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「衆議院選挙制度に関する調査会」答申翌日の各紙社説、責任与党は前向きに取り組むべし

2016-01-15 11:09:44 | シチズンシップ教育
 「衆議院選挙制度に関する調査会」の選挙制度に対する答申を受け、各紙は、どのような社説を書いたか興味があり、比較してみた。
 産經以外は、当然に、答申翌日の社説に、選挙改革をとりあげていた。

 一言抜粋すると、以下のよう。

 東京新聞は、定数是正も大事だが、さらに大事なことを主張している。
 朝日、毎日、日経、読売は、いずれも、法改正へ動き出すべきことを主張している。
 特に、毎日、日経、読売では、自民党が改革案に前向きでないことを批判しつつの社説の内容となっている。

 一人一票が多数決原理の基本中の基本であるのであるから、自らの党の都合などは抜きにして、一票の較差是正への取り組みに期待をするところである。




朝日:答申に真っ向から反論することなど、いまさらできないはずだ。速やかに合意形成を図り、いまの国会で法改正を行うべきである。

毎日:大島理森衆院議長は答申を受けて「今国会での結論」を各党に要請した。安倍首相自ら取りまとめに動き、早期の与野党合意を図るべきだ。

東京新聞:多様な国民の声を犠牲にするより、政党や議員へのカネを真っ先に犠牲にすべきだと考える。

日経:自民党が本気で改憲を望むならば、誰からも後ろ指をさされない形で発議に至るように努めるべきである。目先の損得しか見ないようでは責任与党の看板が泣く。

読売:自民党は他党との協議で改革案に合意できなかったため、有識者に検討を委ね、その答申を尊重すると約束したはずだ。答申内容が気に入らないからといって、反故ほごにするなら、身勝手過ぎる。

産經:(選挙制度のことではない内容)


********朝日新聞*************************************


衆院選挙改革 不断の見直しを怠るな

2016年1月15日(金)付


 「衆議院選挙制度に関する調査会」がきのう、「一票の格差」の是正策や、定数削減などについての検討結果を大島理森衆院議長に答申した。

 格差是正策としては、(1)10年ごとの大規模国勢調査をもとに、都道府県の人口比に基づく「アダムズ方式」で都道府県単位の定数を配分する(2)大規模調査の中間年の簡易国勢調査で格差2倍以上の選挙区が生じたときは、内閣府に置かれた「衆議院議員選挙区画定審議会」が各都道府県内の選挙区割りの見直しを行う――などを挙げた。

 衆院選の一票の格差をめぐっては、最高裁がこの4年間に3度、「違憲状態」の判決を出している。

 判決を受け各党間で検討を進めたが、まとめることができずに調査会に議論を委ねた経緯がある。答申に真っ向から反論することなど、いまさらできないはずだ。速やかに合意形成を図り、いまの国会で法改正を行うべきである

 答申は、定数については小選挙区で6、比例区で4減らすとした。ただ「衆院議員の定数は、国際比較などから多いとは言えず、削減する積極的な理由や理論的根拠は見いだし難い」とも明記している。

 有権者の代表である議員は、単に減らせばいいというものではないだろう。それでも、消費税率の引き上げにあたり自民、民主の両党首が「身を切る改革」として約束した以上は、受け入れるほかない。

 答申通りに改革すれば、一票の格差拡大という「出血」は止められそうだ。だが、日本の代表制民主主義が抱える「病」の根本に手がつくわけではない。

 いまの小選挙区比例代表並立制は、政権交代可能な二大政党制の実現をめざし、民意の「反映」よりも「集約」に重きを置いている。このため死票が多く、過去3回の衆院選では、第1党はいずれも5割に満たない得票率で、小選挙区の7割超の議席を獲得した。

 議席数と民意との乖離(かいり)が政治へのシニシズムを育て、いっそうの低投票率を招く。そんな側面があるのは否めない。

 しかし、答申は「新たな制度を検討せざるを得ないほど深刻な事態にあるとは考えられない」と、制度の見直しには踏み込んでいない。国民の議論を喚起するような積極的な検討が行われなかったのは残念だ。

 もちろん、議論を深める一義的な責任は国会にある。選挙制度の不断の見直しを怠れば自らの代表性が揺らぐ。議員はこのことを肝に銘じるべきだ。




******毎日新聞**********

衆院1票の格差 自民は答申を尊重せよ



毎日新聞2016年1月15日 東京朝刊

 衆院議長の諮問機関「衆議院選挙制度に関する調査会」が衆院の小選挙区定数を「7増13減」する一方、比例代表もブロック別定数を「1増5減」して総定数を10減らす改革答申を提出した。


 答申は小選挙区比例代表並立制を維持しながら「1票の格差」是正という緊急課題に応えたものであり、現実的な策だと考える。

 ところが、これでやっと与野党合意に向かうかといえば、そうではなさそうだ。とりわけ衆院で大多数を占める自民党から答申に対する異論が相次いでいるからだ。安倍晋三首相が答申を尊重する考えを再三示しているにもかかわらずである。

