊海の住民の皆様にきちんと開示をした上で、慎重に議論をしていくべきところです。
例えば、漁港区への同計画が港湾法に適合するかという根本的な問題とともに、フットサルコート等の広場を区民が使用するときの制限が厳しい点をなんとか緩和ができないかという問題等があると考えます。
12、環状二号線 本年12月 暫定開通か?
環状二号線(築地大橋~豊洲)は、本年12月に仮設道路による暫定開通の予定。仮設道路が片側一車線の場合、混雑渋滞が懸念されることから、片側二車線での暫定開通の検討を都に強く求めていく必要があります。全線開通は、五輪開幕に間に合わせるため、2020年(H32)の早期になされる都の方針。
なお、豊洲新市場は、土壌汚染対策法上の「形質変更時要届出区域」という土壌汚染地指定のままであり、農林水産省が市場認可をするかは疑問。
東京都がこの豊洲新市場用地を汚染がないものとした評価価格で汚染原因者東京ガスから購入している問題では、住民訴訟が東京地方裁判所で係属中、秋頃に第一審判決の可能性。
第2、区政の課題について
福祉保健委員会委員、防災等安全対策特別委員会委員として考える区政の課題の一部を列挙致します。(2015年6月の一般質問でも一部指摘)。
【福祉保健分野】
◎医療的ケアの必要な者・児(「医ケア児」と略)の全員の現況調査
前述の通り、喫緊の課題としてのレスパイトは整備される予定であるものの、医ケア児とその家族が抱える問題は、個別具体的な解決がなされる必要があります。
基本的に、医ケア児が、区内に何人おられるかという実数の把握自体も難しい現状でありますが、障害者団体や自立支援協議会、在宅療養支援協議会そして、包括的な協定をする聖路加看護大学などの連携のもと、対象者を漏らすことのない有意義な調査がなされることを期待致しております。
◎医療ケア児、発達障害などそれぞれに応じた保育、幼稚園教育の提供を
たとえ、医療的ケアが必要であったとしても、その児が希望するのならば、保育園なり、幼稚園に通える環境整備がなされていくことを願っています。
児童福祉法において、「保育所における保育」に関して「市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所…において保育しなければならない(24条1項)。市町村は、前項に規定する児童に対し、…認定子ども園…又は家庭的保育事業等…により必要な保育を確保するための措置を講じなければならない(同条2項)。」又、学校教育法においても、「幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする(22条)。」と規定され、保護者側の事由はあるものの児童の事由はなんら付されておらず、保育の場や幼稚園が全ての子ども達に開かれているところです。
家族法の大家大村敦氏らも「ノーマライゼーションの理念の下、子どもの福祉に合致した保護者の意思は尊重されるべきであり、発達障害に限らず、障害を理由とした保育所・幼稚園への入所・入園拒否は、保育所等の負担が過重となるなど「やむを得ない事由」がない場合には「必要かつ合理的な配慮」(障害基4条)を欠くものとされ、実際に入所拒否を違法とした裁判例もあります。2013(平成25)年に成立した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(2016(平成28)年4月施行)も踏まえる必要があるでしょう。」と述べられ(『子ども法』223頁)、4月施行の障害者差別解消法のもと、中央区においても、子ども達ひとりひとりの障がいに応じた「必要かつ合理的な配慮」がなされることを期待致しております。
これら医ケア児の諸課題を解決していくことは、区が直面する老老介護、住み慣れた場所で生を全うする在宅終末期医療の問題解決にも繋がると考えています。
【防災分野】
◎防災拠点運営委員会への民生委員と消防団員の委員やアドバイザー参加
区内全域に23カ所21の防災拠点運営委員会が設置され、『中央区地域防災計画(平成27年修正)』では、その運営委員会の構成は、「1防災区民組織、2町会・自治会、3PTA、4事業所、5学校、6医師会、7警察、8消防、9消防団、10民生委員、11区等」と明記されています(同計画68頁)。
