「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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豊洲新市場土壌汚染問題 第4回専門家会議で市場関係者を呆れさせたデータ抜粋。移転はありえない。

2017-01-15 21:08:37 | 築地重要

  土壌汚染対策後になされる2年間のモニタリング。
 最終の第9回で、異常値が多数出されました。

 その市場関係者を呆れさせたデータを抜粋致します。
 
 まず、考えるべきは、土壌汚染対策がなされたのにも関わらず深刻な土壌汚染が残っていることの可能性。
 そして、いままでの第1回から第8回までが、データの取り方に誤りがなかったかの検証をすることではないでしょうか。
 もちろん、これら異常値がどのように推移するかも見ていく必要がありますが…

 土壌汚染が深刻な場所に、移転はありえません。
 東京都が市場認可を申請しても、農林水産省は認可をしないでしょう。 


<ベンゼンの平面的広がり>




<シアンの平面的広がり:注、シアンは検出されてはなりません。>



<ヒ素の平面的広がり:自然由来だけではないことがわかります。>



<ベンゼンの5街区(青果卸・仲卸棟)での時間的な検出経過:今回の第9回で、多くの場所で、検出がなされています。>




<ベンゼンの6街区(水産仲卸棟)での時間的な検出経過:今回の第9回で、多くの場所で、検出がなされています。>


<ベンゼンの7街区(水産卸棟)での時間的な検出経過:今回の第9回で、多くの場所で、検出がなされています。>



<ベンゼンの検出の経過>






<シアンの検出の経過>





<ヒ素の検出の経過>


<水銀の検出の経過>


<鉛の検出の経過>


以上

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15日各紙報道:築地市場関係者が、モニタリング結果を、どのように受け止められているかを知る材料として

2017-01-15 20:40:06 | 築地重要

 築地移転問題についての14日開催第4回専門家会議を受けて、翌日1月15日の各紙の報道。
 
 築地市場で働かれている関係者が、どのように受け止められているかを知る材料になればと考えます。

 このような状況で、移転を望んでいないことがわかるのではないでしょうか?

*******朝日新聞**********
http://digital.asahi.com/articles/ASK1G5HWYK1GUTIL01B.html
豊洲市場の地下水、突然の悪化なぜ 専門家「経験ない」
2017年1月15日14時24分


 環境基準の最大79倍にのぼるベンゼン、シアン、ヒ素――。東京都の豊洲市場の地下水検査の最終結果で、これまでにない有害物質の数値が明らかになった。「あまりにもショッキング」「これでは移転はできない」。専門家は戸惑い、業者は憤りをあらわにした。築地市場からの移転はどうなるのか。移転を凍結している小池百合子知事は「想定を超える数値が出た」と述べ、より慎重に判断する考えを示した。

 14日午後、築地市場(中央区)の講堂で東京都の専門家会議が開かれた。

 硬い表情の都の担当者が、豊洲市場予定地の地下水の検査結果を説明した。

 「(今回、有害物質の数値が)急激に上がっているところが、多々あります」

 「理由はわかりづらいところであります」

 市場関係者らは、静かに資料に目を落とした。

 地下水検査は2014年に始まった。今回が9回目の発表だ。過去1~7回は全201カ所の観測地点で、ベンゼンやヒ素などが環境基準値以下だった。

 昨年9月に公表された8回目で、初めて基準の1・1~1・9倍のベンゼンとヒ素が3カ所で検出された。それでも、平田健正・座長(放送大学和歌山学習センター所長)は「健康に影響するものではない」との見解を示していた。

 それが一転、基準を超えた場所が72地点に拡大し、ベンゼンは最大79倍、本来検出されてはいけないシアンは初めて検出された。

 突然の「変化」に、委員たちは戸惑いを隠さなかった。

 平田座長は「あまりにも今までと傾向が違う。こういう経験は今までにない。どう評価をすればいいか分からない」と述べた。駒井武・東北大学大学院教授も「あまりにもショッキングな状況」と語った。

 何が起きたのか。駒井氏は、地下空間にたまった水を排水する「地下水管理システム」が原因ではないかと推測する。8回目の検査結果が公表された後、同システムが本格稼働しており、「水質に変化を与えたのでは」という見方だ。

 ただ、今回の結果が委員たちに伝えられたのは4日前。この日はこれらの数値を「暫定値」と扱い、あらためて調査し直すことで一致するしかなかった。

 専門家ですら「経験がない」「理解できない」という急激な数値の変化。都によると、1~8回までに関わった複数の調査会社とは異なる会社が、初めて担当した。平田座長は、再調査の際に会議の委員が立ち会うこと、検査に複数の業者を入れることなどを提案した。