 答申は小選挙区を東京など1都4県で計7増やし、13県で1ずつ減らす内容だ。また人口の増減に対応するため5年ごとに都道府県内の区割りを見直すという。確かに現状では自民党が最も影響を受け、党内の選挙区調整も難しくなるだろう。だが「影響を受ける議員が多いから反対」というのは理屈にならない

 「1票の格差」を是正するには地方の定数を現状のままにして都市部の定数を増やす方法もある。しかし今の国会議員のあり方に対し、ただでさえ厳しい目を向けている多くの国民が総定数の増加に納得するとは思えない。一方、自民党が主張してきたように比例代表のみ定数を削減するのでは少数意見はますます切り捨てられる懸念がある。

 そもそも今回の改革は民主党政権下の2012年秋、自民、公明と民主3党が消費増税に伴って「国会も身を切る覚悟が必要だ」と定数削減で合意したのがきっかけだ。だが、各党の利害が入り乱れ、与野党協議がまとまらなかったから第三者機関に委ねられたのだ。その経過を忘れて振り出しに戻られては困る。

 一昨年末の衆院選での「1票の格差」について最高裁は「違憲状態」と判断した。立法府である国会を担う議員の選び方が「違憲状態」と指摘されることをどこまで深刻に受け止めているのか。改革を実現しようという意欲が感じられない自民党を見ていると、そんな疑問を抱く。

 政界では夏の参院選に合わせ衆院選も実施する同日選の可能性が取りざたされている。答申に沿って小選挙区の区割り変更が行われるとすれば一定の周知期間が必要で、仮に夏の同日選となれば今度の改革は間に合わなくなる公算が大きい。同日選を期待する声が自民党にあるのは、格差是正は先送りしても構わないという党内の空気の表れでもあろう。

 大島理森衆院議長は答申を受けて「今国会での結論」を各党に要請した。安倍首相自ら取りまとめに動き、早期の与野党合意を図るべきだ。





********東京新聞*****************


選挙制度改革 多様な民意を削るな


2016年1月15日


 衆院の選挙制度に関する有識者調査会が改革案を答申した。議員定数を十減らし、四六五とするが、戦後最少の議席数である。多様な民意を反映させる民主主義の原点から見れば疑問も多い。


 いわゆる一票の格差が前回の総選挙では、最大二・一三倍あった。投票価値に不平等があるのは明らかで、最高裁も「違憲状態」と判断している。二・一三倍の格差とは、ある選挙区とある選挙区を比べた場合だ。都道府県別だと、実は一・七九倍の格差だった。


 「アダムズ方式」と呼ばれる方法を小選挙区で用いる今回の改革案が達成されたとしても、それが一・六二倍になるだけだ。小選挙区制を基本とする限り、一票の不平等を解消するには限界がある。小選挙区制の存廃も含めて、抜本的に見直すべきでなかったか。


 さらに問題は議員定数を小選挙区と比例代表で計十議席減らすことだ。四百六十五議席となるが、一九四六年の議会のときは四六六あった。その後も増えて、八六年には五百十二議席になった。それと比べて、改革案は四十七議席も少なく、戦後最少となる。


 戦前の帝国議会でも衆議院定数は四六六だったから、それよりも一つ少ない。そもそも日本より人口の少ない英国の下院では六五〇、フランスの下院も五七七、ドイツも五九八の定数がある。日本の議員数が多すぎるわけでは決してない。


 議員は多様な民意を国会に反映させる役目を負う。定数を減らせば、その機能も減衰しよう。三権分立の原則から国会は行政府を監視する機能も持つが、その能力も低くなる恐れがある。議員立法の活動も、理屈上は低下することになる。選挙によって多様な民意をすくい取りにくくもなる。


 「身を切る改革」をするならば定数の削減ではなく、約三百二十億円にものぼる政党助成金、二千万円を超す議員歳費、千二百万円の文書通信交通費、立法事務費などに手を付け、大きく削減すべきである


 議員一人に約七千万円の国費がかかるとされるが、その計算だと十人削っても約七億円にすぎない。政党助成金を各国比較すれば、ドイツは日本の約半分、フランスは約三分の一、英国は約百十分の一にすぎない。米国にはそもそも政党助成金の制度すらない。


 多様な国民の声を犠牲にするより、政党や議員へのカネを真っ先に犠牲にすべきだと考える。




*******日経新聞*****************
答申を尊重して1票の格差の是正急げ

2016/1/15付

 最高裁が違憲状態と断じた衆院の1票の格差を縮小できるか。与野党は第三者機関の答申を最大限尊重し、早期に是正にこぎ着けてほしい。第1党の自民党の責任はとりわけ重い。現状を放置して、有権者の国政への信頼を損なってはならない。

