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築地市場移転問題。豊洲新市場は、他の用途への変更の可能性の検証を。

2017-01-12 09:42:46 | 築地重要

 築地市場移転問題、科学的にも法的にも移転を許すことができない理由。


1)環境アセスメント、環境影響評価法、環境影響評価条例

 日経新聞の記事によると、「6月にも盛り土が無いことを踏まえた環境影響評価(アセスメント)の手続きに入る見通し。やり直しの場合は約15カ月を要する。」とあるが、環境影響評価条例違反は、重大であって、その環境影響アセスが、都市計画決定となっている以上、やり直し自体が、困難と言えないだろうか。

 環境アセスメント 関連の図書(下の写真↓)。盛り土の提言が入ったこれら図書が、平成23年7月の都市計画審議会で提出され、盛り土がなされる市場として都市計画決定(議題7058号)がなされた。
 都市計画決定の理由には、きちんと、「本都市計画による豊洲新市場建設事業の実施が周辺環境に与える影響については、東京都環境影響評価条例に基づく環境影響評価書のとおりであり、都市計画を定める上で支障がないと判断する。」と明記されている。



<都市計画決定の内容 原本のコピー 環境アセスが決定の「理由」として、都市計画決定の内容になっています。>







<環境アセスで約束された盛り土を含めた都市計画の内容>




<環境アセスメントの詳細な手続き>



<環境アセスの内容も含め都市計画決定が都市計画審議会においてなされます。>


2)卸売市場法

 また、日経記事には、「一つは農林水産省の認可だ。同省は卸売市場法に基づき、生鮮食料品の中核的拠点として適切かなどを確かめて移転を認可する。同省が慎重に判断すれば、認可を得られるまで時間がかかる恐れもある。」とありますが、そもそも農林水産省は、「形質変更時要届出区域」での市場認可は、時間がかかるというよりは、「想定外」としています。



3)都市計画法、建築基準法http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/cf9e415384c5d2a52477e8b1c34f63dc 

 都市計画決定は、環境アセスメントを含めてなされておりhttp://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/75ba9f8cd55bcc08573fe46a39369c77 、その決定に基づき、盛り土を含めた計画で、建築確認がなされている。建築確認と異なる盛り土なき建築物は、建築基準法上違法http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/e23fd382ed5e1786d02804f44140223aである。

4)土壌汚染対策法http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/92205123098f9bb270a6e887050772d1 

 水銀、ベンゼンの吸入暴露の可能性があり、「形質変更時要届出区域(土壌汚染対策法11条1項)」(もしくは、それ以上の指定「要措置区域(土壌汚染対策法6条1項)」の可能性もでてきたのでは?)という土壌汚染対策法で指定された区域への卸売市場開設は、ありえない。


*******土壌汚染対策法6条、11条******

(要措置区域の指定等)

第六条  都道府県知事は、土地が次の各号のいずれにも該当すると認める場合には、当該土地の区域を、その土地が特定有害物質によって汚染されており、当該汚染による人の健康に係る被害を防止するため当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他の措置(以下「汚染の除去等の措置」という。)を講ずることが必要な区域として指定するものとする。

一  土壌汚染状況調査の結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないこと。

二  土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当すること

2  都道府県知事は、前項の指定をするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

3  第一項の指定は、前項の公示によってその効力を生ずる。

4  都道府県知事は、汚染の除去等の措置により、第一項の指定に係る区域(以下「要措置区域」という。)の全部又は一部について同項の指定の事由がなくなったと認めるときは、当該要措置区域の全部又は一部について同項の指定を解除するものとする。

5  第二項及び第三項の規定は、前項の解除について準用する。


(形質変更時要届出区域の指定等)

第十一条  都道府県知事は、土地が第六条第一項第一号に該当し、同項第二号に該当しないと認める場合には、当該土地の区域を、その土地が特定有害物質によって汚染されており、当該土地の形質の変更をしようとするときの届出をしなければならない区域として指定するものとする。