ところが、同委員会では、まだまだ、消防団員や民生委員の委員やアドバイザーとしての参加ができていないところが多数存在しています。
民生委員は、防災拠点区域内の避難行動要支援者の生活状況を把握されておられるし、消防団員は、その避難行動要支援者の避難行動支援や、拠点訓練のお手伝いをする重要な任務を担っており、両者は運営委員会に欠かせない存在であると考えます。
同計画に則った運営委員会構成になるように区も支援すべきと考えます。
第3、小児医療や子育て支援の現場で現在実践中のことについて
◎抗生剤の適正使用に向けた啓蒙
こどもの風邪のほぼ9割は、ウイルス感染によるもので、ウイルスには抗生剤は無効です。にもかかわらず、「風邪=抗生剤投与」という安易な処方に伴う耐性菌の出現や、子どもの体へのアレルギー等の悪影響を防いで参ります。
◎聖路加国際病院からの地域臨床研修医の受け入れ
厚生労働省から『臨床研修協力施設』に認定されており、臨床研修の医師が、地域医療研修のため当院に参ります。来年度は7名の予定であり、診察室でご一緒いただきますが、ご協力の程、よろしくお願いいたします。
◎病児保育事業及び病児お迎えサービス
18時半までの保育延長の対応や土曜日の実施、病児お迎えサービス(保育園での急な発病の場合、親御さんに代わって当院スタッフが、保育園に出向き、そのまま当院で病児保育へ移行)等も含め病児保育サービスを実施。
◎乳幼児健診における全例の視力スクリーニング
新しく開発された機具を用い、視力スクリーニングを区の乳児健診児の全例に実施し、目の異常を早期発見。
◎“心のワクチン(知識をつけて、身を守る)” ブックスタート事業
健診や予防接種で来院の赤ちゃんに、選定した絵本と接する機会を付与。
◎子育て体験講座『あすなろ倶楽部』
お子さんの発達に合ったいろいろな遊び、絵本紹介、しつけ方法などNPO法人あそび子育て研究協会の先生にお話していただく少人数制の体験講座。参加されている親御さん同士の交流のきっかけとなる場としても。
◎五歳児健診及び発達相談
発達障害等を五歳児健診により早期に発見し、小学校生活にスムーズな移行ができるように早期対応。
◎不登校外来
いじめ、不登校、自殺はなくし、子どもを守ることが、大人そして私達小児科医師の絶対の使命です。悩む子どもにとって、学校は、命を削ってまで、行くところでは、決してありません。一緒に、考えて行きます。
◎学校の授業の補講『三丁目の補講』事業
小中学校の授業でわからない点、つまずく点を、なんとか回答に近づけるように一緒に考えます。通級学級や特別支援教室参加のためにクラスの授業が抜ける部分の対応なども専門家の助言のもとでの実施を検討中。
◎子育て広場事業
武道教室やリラクゼーションなど子育てに関する地域活動団体に、子育て広場としての活動の場を提供。子育て支援のアイデアのお持ちのかた、そのアイデアを是非とも実現してください。実現の広場を提供いたします。
等々
以上
新年あけましておめでとうございます。皆様にとりまして、2016年もまた、素敵な一年となりますことを心からご祈念申し上げます。
医師から評論家となった加藤周一氏(1919-2008)は、1956年の論文『松山の印象―民主教育の問題―』(主著のひとつ『雑種文化』に集録)で、「日本の民主化という事業が容易でない。日本の民主主義の問題は、民主的改革をまもる側とそれに対する反動との対立関係だけではなく、より根本的には、民主主義の枠のなかに何をおくかということが大事である。…民主主義という枠のなかに何をいれて内側をみたすのか、西洋では、基督教、またはかつて基督教が生み出した価値の体系があったが日本ではそうはいかない。儒教を軸とした旧来の伝統的価値観は崩れ、それに代る何ものもない社会である。」と述べています。
戦後70年、加藤氏の論文から約60年の2015年は、残念ながら民主主義の枠自体が揺らいだ年でもありました。今一度、民主主義の根幹(立憲民主主義)の理解を深めるとともに、民主主義の枠のなかに何を入れるべきかを真剣に考えて行きたいものです。
加藤氏は、「民主主義」を、「個人の尊厳と平等の原則の上に考えられる社会制度」と定義しているところですが、民主主義の枠に入れるべき大切なものとして、例えば、「多様性を認めあうこと」、「相手に寛容であること」等もまた入ると、私は考えます。
