糸魚川市の場合の復興計画(H29.6月現在)
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http://digital.asahi.com/articles/ASK6J63T4K6JUOHB00Q.html
新潟)復興計画 にぎわい創出は難題
増田洋一2017年6月22日03時00分
糸魚川市の大規模火災から22日で半年。市は8月下旬の公表を目標に復興まちづくり計画の策定を進めている。まちは大火前とどう変わるのか。現段階の内容をまとめた。
計画は大規模な区画整理事業などをせず、これまでの市街地形態を継承する「修復型のまちづくり」を基本とする。まちの歴史を生かすとともに、早期の生活・事業再建を可能にするためだ。
方針は3本柱で、第1は「災害に強いまち」。市は、市道の幅を6メートルに広げる▽ポンプ車で海水を吸い上げて地下埋設管で防火水槽に送るシステムをつくる▽建物の不燃化を財政支援し、本町通りを延焼遮断帯にすることを考えている。
被災地は1960年に準防火地域に指定されていた。しかし、32年12月21日の大火直後に建てられた木造家屋が密集しており、防火性能などが現行法の基準を満たさない建物が多かった。今後新築・改築される建物は現行基準を満たさねばならないので、被災地全体の防火性は被災前よりも向上する。
次の方針「にぎわいのあるまち」は、ハードルが高そうだ。被災地では65歳以上の割合が約50%に達し、高齢化や後継者難などで空き店舗が増えていた。ある市民は「本町通りの被災地は大火の前から『シャッター通り』で、人が少なかった。にぎわいを取り戻すのは難しい」と話す。
市は加賀の井酒造の東に、大火の記憶を伝える展示や子育て相談窓口を備えた「防災・にぎわいの拠点施設」設置を検討。同酒造と割烹(かっぽう)鶴来家(つるぎや)の再建を支援し、人を呼び込む「にぎわいのトライアングル」として期待する。ただ、集客効果を疑問視する声は少なくない。
市は、北越銀行の西に、広場と一体となった商業施設をつくったり、防火性能を高めた雁木(がんぎ)を再生したりすることも検討している。
三つ目の方針は「住み続けられるまち」。市は第四銀行支店の北西に、医療や福祉施設、子育て支援施設と連携した市営共同住宅を設けることを考えている。再建を断念した被災者や、市外を含む被災地外からの移住者の受け入れが狙い。火元のラーメン店の跡地付近でも共同住宅・店舗の建設を検討している。
被災地では、7月から建物の基礎部分の撤去が始まる。ブロック(街区)によっては9月から敷地の再編や住宅・店舗の再建が始まる見込みだ。(増田洋一)
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http://digital.asahi.com/articles/DA3S12998798.html
大火半年、それぞれの決断 糸魚川の被災者、土地売却や店再興
2017年6月22日05時00分
新潟県糸魚川市の大規模火災から22日で半年。147棟が焼けた被災地は、建物の基礎部分だけがむき出しで残っている。市が復興計画策定を進めるなか、住み慣れた街を去る人もいれば、この場所で生活を取り戻したいと願う人もいる。
「ご先祖様からの土地をなくさないよう、市の計画に反対すべきか。それともよそに移るべきか」
自宅が全焼した井合(いあい)作蔵さん(89)は悩んだ末、市に土地を売ることにした。
自宅は本町通りの商店街にあった。富山県から初代が移り住み、自身で5代目。紳士服販売業を営んでいたが、25年前に閉じた。市は商店街を再興し、昔のにぎわいを取り戻す方針だが、井合家に商売を再開する人はいない。土地は「商売をやる気がある若い人にわけてあげたい」。長女と2人で暮らす郊外の借家近くに自宅を新築し始めた。
戻ろうとする人もいる。スポーツ用品店兼自宅が全焼した中島徹さん(56)は、1月に郊外の仮店舗で営業を再開した。「早く元の場所に戻って営業したい」
昨年12月22日に発生した大火では260人が被災した。市の調査では、住宅や店舗を再建する意向の被災者は6割強。市は8月中に復興計画を公表し、早ければ9月から建物の再建が可能になる。
(増田洋一)
木造建築物が密集しているなどの地域では、個別の消火計画を立てることも必要。
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http://digital.asahi.com/articles/DA3S12946425.html
消火計画策定を提言 糸魚川火災で報告書 有識者会議
2017年5月20日05時00分
新潟県糸魚川市で昨年12月に起きた大規模火災を踏まえ、火災対策を検討した総務省消防庁の有識者会議は19日、報告書を公表した。火災の危険性が高い地域ごとに消火計画を策定することを提言した。
また糸魚川大火では、市消防本部が他の消防本部に応援を求めたのが火災覚知から約1時間半後だった。報告書は応援要請の前倒しのほか、近くの消防本部が要請を待たずに出動する仕組み作りを提言した。
さらに糸魚川大火で消火用水の運搬に役立った民間のコンクリートミキサー車の活用や強力なポンプ車の普及、全飲食店への消火器の設置義務化を求めた。