 ベンゼン79倍をどう評価すればいいのか。

 元日本環境学会長の畑明郎(あきお)・元大阪市立大大学院教授は「相当のガソリン臭がするレベル。大地震で液状化が起きて地下水が噴き出せばパニックになる」と話す。一方、専門家会議の内山巌雄・京都大名誉教授は、飲むわけではないので健康に影響はないとし、液状化が起きても「この程度なら大気中に拡散するので問題ない」と話す。

 平田座長も「安全面で影響はなく、値自体は大きな問題とは思わない。ただ、必要な安心につながるかチェックしたい」と述べ、安全性よりも、「安心」の問題であることを強調した。

■仲卸「驚きよりあきれた」

 専門家会議の質疑応答の冒頭。真っ先に手を挙げたのは、築地市場協会の伊藤裕康会長(82)だ。

 「7回目までの調査と(基準を超えた)8、9回目で何が違うのか。大変驚いている。早くきっちりした実態をつかんで頂きたい」

 平田座長は「僕もつらい。改めて推移を調べていくとしか言えない」と答えるしかなかった。

 水産仲卸「山治」の山崎康弘社長(47)は「驚きよりあきれた」と話す。

 「今のままじゃ移転はできない。いくら都が豊洲に6千億円をかけたから移転しろと言っても、僕らには関係ないし、絶対に妥協はしない。僕は安心して魚を売りたいだけなんだ」

 この日の専門家会議は、2回の質疑応答を含めて4時間半に及んだ。

 水産仲卸の宮原洋志さん(65)は、会議の休憩時間に仲間の業者と顔を見合わせて、「これはもう豊洲はないな」とつぶやいた。

 「移転に比較的前向きだった人からも、『これじゃ行けない』との声が出てきた。今回の結果で、豊洲は『行きたくない市場』から『行っちゃいけない市場』に変わってしまった」

 15歳から築地で水産仲卸を続ける野末誠さん(79)は「日本の魚文化を支える東京の魚市場の恥を、世界中にさらしてしまった」と憤る。かつて仕事で滞在したイタリアでは、「TSUKIJI」ブランドに寄せられた絶対的な信頼に、幾度も感動した。「築地の行く末は世界も注目している。都は未来に悔いを残さぬ判断を」と語った。

 干物などを扱う水産仲卸の男性(63)は「驚きより、またか、とあきれる思いの方が強かった」。周辺には、移転延期に持ちこたえられずに廃業した仲間もいる。「最終結果でようやくたどり着いた事実は重い。小池さんはぎりぎりまで調査を尽くし、慎重に判断してほしい」

 まぐろが主体の水産仲卸社長(69)は「移転問題が長引けば、豊洲に多額の投資をした業者がさらに追い詰められる」と心配する。

 区画が手狭な豊洲への移転に備え、築地にいる今から店舗の権利を買い増した業者も多い。

 「今さら転売も難しく、既存店舗から離れて営業もできない店を複数維持する負担は、補償対象になるかどうか。中ぶらりんが続く残酷さを、今度こそ都はしっかり認識すべきだ」

     ◇

 〈ベンゼン〉 無色透明な液体で、化学製品の基礎的な原料としてよく使われる。地下水の水質汚濁に関する環境基準は1リットル当たり0・01ミリグラム。揮発性が高く、長期間吸い込むと血液のがんである、白血病を引き起こす可能性がある。

 〈シアン〉 シアン化合物は強い毒性をもち、金属の精錬などに使われる。多くは水に溶けやすく、地下水の水質汚濁に関する環境基準は「不検出」。人体に一定量摂取すると頭痛やめまい、意識障害などを起こして死亡する場合もある。

 〈ヒ素〉 毒性の強い元素で、殺虫剤や除草剤などの原料として世界中で使われてきた。地下水の水質汚濁に関する環境基準は1リットル当たり0・01ミリグラム。発がん性があり、無機ヒ素の致死量は成人では100~300ミリグラムとされる。



http://digital.asahi.com/articles/DA3S12748241.html
(時時刻刻)豊洲市場、想定外の水質 急激悪化、専門家も困惑
2017年1月15日05時00分


 環境基準の最大79倍にのぼるベンゼン、シアン、ヒ素――。東京都の豊洲市場の地下水検査の最終結果で、これまでにない有害物質の数値が明らかになった。「あまりにもショッキング」「これでは移転はできない」。専門家は戸惑い、業者は憤りをあらわにした。築地市場からの移転はどうなるのか。移転を凍結している小池百合子知事は「想定を超える数値が出た」と述べ、より慎重に判断する考えを示した。▼1面参照