この一年も、小児医療の現場から見えてくる子育て環境を少しでも良い方向に進めていけるよう区政の場において誠心誠意努力して参る所存です。社会の弱者である「子どもを守る」ことは、すべてのひとにとって優しい社会の実現に繋がると確信をしています。
今後とも、忌憚のないご意見ご提案を賜りますよう、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
平成28年新春
中央区議会議員
無所属会派 子どもを守る会
小 坂 和 輝
プロフィール
広島大学卒業、桐蔭横浜法科大学院卒業。医学博士、法務博士。病児保育施設を併設する医療法人小坂成育会こども元気クリニック理事長、小児科専門医。いつでも(24時間・365日)・どこでも(学校・地域の子ども達と関わられる皆様・NPOと連携して)・あらゆる手段を用いて(医学・心理分野にとどまることなく、法律・行政分野などの多角的視点を持って)子どもの健やかな成長を守る小児科医でありたいと思っています。
第1、2016年中央区政 12の注目ポイントについて
今までの区議会の議論の中で見えてきている注目点を列挙致します。決定ではなく、地元の皆様の慎重な議論が必要な計画もあります(特に、項目11、豊海大型流通配送センター建設計画など)。
1、区民目線第一の中央区新基本構想を作ること
これから30年先を見据えた新構想が作られます。中央区の基本計画の根拠となります。
区民目線第一の構想ができますよう、審議会傍聴やパブリックコメントにより、皆様の声を中央区に届けて下さい。
2、在宅療養看護で必須の制度、レスパイトの設置
医療的ケアの必要な者・児(「医ケア児」と略)が、24時間365日家族による看護のもと、在宅で過ごされています。その看護する親御さんの休息のために、医ケア児を預かる先が完備されます。
3、中央区子ども・子育て会議 第2期
待機児童問題解消だけでなく、保育の質の確保、様々な子育て支援策そして、接続期カリキュラムなどの幼保小の連携策などが、議論されます。
4、B型肝炎ウイルス予防接種が定期接種としての実施(無料化)へ
いままで任意接種でした。定期接種になる予定であり、日本のワクチン行政が一歩前進です。
5、発達障害などの子ども達にあった教育の場「特別支援教室」設置開始
『東京都特別支援教育推進計画 第三次実施計画(平成22年11月)』に従い、中央区も、今までの「通級指導学級」「固定学級」に加え、各校に「特別支援教室」が設置されます。
都の計画期間は28~30年の三カ年あるところ、中央区は、28年度と29年度の二カ年で整備。28年度から導入する学校は、京橋地域(中央小・明石小・◎京橋築地小)、日本橋地域(久松小・坂本小・◎有馬小)、月島地域(佃島小・月島第二小・◎月島第一小)(◎:拠点校、現在の通級指導学級設置校)です。29年度は、泰明小・明正小、城東小・常磐小・日本橋小、月島第三小・豊海小です。
新制度に移行しても、必要な児には、通級指導の継続など児童一人一人の状況に合わせた指導が行われることを事前説明会で区は何度も念押ししています。
6、ストレスチェック 子ども達に関わるすべての学校・保育の現場でも
労働安全衛生法が大改正(H26.6.25公布、H27.12.1施行)、すべての職場にストレスチェックが導入。
もちろん、子ども達に関わる学校・保育の現場でも当然に先生や保育士らにも適用になります。
もし、高ストレス状態の結果が出た場合、その本人は、産業医の指導を受けることができます(本人から申し出があった場合は、企業は、本人と医師の面接指導を実施するとことが義務であり、申し出を理由とする不利益な取り扱いは禁止)。
7、ペットとの共生「ペットとともに暮らすうえでの諸課題について語り合うカフェ」開催
各回異なるテーマが設定され、テーマごとに専門家、活動家をゲストに招き、参加者間の交流を通じて、ペットの適正飼養について意識を高めつつ、仲間作りが行われます。
8、中央区オリンピック・パラリンピック区民協議会
2020年東京五輪に向け、区民、関係団体および区が一体となって地域の発展とレガシーを残すことに取り組むための協議の場です。なお、第1回は、2015年12月17日に開催されました。