 第三者機関の衆院選挙制度調査会(佐々木毅座長)が大島理森衆院議長に提出した答申は(1)小選挙区を7増13減する(2)比例代表を4減する――が柱だ。全体の定数は合計10減によって戦後最少の465となる。

 佐々木氏は小選挙区を9増9減する意向を示していたが、定数削減を求める声も取り入れ、見直す小選挙区を増やした。

 自民党は答申の実現に後ろ向きだ。小選挙区が減る地域の現職議員の候補者調整が容易でないからだ。細田博之幹事長代行は「13減で(同党)衆院議員は64人が関係する」と指摘する。

 そんな党利党略優先の姿勢では先が思いやられる。自民党は定数削減は比例のみを対象にすべきだとの立場だが、それでは公明、共産両党などが不利益を被る。定数削減見送りは民主党や維新の党が納得しない。答申は与野党の主張の最大公約数といってよい。

 そもそも第三者機関に是正案づくりを委嘱したのは、与野党の協議が不調だったからだ。答申が出てから、中身が不都合だとそっぽを向くのは筋違いである。

 自民党は地方選出の議員が多いので、定数配分が都市部に厚くなることに抵抗感がある。憲法に選挙区の区割りは人口だけでなく、面積その他も考慮するように書き込むべきだとの意見がある。

 過疎地の声を国政にどう反映させるかはよく考える必要がある。だが、それはあくまでも長期的な課題だ。すべての国民の平等を定めた現憲法の規定のもとで「1票の格差があってよい」と主張するのは法的に無理がある。

 安倍晋三首相が憲法改正に意欲的な発言をしている。改憲の是非が国政の最大の争点になる日はそう遠くないかもしれない。

 その際、「違憲状態で得た3分の2の多数で発議するのは無効である」などという議論になるとややこしいことになる。

 自民党が本気で改憲を望むならば、誰からも後ろ指をさされない形で発議に至るように努めるべきである。目先の損得しか見ないようでは責任与党の看板が泣く




*******読売新聞*******
衆院選制度改革 議員立法へ与野党は調整急げ


2016年01月15日 03時05分

 衆院選の「1票の格差」を是正することは喫緊の課題である。与野党は、必要な立法措置に向けて調整を急ぐべきだ。



 衆院の選挙制度に関する有識者調査会が大島議長に答申を提出した。小選挙区の各都道府県の定数を「アダムズ方式」で配分し直すよう求めた。

 これにより、定数は東京都と4県で計7増え、13県で各1減る。都道府県間の最大格差は1・621倍となる。小選挙区間の格差も2倍未満に収まる見通しだ。

 1票の格差が2倍未満を基本と定めた衆院選挙区画定審議会設置法を踏まえたものだ。

 アダムズ方式は、人口の少ない県に比較的有利とされ、最少の鳥取県も定数2を当面維持する。地方への一定の配慮もうかがえる。答申は妥当な内容と言えよう。

 答申は、10年ごとの国勢調査に基づき都道府県定数を再配分し、中間年の簡易国勢調査で2倍以上の格差が生ずれば、区割りを見直すことも提言した。継続的に格差を是正する仕組みと言える。

 疑問なのは、定数を小選挙区で6、比例選で4削減することだ。答申自体が、削減の「積極的理由、理論的根拠は見いだし難い」と認めながら、定数削減を唱える各党の主張を考慮したという。

 日本の国会議員は人口比でみれば、欧州各国より多くない。定数を減らせば、多様な民意が反映しにくくなる。小幅とはいえ、定数減に踏み込む必要があるのか。

 大島議長は各党に、答申を尊重し、党内調整を急ぐよう求めた。新制度への移行には、議員立法で公職選挙法などを改正したうえ、区割り見直し作業が必要となる。1年以上かかる見通しだ。

 最高裁は格差が最大2・13倍だった2014年衆院選を「違憲状態」と認定し、是正を促した。与野党は応じざるを得ない。

 公明や民主、維新の各党などは、答申に一定の評価をしている。

 焦点は自民党の対応である

 定数減となる県の選出議員を中心に、異論が相次いでいる。アダムズ方式を採用せず、区割りの見直しのみ行う案も出ている。だが、将来の人口変動に対応できず、弥縫びほう策との批判は免れまい。

 自民党は他党との協議で改革案に合意できなかったため、有識者に検討を委ね、その答申を尊重すると約束したはずだ。答申内容が気に入らないからといって、反故ほごにするなら、身勝手過ぎる

 安倍首相は答申に従う意向を表明してきた。党内の意見集約へ、指導力を発揮せねばならない

2016年01月15日 03時05分


********産経新聞******************
1.15の社説では、選挙制度はあつかわず

【主張】対北制裁と中国 抜け道ふさぐ責任大きい2016.1.15 05:03
【主張】NHK不祥事 公共性への意識が足りぬ2016.1.15 05:02
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