 14日午後、築地市場(中央区)の講堂で東京都の専門家会議が開かれた。

 硬い表情の都の担当者が、豊洲市場予定地の地下水の検査結果を説明した。

 「(今回、有害物質の数値が)急激に上がっているところが、多々あります」

 「理由はわかりづらいところであります」

 市場関係者らは、静かに資料に目を落とした。

 地下水検査は2014年に始まった。今回が9回目の発表だ。過去1~7回は全201カ所の観測地点で、ベンゼンやヒ素などが環境基準値以下だった。

 昨年9月に公表された8回目で、初めて基準の1・1~1・9倍のベンゼンとヒ素が3カ所で検出された。それでも、平田健正・座長(放送大学和歌山学習センター所長)は「健康に影響するものではない」との見解を示していた。

 それが一転、基準を超えた場所が72地点に拡大し、ベンゼンは最大79倍、本来検出されてはいけないシアンは初めて検出された。

 突然の「変化」に、委員たちは戸惑いを隠さなかった。

 平田座長は「あまりにも今までと傾向が違う。こういう経験は今までにない。どう評価をすればいいか分からない」と述べた。駒井武・東北大学大学院教授も「あまりにもショッキングな状況」と語った。

 何が起きたのか。駒井氏は、地下空間にたまった水を排水する「地下水管理システム」が原因ではないかと推測する。8回目の検査結果が公表された後、同システムが本格稼働しており、「水質に変化を与えたのでは」という見方だ。

 ただ、今回の結果が委員たちに伝えられたのは4日前。この日はこれらの数値を「暫定値」と扱い、あらためて調査し直すことで一致するしかなかった。

 専門家ですら「経験がない」「理解できない」という急激な数値の変化。都によると、1~8回までに関わった複数の調査会社とは異なる会社が、初めて担当した。平田座長は、再調査の際に会議の委員が立ち会うこと、検査に複数の業者を入れることなどを提案した。

 ベンゼン79倍をどう評価すればいいのか。

 元日本環境学会長の畑明郎(あきお)・元大阪市立大大学院教授は「相当のガソリン臭がするレベル。大地震で液状化が起きて地下水が噴き出せばパニックになる」と話す。一方、専門家会議の内山巌雄・京都大名誉教授は、飲むわけではないので健康に影響はないとし、液状化が起きても「この程度なら大気中に拡散するので問題ない」と話す。

 平田座長も「安全面で影響はなく、値自体は大きな問題とは思わない。ただ、必要な安心につながるかチェックしたい」と述べ、安全性よりも、「安心」の問題であることを強調した。

 ■仲卸「驚きよりあきれ」

 専門家会議の質疑応答の冒頭。真っ先に手を挙げたのは、築地市場協会の伊藤裕康会長(82)だ。

 「7回目までの調査と(基準を超えた)8、9回目で何が違うのか。大変驚いている。早くきっちりした実態をつかんで頂きたい」

 平田座長は「僕もつらい。改めて推移を調べていくとしか言えない」と答えるしかなかった。

 水産仲卸「山治」の山崎康弘社長(47)は「驚きよりあきれた」と話す。

 「今のままじゃ移転はできない。いくら都が豊洲に6千億円をかけたから移転しろと言っても、絶対に妥協はしない。僕は安心して魚を売りたいだけなんだ」

 この日の専門家会議は、2回の質疑応答を含めて4時間半に及んだ。

 水産仲卸の宮原洋志さん(65)は、会議の休憩時間に仲間の業者と顔を見合わせて、「これはもう豊洲はないな」とつぶやいた。

 「今回の結果で、豊洲は『行きたくない市場』から『行っちゃいけない市場』に変わってしまった」

 15歳から築地で水産仲卸を続ける野末誠さん(79)は「日本の魚文化を支える魚市場の恥を、世界中にさらしてしまった」と憤る。かつて仕事で滞在したイタリアでは、「TSUKIJI」ブランドに寄せられた絶対的な信頼に、感動した。「築地の行く末は世界も注目している。都は未来に悔いを残さぬ判断を」と語った。

 まぐろが主体の水産仲卸社長(69)は「移転問題が長引けば、豊洲に多額の投資をした業者がさらに追い詰められる」と心配する。

 区画が手狭な豊洲への移転に備え、店舗の権利を買い増した業者も多い。

 「今さら転売も難しく、既存店舗から離れて営業もできない店を複数維持する負担は、補償対象になるかどうか。中ぶらりんが続く残酷さを、今度こそ都はしっかり認識すべきだ」