9、にぎわいにあふれる個性豊かな商店街 「商店街振興プラン2016」3月策定
前回は平成16年6月策定。中央区を6つの地区「八重洲・京橋・日本橋」「銀座」「新富・湊・八丁堀・茅場町」「築地」「人形町・やげん堀・浜町」「月島・勝どき」にわけ、各エリア別のコンセプトと重点テーマがまとめられています。
面的な広がりを持たせる回遊イベントの実施、外国人観光客の取り込み、商店街の組織力強化と人材育成が、重点的な取り組みとしてあげられています。
10、9月の総合防災訓練、今年は、京橋地区での開催
聖路加国際病院・聖路加看護大学そして、あらたに中央区と防災協定を締結した国立がんセンターなどとの十分な連携のもと、引き続き障害者団体の皆様もご協力もいただきつつ、実践的な訓練となることを願っています。
11、豊海地区への大型流通配送センター計画?とその屋上へのフットサルコート等の広場整備
区道の付け替えにより豊海町6番と7番が合体した大きな街区を可能にするという根幹部分において中央区も関与する豊海地区への大型流通配送センター建設計画。大型トラックの増加に伴い振動騒音排気ガスなどによる交通環境の悪化を来す計画である以上、その計画内容を勝どき豊海の住民の皆様にきちんと開示をした上で、慎重に議論をしていくべきところです。
例えば、漁港区への同計画が港湾法に適合するかという根本的な問題とともに、フットサルコート等の広場を区民が使用するときの制限が厳しい点をなんとか緩和ができないかという問題等があると考えます。
12、環状二号線 本年12月 暫定開通か?
環状二号線(築地大橋~豊洲)は、本年12月に仮設道路による暫定開通の予定。仮設道路が片側一車線の場合、混雑渋滞が懸念されることから、片側二車線での暫定開通の検討を都に強く求めていく必要があります。全線開通は、五輪開幕に間に合わせるため、2020年(H32)の早期になされる都の方針。
なお、豊洲新市場は、土壌汚染対策法上の「形質変更時要届出区域」という土壌汚染地指定のままであり、農林水産省が市場認可をするかは疑問。
東京都がこの豊洲新市場用地を汚染がないものとした評価価格で汚染原因者東京ガスから購入している問題では、住民訴訟が東京地方裁判所で係属中、秋頃に第一審判決の可能性。
第2、区政の課題について
福祉保健委員会委員、防災等安全対策特別委員会委員として考える区政の課題の一部を列挙致します。(2015年6月の一般質問でも一部指摘)。
【福祉保健分野】
◎医療的ケアの必要な者・児(「医ケア児」と略)の全員の現況調査
前述の通り、喫緊の課題としてのレスパイトは整備される予定であるものの、医ケア児とその家族が抱える問題は、個別具体的な解決がなされる必要があります。
基本的に、医ケア児が、区内に何人おられるかという実数の把握自体も難しい現状でありますが、障害者団体や自立支援協議会、在宅療養支援協議会そして、包括的な協定をする聖路加看護大学などの連携のもと、対象者を漏らすことのない有意義な調査がなされることを期待致しております。
◎医療ケア児、発達障害などそれぞれに応じた保育、幼稚園教育の提供を
たとえ、医療的ケアが必要であったとしても、その児が希望するのならば、保育園なり、幼稚園に通える環境整備がなされていくことを願っています。
児童福祉法において、「保育所における保育」に関して「市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所…において保育しなければならない(24条1項)。市町村は、前項に規定する児童に対し、…認定子ども園…又は家庭的保育事業等…により必要な保育を確保するための措置を講じなければならない(同条2項)。」又、学校教育法においても、「幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする(22条)。」と規定され、保護者側の事由はあるものの児童の事由はなんら付されておらず、保育の場や幼稚園が全ての子ども達に開かれているところです。
