「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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市川宏雄『東京一極集中が日本を救う』は、単なる「東京一極集中でよい」という結論は述べていない!

2016-01-07 18:02:18 | 中央区 新基本構想

 『東京一極集中が日本を救う』 市川宏雄(いちかわひろお)都市政策専門家 ディスカヴァー携書2015年10月25日第1刷 という書(以下、「本著」という。)がある。
 

 まず、私も、書名にショッキングな印象を受けたひとりである。

 売れる書物とするためには、書名は大切なのであり、敢えてこの書名にしたのであろうと推察をする。


 本著で述べていることは、「東京一極集中」から連想される「東京VS地方」という二項対立の見方をやめて、国際都市間競争の中で、東京都が勝ち残るための手法を論じたのであろうと、私は読み終えて感じるところである。

 実際に市川氏自体は、本著あとがきにおいて、「長年、都市政策や都市計画の関係者の間では、東京一極集中の利点について表立って論じることは、ある種のタブーとなっていた。…すべての面について賛成が得られるとは、私も思っていない。いろいろな意見があることも承知している。しかし、少なくとも、東京一極集中という現実について、私たち日本人が、目を背けず冷静に議論する必要があることについては、ご賛同いただけなのではないだろうか。」と述べられている。

 すなわち、本著に書かれている主な内容は、以下。

 〇本著は、東京一極集中は、歴史の必然として生じ、第三次産業繁栄が東京で起きている。(第1章)
 
 〇かつては、「東京」「地方」「政府」の幸福な関係があったが、1992~93年のバブル経済崩壊とともに瓦解した。(80頁)

 〇東京一極集中を肯定する形での政策転換は、二つの理由でできない。(118~120頁)
  ひとつは、地方選出の議員がまだまだ多数派をしめていること、もうひとつは、人口動向から地方自体が、消滅の可能性があること。

 〇道州制の議論には、反対する勢力がふたつある。(125頁)
  ひとつは、権限と予算を地方に渡すことになる政府、もうひとつは、地方の小都市。


 〇国際都市間競争時代の東京の課題
  1、東京でのビジネスの成長性、容易性で東京は難点であるという、経営者からの評価の低さ(155頁)

  2、1950年代~70年代前半に整備された道路・鉄道・橋梁・トンネル・上下水道などのインフラの一斉老朽化を迎えること(164~167頁)
   (維持補修にかかる費用のピークは2016年度、更新にかかる費用のピークが2023年度)

  3、超高齢化(169頁)
   東京の高齢化率24.2%(2015年)⇒30.7%(2035年)

 〇東京の二つの武器
  1、リニア中央新幹線の開業(184頁)
    東京~名古屋間286km40分 2027年先行開業⇒名古屋をいれ7000万人都市圏誕生(現在3562万人)、東京~大阪間438km67分 全線開業予定2045年

  2、2020年東京オリンピック・パラリンピック(218頁)
    経済波及効果19兆3522億円(2014年度の実質GDP525兆8664億円の0.26%)、2020年の経済成長率を0.26%程度押し上げる

 〇東京一極集中の状況下、大震災に対しては、大阪圏をバックアップにスムーズにできる体制を整える(関西広域連合提言)(244~245頁)

  
 上記論点を踏まえると、最終的な政策のありかたは、決して、単なる「東京一極集中でよい」という結論ではなく(書名だけにつられて、そのような論がはびこることを最も危惧いたします。)、

 再度、「東京」「地方」「政府」が、WIN-WIN-WINの幸福な関係を構築し、その結果として、国際都市間競争に勝ち抜く東京を築きあげることだと私は考える。東京を牽引するのが第三次産業であるがゆえに、地方との再度の良好な関係構築は、ICT技術などを駆使し十分に可能ではないだろうか。

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我が子の叱り方 アンガーマネジメントの「かりてきたねこ」

2016-01-07 09:55:15 | 子育て・子育ち

 10月16日(金)中央区役所8階大会議室で、PTA連合会成人教育委員会が開催され、社団法人日本アンガーマネジメント協会理事の小林浩志氏による「上手な怒り方~アンガーマネジメントとは~」という講演会が行われました。

 その時にご紹介された、子どもをしかるときのポイント「かりてきたねこ」


 か…感情的にならず

 り…理由を話す

 て…手短に

 き…キャラクター(人格)に触れず

 た…他人と比較しない

 ね…根にもたず

 こ…個別に叱る

 そして、

 「いつも」「絶対」「必ず」は、自分の怒りを正当化するための不正確なワードなので使わないように心掛ける。


 出典:『折れやすい部下の叱り方』渡部卓 日本経済出版社


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