 ■小池知事「高い水準求められる」

 築地から豊洲へ、市場は移転できるのか。

 小池氏はこれまで、豊洲の主な建物の下に汚染土壌対策の盛り土がなかった問題に関する安全性の再評価と対策づくりなどを待って、早ければ6~7月に移転可否を判断する予定だった。必要な追加対策工事などを経て、最短で来冬にも移転が実現する行程表を昨年11月に示していた。

 しかしこの日、小池氏の発言は一転した。

 「かなり厳しい数字が出ている」

 14日午前、小池氏は、塾長を務める政治塾で塾生たちにこう切り出し、「食の安全こそ守るべきで、何が必要か、もう少し調べようということになるかもしれない」と移転の判断が遅れることを示唆した。

 また、「少なくとも生鮮食料品を扱う市場であることを勘案しなければならない。一般より高い水準を消費者が求めるのではないか」と述べ、「安心」の観点から、より慎重な判断が必要との認識を示した。

 一方で、今回の地下水調査の結果を待つため、当初の移転計画を延期した昨年8月の自身の判断は、「きっちり最後までやってよかった」と振り返った。夏の都議選の「争点化」について問われると、自民党が主導してきた都議会を念頭に、「これまで(豊洲市場に)かかわってきたのが都議会。そういったことも避けられないのではないか」と述べた。

 都幹部は「この先どういう形で移転を進められるのか、想像がつかない。専門家会議の科学的分析と、小池知事の政治判断に委ねるしかない」と困惑する。別の幹部は「移転断念はないとは思うが、早期に移転できる可能性は低くなった」との見方を示した。

 

 ■築地市場の豊洲移転をめぐる経緯

<1998年> 東京都が移転先の検討を開始。豊洲が有力に

<2001年> 東京ガス豊洲工場跡地の土壌から環境基準の1500倍のベンゼン検出。都が豊洲移転を決定

<08年> 土壌から環境基準の4万3千倍のベンゼン検出

<11年> 都が土壌汚染対策工事に着工

<14年> 汚染対策工事完了。舛添要一知事(当時)が「安全宣言」。都が豊洲市場開場を16年11月に決定

<16年8月> 初当選した小池知事が移転延期を表明

<12月~> 業者に上限1千万円のつなぎ融資

<17年1月> 地下水検査の最終結果で、環境基準の79倍のベンゼンなど72カ所で基準を超す有害物質を検出

 ■今後の行程(昨年11月公表)

<17年4月> 専門家会議の審議終了(想定)。業者への補償金の申請受け付け・支払い

<6~7月> 環境アセスメント審議。(アセスやり直しが不要の場合)小池知事が移転の可否を判断

<冬(最短の場合)> 豊洲へ移転?


************毎日新聞***********
http://mainichi.jp/articles/20170115/k00/00m/040/102000c
「これでは実験場だ」業者ら憤り

毎日新聞2017年1月15日 07時00分(最終更新 1月15日 09時31分)


 東京都の豊洲市場(江東区)の地下水モニタリング調査で環境基準値を大幅に超える有害物質が検出されたことが公表された14日の専門家会議(平田健正座長)。歯切れの悪い説明が続き、会場の築地市場(中央区)講堂に詰め掛けた市場業者ら約100人は「これでは(市場ではなく)実験場だ」「都は信用できない」などと憤った。傍聴者の質問は途切れず、会議は4時間半に及んだ。

 「暫定値」「慎重に調べる必要がある」と繰り返す都の職員や有識者に対して発言の口火を切ったのは、移転推進派の伊藤裕康・築地市場協会会長。「これまで(のモニタリング)は惰性でやっていたのか。『大丈夫だろう』と安易な取り扱いをしていたんじゃないか」と、環境基準内に収まっていた過去の結果を疑問視。「なぜこうなったか包み隠さず知らせてほしいが、都に言っても適当にやるに決まっている」と不信感をあらわにした。

 移転に慎重な立場の水産仲卸、山崎康弘さん(47)も「(過去の結果に)改ざんがあったと疑われても仕方がない。(豊洲市場に)行った後にこの数字が出なくて本当に良かった」と皮肉を込めた。

 業者以外の傍聴者が「築地の方が豊洲よりも食品衛生上のリスクは高い」「地上(の汚染)はないから引っ越しても問題ない」と意見を挟む場面も。

 一方、業者のいらだちは専門家会議にも向けられた。ある男性は「我々も(再調査に)専門家を推薦すべきじゃないか。その上で(豊洲に)行けると言われれば、安心できる」と発言。別の男性が「市場として移る場所じゃない。あそこはいくら(調査を)やっても無理だ」と突き放すと、同調して「無理だ、無理だ」とつぶやく業者もいた。想定外の結果に都の職員は「これでは都民の安心や納得を得られない。どうしたものか」と頭を抱える。