家族法の大家大村敦氏らも「ノーマライゼーションの理念の下、子どもの福祉に合致した保護者の意思は尊重されるべきであり、発達障害に限らず、障害を理由とした保育所・幼稚園への入所・入園拒否は、保育所等の負担が過重となるなど「やむを得ない事由」がない場合には「必要かつ合理的な配慮」(障害基4条)を欠くものとされ、実際に入所拒否を違法とした裁判例もあります。2013(平成25)年に成立した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(2016(平成28)年4月施行)も踏まえる必要があるでしょう。」と述べられ(『子ども法』223頁)、4月施行の障害者差別解消法のもと、中央区においても、子ども達ひとりひとりの障がいに応じた「必要かつ合理的な配慮」がなされることを期待致しております。
これら医ケア児の諸課題を解決していくことは、区が直面する老老介護、住み慣れた場所で生を全うする在宅終末期医療の問題解決にも繋がると考えています。
【防災分野】
◎防災拠点運営委員会への民生委員と消防団員の委員やアドバイザー参加
区内全域に23カ所21の防災拠点運営委員会が設置され、『中央区地域防災計画(平成27年修正)』では、その運営委員会の構成は、「1防災区民組織、2町会・自治会、3PTA、4事業所、5学校、6医師会、7警察、8消防、9消防団、10民生委員、11区等」と明記されています(同計画68頁)。
ところが、同委員会では、まだまだ、消防団員や民生委員の委員やアドバイザーとしての参加ができていないところが多数存在しています。
民生委員は、防災拠点区域内の避難行動要支援者の生活状況を把握されておられるし、消防団員は、その避難行動要支援者の避難行動支援や、拠点訓練のお手伝いをする重要な任務を担っており、両者は運営委員会に欠かせない存在であると考えます。
同計画に則った運営委員会構成になるように区も支援すべきと考えます。
第3、小児医療や子育て支援の現場で現在実践中のことについて
◎抗生剤の適正使用に向けた啓蒙
こどもの風邪のほぼ9割は、ウイルス感染によるもので、ウイルスには抗生剤は無効です。にもかかわらず、「風邪=抗生剤投与」という安易な処方に伴う耐性菌の出現や、子どもの体へのアレルギー等の悪影響を防いで参ります。
◎聖路加国際病院からの地域臨床研修医の受け入れ
厚生労働省から『臨床研修協力施設』に認定されており、臨床研修の医師が、地域医療研修のため当院に参ります。来年度は7名の予定であり、診察室でご一緒いただきますが、ご協力の程、よろしくお願いいたします。
◎病児保育事業及び病児お迎えサービス
18時半までの保育延長の対応や土曜日の実施、病児お迎えサービス(保育園での急な発病の場合、親御さんに代わって当院スタッフが、保育園に出向き、そのまま当院で病児保育へ移行)等も含め病児保育サービスを実施。
◎乳幼児健診における全例の視力スクリーニング
新しく開発された機具を用い、視力スクリーニングを区の乳児健診児の全例に実施し、目の異常を早期発見。
◎“心のワクチン(知識をつけて、身を守る)” ブックスタート事業
健診や予防接種で来院の赤ちゃんに、選定した絵本と接する機会を付与。
◎子育て体験講座『あすなろ倶楽部』
お子さんの発達に合ったいろいろな遊び、絵本紹介、しつけ方法などNPO法人あそび子育て研究協会の先生にお話していただく少人数制の体験講座。参加されている親御さん同士の交流のきっかけとなる場としても。
◎五歳児健診及び発達相談
発達障害等を五歳児健診により早期に発見し、小学校生活にスムーズな移行ができるように早期対応。
◎不登校外来
いじめ、不登校、自殺はなくし、子どもを守ることが、大人そして私達小児科医師の絶対の使命です。悩む子どもにとって、学校は、命を削ってまで、行くところでは、決してありません。一緒に、考えて行きます。
◎学校の授業の補講『三丁目の補講』事業
小中学校の授業でわからない点、つまずく点を、なんとか回答に近づけるように一緒に考えます。通級学級や特別支援教室参加のためにクラスの授業が抜ける部分の対応なども専門家の助言のもとでの実施を検討中。
◎子育て広場事業
武道教室やリラクゼーションなど子育てに関する地域活動団体に、子育て広場としての活動の場を提供。子育て支援のアイデアのお持ちのかた、そのアイデアを是非とも実現してください。実現の広場を提供いたします。
等々
以上