2  都道府県知事は、土壌の特定有害物質による汚染の除去により、前項の指定に係る区域(以下「形質変更時要届出区域」という。)の全部又は一部について同項の指定の事由がなくなったと認めるときは、当該形質変更時要届出区域の全部又は一部について同項の指定を解除するものとする。

3  第六条第二項及び第三項の規定は、第一項の指定及び前項の解除について準用する。

4  形質変更時要届出区域の全部又は一部について、第六条第一項の規定による指定がされた場合においては、当該形質変更時要届出区域の全部又は一部について第一項の指定が解除されたものとする。この場合において、同条第二項の規定による指定の公示をしたときは、前項において準用する同条第二項の規定による解除の公示をしたものとみなす。



**********日本経済新聞***************
膠着の豊洲移転、環境アセスがカギに 試練の小池都政

2017/1/6 7:00
 5日、築地市場(東京・中央)で新春恒例の「初セリ」が行われた。場内は新春の華やかな雰囲気に包まれたが、水産卸、大都魚類の青木信之社長は厳しい表情で「新市場への移転時期が定まらず、われわれは混乱の中にある」と語った。


 小池百合子知事が2016年8月末に築地市場の豊洲市場(同・江東)への移転延期を決定。同9月には建物の下に土壌汚染対策の盛り土が無く、地下空間が広がっていた問題が発覚した。

 総事業費約5800億円を投じた豊洲市場への移転の行方には不透明感が漂う。ただ、小池知事は昨年11月の記者会見で「早ければ17年冬から18年春」に豊洲に移転する見通しを示した。17年は移転の道筋が再び開けるかが問われる。

 第1の関門は、1月に公表される豊洲市場の地下水モニタリング調査の9回目の結果だ。土壌汚染対策の一環で約2年前から実施しており、9回目が最後。小池知事はこの調査を終えていないことを疑問視し、移転延期を決断しただけに「『錦の御旗』を簡単には降ろせない」(都議)。

 調査結果は豊洲市場の地下空間の安全性を検証する専門家会議で精査し、4月をめどに報告書にまとめる。豊洲市場に関するプロジェクトチーム(PT)も、専門家会議の1カ月後をめどに報告書をまとめる。小池知事は「科学的な結果がベース」としており、専門家会議が豊洲市場の安全性をどう評価するかが移転判断に大きく響く。

 専門家会議とPTの報告書がでそろうと、6月にも盛り土が無いことを踏まえた環境影響評価(アセスメント)の手続きに入る見通し。やり直しの場合は約15カ月を要するが、軽微な変更の場合は1~2カ月で済むとみられる。都庁内では「やり直しせずに対応できるのではないか」との見方もある。



 ただ、小池知事が豊洲移転を決断したとしても、移転実現にはなお壁が残る。

 一つは農林水産省の認可だ。同省は卸売市場法に基づき、生鮮食料品の中核的拠点として適切かなどを確かめて移転を認可する。同省が慎重に判断すれば、認可を得られるまで時間がかかる恐れもあり、築地関係者や都幹部の間で「最後の難関かもしれない」とささやかれている。

 実際に移転する日を再び調整するのも簡単ではなさそうだ。

 当初の移転日だった11月7日は年末商戦前で、市場の業者からは「都が『東京五輪の工事に間に合わない』と説明するので協力したが、引っ越したくない時期だった」との声も聞かれた。年末年始商戦を終えた18年冬も、路面凍結などを懸念する声がある。

 これらの時期を避ければ、18年5月の大型連休が最も早い移転時期となりそうだ。

 豊洲移転延期は「小池劇場」として都政が耳目を集める起点となった。知事就任から約5カ月が過ぎ、延期で生じた課題を解決する責任は重みを増している。豊洲移転問題をどう決着させるか、築地市場関係者だけでなく、多くの人々が注視している。

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