 会場を後にした伊藤会長は報道陣に、あくまで年度内の移転判断を求めるとした上で、「早く(今回の結果の理由を)解明してほしい。風評(被害)とはこういう中で出てくる」と述べた。山崎さんは「僕らは安心も含めて魚を売っている。この状況で知事が安心宣言なんてできない。ならば(豊洲に)行くべきでない」と訴えた。【林田七恵、平塚雄太】

「理由分からない」専門家会議
 平田座長らが会議後に開いた記者会見の主な内容は次の通り。

 平田氏 高い値が出たので、どう受け止めるかというのがある。これまで月1回開催してきた会議は来月休会にして調べ直す。理由が分からないので、私たち自身も調査に立ち会って改めて調べ、納得した説明ができるようにしたい。

 --報告書のとりまとめは遅れるか。

 平田氏 若干遅れると思う。

 --見通しは。

 平田氏 何とも申し上げられない。

 --今回は暫定値。どう理解すればいいのか。

 都の担当者 まだ確認中ということ。

 --数値は信じられないということか。

 平田氏 そういうわけではない。今までと大きくかけ離れているので、何が起こったか含め、検証したい。

 --これまでと違う会社が調査した。数値が調査会社によって大きく変化することはあり得るのか。

 平田氏 基本的には変わらないはず。ただ採水の仕方などはいろいろある。

 --事前に検証した上で、ちゃんとした数値を出すべきではなかったか。

 平田氏 本日に出すと告知しており、そのままの数値を出すべきだと考えた。オープンに行っている。

 --過去の調査についても調べ直すのか。

 平田氏 試料がないものもあるだろうし、そこまではできない。

**********東京新聞********
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017011590065818.html
【社会】

豊洲を都が再調査へ ベンゼン、基準の79倍検出

2017年1月15日 07時00分


 東京都は十四日、築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)で行った地下水調査の結果、二百一の観測地点のうち七十二カ所で環境基準の七十九倍のベンゼンなど三種類の有害物質が検出されたと公表した。七十九倍は、二〇一四年から続く九回の調査で最大。調査は今回で終える予定だったが、土壌汚染対策を検討する専門家会議は再調査を決定。三月中に結果を公表する。小池百合子知事は今夏にも移転の可否を判断する意向だったが、遅れる可能性が出てきた。 
 環境基準を超えるのは、昨年九月に結果が公表された八回目に続き二度目。築地市場内で同日開かれた専門家会議で報告された。環境基準の三・八倍のヒ素も検出。検出されないことが基準のシアンも初めて確認された。八回目は三カ所で一・一~一・四倍のベンゼン、一・九倍のヒ素が検出されていたが、数値や地点数は大幅に増えた。
 委員らは、地下水をくみ上げる「地下水管理システム」が昨年八月から稼働し、地下水に動きがあったことなどが一因と推測した。
 しかし、平田健正(たてまさ)座長は「なぜ急激に上がるのか検証する必要がある」と指摘。近く行う再調査は、信頼性を担保するため、会議の委員が関与して実施する。
 小池知事は昨年十一月に予定されていた移転を延期し、理由として地下水調査の最終結果が出ていないことを挙げていた。移転に向けた工程表では、今年四月に専門家会議の報告を受け、早ければ今年夏にも移転の可否を判断するとしていたが、平田座長は「(報告は)若干遅れる。何カ月というのは言えない」と述べた。
 平田座長はまた、検出されたベンゼンなどについて地下水は飲用で利用することはないため人体への影響はないとしたが「豊洲ブランドへの影響の心配や、一般の消費者が納得してくれない点がある」と説明した。
(東京新聞)


http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017011490135809.html
【政治】

ベンゼン、基準の79倍 豊洲地下水の都最終結果

2017年1月14日 13時58分


 築地市場(東京都中央区)が移転予定の豊洲市場(江東区)で都が実施している地下水調査の最終結果で、環境基準の七十九倍のベンゼンなどの有害物質が、二百一の観測地点のうち数十カ所で検出されたことが分かった。土壌汚染対策の検討のため十四日午後に築地市場内で開かれた専門家会議で、都が公表した。
 基準を上回るのは、昨年九月に結果が公表された前回調査に続き二度目。ベンゼンの数値は前回の環境基準の一・一~一・四倍を大きく上回った。他の有害物質はヒ素やシアンで、検出地点も前回の三カ所から大幅に増えた。これまでの調査と比べ数値が急激に変化している地点が多いため、今回の結果は「暫定値」とし、専門家会議で対応を検討する。
 小池百合子知事は昨年十一月に予定されていた市場移転を延期し、その理由として地下水調査の最終結果が出ていないことを挙げていた。十四日午前には自らの政治塾での講演で豊洲問題に触れ、「かなり厳しい数字が出ていると聞いている。今日から専門家に議論していただく。食の安全こそ守るべきだ。そのためにもう少し調べてみようということになるかもしれない」と述べ、慎重に判断する姿勢を示した。
 調査は二〇一四年十一月から二年間の計画で行われ、十四日公表の九回目が最終となる。昨年九月に結果が出た八回目では、三カ所で環境基準の一・一~一・四倍のベンゼン、一・九倍のヒ素を検出。この際、専門家会議の平田健正(たてまさ)座長は「土壌汚染対策の実施後、汚染物質濃度が変動しながら低下していくのはよくある現象」と述べ、推移を注視する考えを示していた。
 小池知事はこれまで、早ければ今夏にも移転の可否を判断し、移転時期を来冬以降とする工程表を明らかにしている。十三日には本紙のインタビューで「科学的に安全性を判断する」と強調していた。
 <築地市場の移転問題> 築地市場の施設が老朽化し手狭になったことから、東京都は2001年、江東区の豊洲地区にある東京ガス工場跡地への移転を決定。土壌から高濃度のベンゼンなどの有害物質が見つかり、都は汚染物質を除去する対策を実施し、16年11月に豊洲へ移転すると決めた。だが、土壌や空気汚染への懸念などから、小池百合子知事は移転を延期。主要建物下に土壌汚染対策の盛り土がされていなかったことも判明し、豊洲開場は最短で今年末から18年春になるとしている。
(東京新聞)

********日経新聞******
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB14H0K_U7A110C1MM8000/
豊洲地下水、追加調査へ 築地移転遅れる公算
2017/1/15 0:37

 東京都は14日、豊洲市場(江東区)の最終回の地下水モニタリング調査で、国の環境基準の79倍の濃度のベンゼンを検出したとの結果を公表した。安全性を検証する都の専門家会議は結果を受け、追加調査を実施することを決めた。早ければ2017年冬から18年春としてきた築地市場(中央区)の豊洲移転がさらにずれ込む公算が出てきた。

 都は今回の結果を「暫定値」としているが、調査地点201カ所中、3分の1を超える72地点で環境基準を上回る有害物質を検出した。検出されたのは、ベンゼン、ヒ素、シアン。ベンゼンは環境基準の10倍を超えたのが6地点にのぼり、このうち青果棟では79倍の地点があった。ヒ素は最大で3.8倍だった。シアンは環境基準は「不検出」とされており、一連のモニタリング調査で初めて検出した。

 モニタリング調査は全9回。都は昨年11月に市場を移転する予定だったが、小池百合子知事は調査が終わっていないことなどを理由に、昨年8月、移転延期を表明した。9回目の結果を見て、移転の可否や時期を判断するとしていた。

 追加調査は複数回、実施する予定で、民間2社と都の機関の3者それぞれにより多重でチェックする。都の専門家会議は「3月には結果を公表したい」としている。

 豊洲市場は東京ガスの工場跡地に立っており、かつて高濃度のベンゼンなどを検出した。都が土壌汚染対策を施し、14年からモニタリング調査を続けてきた。

 都の調査は食の安全・安心を確保するための法律が定める対策を上回る任意調査。地下水の環境基準は飲み水に適用する基準で、豊洲では地下水を飲んだり、生鮮品の洗浄に利用したりはしない。ただ、地下水に含まれる有害物質が気化する可能性がある。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H7S_U7A110C1CC1000/
汚染どこまで、いらだつ市場関係者 豊洲地下水
2017/1/15 0:38

 東京都の豊洲市場(江東区)の地下水モニタリング調査で、都が14日、最大で環境基準の79倍のベンゼンなどが検出されたと公表し、市場関係者に動揺が広がった。「なぜ、こんなに高い数値に」。専門家会議を傍聴した卸業者らからは、怒気を含む質問や意見が相次いだ。一層不透明になった「東京の台所」の先行きに、関係者は不安を募らせている。

 「『豊洲の土は入れ替えた』と言っていたが、本当にきれいな土に替わっているのか」「安心な場所と言えない限りは移転すべきではない」。専門家会議が開かれた築地市場(中央区)内の講堂では、傍聴した市場関係者が次々と発言を求めて立ち上がった。

 これまでの調査と桁違いの有害物質の数値に、専門家会議の平田健正座長(放送大学和歌山学習センター所長)も「説明がつかないのでもう少し時間をください」と困惑気味。「責任を持って改めて調査したい」と答えるにとどめた。

 会議の会場から出てきた鮮魚仲卸の山崎康弘さん(47)は「『ふざけるな』の一言だ」と憤りを隠さなかった。築地から豊洲への移転にはもともと慎重な立場だったが、今回の数値で築地にとどまる思いを新たにしたという。山崎さんは「この数値で消費者に安心と言ってもらうのは難しいのではないか。安全な場所で魚を売りたいという思いだけは絶対に妥協できない」と語気を強める。

 マグロなどを主に扱う鮮魚卸の男性(51)は「やっぱり、というのが第一印象。当初予定通り、昨年11月に豊洲市場が開場していたらどうなっていただろう」と小池百合子都知事の移転延期の判断をあらためて評価した。ただ、既に豊洲市場内に営業場所を確保しているといい、「移転するかどうか知事は早く決断してほしい」と訴えた。

 小池知事に年度内の移転可否の判断を求めている築地市場協会の伊藤裕康会長は「こんな数字が出て来たことは大変ショック」と戸惑いを隠せない様子。「専門家会議には一日も早く、急激に数値が上昇した原因を究明してほしい」と求めた。

 青果卸で働く女性(44)は「また移転の見通しが立たなくなってしまった」とため息をつく。水産商社の社長は「日本人は口に入るものにとても敏感で、風評被害が心配。海外への悪影響も広がりかねない」と話した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO11704540U7A110C1NN1000/
豊洲、都議選の争点に浮上も 想定外の汚染拡大
2017/1/15 0:35

 豊洲市場(東京都江東区)の地下水から環境基準を大きく超える有害物質が検出された。調査地点の3分の1以上という広範囲から検出するなど、過去8回の調査と比べ急激に悪化した。築地市場(中央区)関係者だけでなく、土壌汚染対策を検証する専門家会議、そして小池百合子知事にとっても想定外の事態となった。豊洲市場の移転問題が今夏の都議選の争点に浮上する可能性も出てきた。



 専門家会議が開かれた築地市場の講堂。午後1時ごろ、9回目の調査結果が配られると、出席者から「驚いた」「こんなに……」などのざわめきがしばらく続いた。

 過去1~7回の調査では全201地点で有害物質が基準を下回った。8回目は初めて基準値を超えたが、3カ所のみで、いずれも基準の2倍以内だった。桁違いの汚染状況に、専門家会議でも、平田健正座長(放送大和歌山学習センター所長)らが口々に「想定外」、「(要因分析に)時間がほしい」と漏らした。

 「非常に範囲が広がっているうえ、基準値に比べて高い数値が出ている。想定を超えており、驚いた」。小池知事も14日、記者団の取材にこう話した。

 知事は「科学的な分析を優先すべきだ」とみており、まずは大きな変動があった9回目の調査結果の検証が必要になる。

 14日の専門家会議では「1回でこれだけ変化しているのは奇異に感じる」(京都大の内山巌雄名誉教授)との声が出た。東北大の駒井武教授は昨夏から稼働する地下水管理システムに言及。地下水をくみ上げた影響などで水圧や濁り方など「地下水の状態がかなり変わっている」との可能性を示唆したものの、明確な理由は分かっていない。

 そのため同会議は追加で「細かい調査が必要」と判断、都に指示した。従来の3カ月に1回程度のペースから、月1回程度に頻度を高め、地下水の状況を詳しく調べる。

 専門家会議は4月に豊洲市場の安全性についての報告をまとめる予定だったが、平田座長は「遅れる」との見通しを示した。複数回、調査するため、数カ月単位で遅れる可能性もある。これに伴い、市場の移転時期も大きくずれ込むことも想定される。長引くほど、市場業者に補償する金額は膨らむ恐れがある。

 知事は今夏にも移転の是非を判断するとしてきた。築地市場関係者は今月12日、移転時期を16年度内に決めるよう要請。知事は「14日発表の最終的な地下水モニタリング調査次第だ」と述べ、移転の判断を前倒しする可能性も示していた。

 小池知事は都議選で自らに近い勢力で過半数をめざすと表明している。選挙戦が本格化する前に移転を判断することで、賛否の割れる市場移転を争点にすることを避けるとの見方も出ていたが、もくろみが外れた格好になった。

 今回の調査結果を受け、ある非自民の都議は「知事が夏の都議選前に豊洲移転を決断するのは難しくなった」とみており、別の都議も「移転は一層難しくなった」と語る。知事は14日、都議選で豊洲移転問題が争点化するかを記者団に問われて「そういうことも避けられないのではないか」との見方を示した。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H4E_U7A110C1000000/
「想定外で驚いている」 小池知事、モニタリング調査結果に
2017/1/14 14:12

 東京都の小池百合子知事は14日、豊洲市場(江東区)の安全性を確認する9回目の地下水モニタリング調査で、ベンゼンなど環境基準を超える有害物質が検出されたことについて「想定を超える数値が出て驚いている」と述べた。都内で記者団に答えた。

 築地市場(中央区)からの移転の可否を判断する時期については「(土壌汚染対策を検証する)専門家会議と、(移転問題全般を検証する)市場問題プロジェクトチームと、ダブルチェックできればと思っている。どのようなスケジュール感になるかは、その結果次第」との考えを示した。

**********読売新聞********
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170115-OYT1T50032.html
高濃度ベンゼン、「今になって」…関係者ら困惑
2017年01月15日 09時55分

 東京・豊洲市場(江東区)へ移転するかどうかの判断材料となる都の地下水モニタリング(継続監視)で、環境基準の最大79倍のベンゼンなどが検出され、移転問題の先行きはますます不透明になった。

 早期決着を望んでいた築地市場(中央区)の業者からは「今になってこんな事態になるとは……」などと戸惑いと不満の声が相次いだ。

 モニタリングのデータが報告された専門家会議は14日午後0時半から築地市場の講堂で開かれ、用意された約120人分の傍聴席が市場関係者らで埋め尽くされた。調査地点201か所のうち72か所で有害物質が環境基準を上回ったことを示す資料が配られると、傍聴席がざわめいた。

 都の担当者は資料説明のなかで、「データは暫定値として公表している」と繰り返し弁明。会議の座長を務める平田健正たてまさ・放送大学和歌山学習センター所長は「どう評価したらいいのか」と困惑の表情を浮かべた。

**********産経新聞********
http://www.sankei.com/life/news/170114/lif1701140060-n1.html
移転時期判断は? 専門家「食の安全に問題なし」、築地市場業者「消費者が納得しない」…有害物質検出で不透明さ増す

 豊洲市場(東京都江東区)の地下水モニタリングをめぐり、基準値をわずかに超える有害物質を検出した昨年9月に比べ、数値が急上昇し検出地点も急増した14日公表の調査結果が、関係者に波紋を広げている。土壌汚染対策を検証する都の専門家会議は「食の安全に問題はない」とするが、築地市場(中央区)の業者は「消費者が納得しない。とても移転できない」と漏らす。小池百合子都知事が「想定を超えた」とした結果によりモニタリング継続も決まり、豊洲移転の先行きは不透明さを増す。

 この日の専門家会議で座長の平田健正放送大和歌山学習センター所長は、有害物質が検出されたのが「あくまで地下水」と前置きし、食品を扱うのは地上のため「食の安全に問題はない」と説明。別の委員は、地下水が地表に出ても大気中で拡散するため、問題ない値としている。一方、平田座長は「安心につながるかということだ」とも述べた。業者や消費者の理解に向けて、基準超えの事実が高いハードルになり得る。

 会議を傍聴した業者からは「移転後にこんな数字が判明しなくて良かった」との声が出た。当初は今回のモニタリング結果を待たず、昨年11月に豊洲が開場する予定だったからだ。

「われわれはばかにされている」。ある業者は、移転をせかしてきた都に憤る。小池氏に平成28年度内の決断を求めてきた築地市場協会の伊藤裕康会長も「ショックだ。一日も早く原因究明してほしい」と求めた。

 移転先送りを決めた小池氏が昨年11月に公表した移転に関する工程表(ロードマップ)では、早くて判断時期を今夏、移転を今年末以降とした。ただこれは、今回の地下水モニタリング結果が良好だったことを想定したもの。環境影響評価(アセスメント)の結果、新たな土壌汚染対策が必要とされれば、知事の判断時期や移転は大幅に先送りされる。小池氏周辺は「前回くらいの数字ならまだしも、ここまでの数字だと判断への影響は避けられないだろう」と指摘する。

 「食料品を扱う市場で、(安心安全の)基準は、一般的なものよりも高い水準を消費者が求め、事業者も求められる」。小池氏はこの日、報道陣に厳しい表情でこう語ったが、判断の時期は明言しなかった。

*************以上************

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