消防庁によると、木造建築物が密集しているなどの地域で、個別の消火計画を策定しているのは、全国の消防本部の4割にとどまるという。
(四倉幹木)
早起きできる子は、ぜひとも、朝6時半、地元のラジオ体操にご参加を。
誰でも、ウェルカムなはずですから、がんばって参加してみて下さい。
私も、月島三丁目のわたし公園で子ども達と一緒に、ラジオ体操に参加しています。
さて、夏の日程のご連絡をさせていただきます。
【 1 】お盆は、例年通り、お休みなく通常診療致します。病児保育もお休み致しません。日曜・祝日の午前の急病対応も、いつもと同様に実施致します( 8/20 (日)は、電話対応のみ)。
【 2 】恒例の中央区の子ども達の行事、「自然と触れ合おうわんぱく kids 」に医療班として参加するため、 8 月 7 日(月)午前診療を休診とさせていただきます。午後診療&病児保育は通常通り行います。
【 3 】ご旅行の持参薬は、事前に処方いたします。お忘れなく。
山、川、海、自然、読書、スポーツ、ラジオ体操 … いろいろな体験ができる素敵な夏休みをお送り下さい。
小坂こども元気クリニック・病児保育室
小坂和輝(文責)
電話 03-5547-1191
本の世界というものをつかむには、書評が欠かせない。
その書評のサイトがあるということです。
「オール・レビューズ」(https://allreviews.jp/ )
******朝日新聞************
「知恵の宝庫」、書評を蓄積 鹿島茂さんら41人の評、ネットで無料公開開始
2017年8月5日05時00分
プロの「本読み」の力、使ってみませんか――。仏文学者の鹿島茂さん(67)が、新聞や雑誌などに発表された書評をネット上で公開、アーカイブ化する試みを始めた。ネット書店やSNS上の「感想」が氾濫(はんらん)するなか、「知恵の宝庫」である書評文化を復活させるのが狙いだ。
7月に公開されたウェブサイト「オール・レビューズ」(https://allreviews.jp/)。鹿島さんはじめ41人の文筆家の書評を無料で読むことが出来る。メディア横断的な書評サイトは新潮社運営の「ブックバン」などがあるが、新刊の紹介が多い。オール・レビューズは過去の書評の掘り起こしに力点を置く。
例えば、思想家吉本隆明の『中島みゆき全歌集』(1986年)の書評。
〈この本の歌コトバのおおきな流れをひと口にいってしまえば、恋や愛を喪失した「女」の嘆きの歌ということになる〉
書評家としても有名だった作家の米原万里さんの、〈たけし軍団に直木賞希望作家井上ひさしぶりという芸人がいる〉という書き出しの、井上ひさし著『東京セブンローズ』(99年)の書評も掲載している。ほかにも作家の辻井喬といった故人から、エコノミストの水野和夫さんや作家で俳優の中江有里さんら現役まで人選は幅広い。鹿島さんは「よい書評は読み物としてすぐれ、プロによる本の要約も含まれている。過去にさかのぼれば膨大な知恵になる。にもかかわらず、書評文化はきちんと蓄積されてこなかった」と話す。
きっかけは、2月に刊行した『神田神保町書肆街考』のため、全国有数の古本屋街、東京・神田神保町の歴史を探ったことだ。既刊本を息長く売っていく仕組みが、本の文化を支えてきたことがわかった。ネット書店が存在感を増し、新刊本の感想がSNSで話題を集め、売り上げを左右する。鹿島さんは「それは悪いことではない」としつつ「本には話題性以外に『知』としての価値もある。読者が長い目で本と向き合えるよう、書評をうまく活用してほしい」と訴える。
ネットで検索すれば何でも見つかると言われるのに、過去の書評を見つけるのは難しい。新聞や雑誌で定期的に発表されるものの、本としてまとめられるのは一部だけ。鹿島さん自身、書評歴35年以上のベテランだが「書評ほど報われない仕事はない」という。
「アマゾンやグーグルに依存するばかりではない知の仕組みをつくりたい」。将来的には、近代以降のすべての書評のアーカイブにすることを目指している。(高久潤)
築地市場移転問題に緊急課題が加わりました。
翌朝H29.8.4の現場。
場外市場は、まさに、中央区の問題となります。
復興・復旧に向け、知恵を絞らねばなりません。
息子の同級生のご家族のお店も火災現場に含まれており、とても心配です。
H29.8.3夕刻、17時前。
ご高齢のかたが、道端で倒れられていると、近所のカフェの従業員のかたが、クリニックに駆け込んで来られました。
診療を中断し、すぐに、現場に駆け付けたところ、その方は、頭に打撲の傷を負い、地面にうずくまっておられました。返答はなく、その後、呼吸が浅くなり、一時、脈も触れない状況に。
応急処置をし、救急隊に引き継ぎました。
(築地場外市場の火事とほぼ同時刻ごろだったため、救急車の到着に影響か。)
ちょうど、研修に来られていた林先生が、同乗して下さいました。
そうこうすると、地元民生委員のかたが、猛ダッシュで駆けつけて下さり、その倒れられたかたの奥様に付き添って下さいました。
民生委員のかたは、その後、お年寄り相談センター(地域包括支援センター)とつないで下さいました。
お年寄り相談センターは、その方のケアマネージャーさんへつないで下さいました。
あすなろの木の斉藤さんは、息子さんがたに連絡。
救急車で病院に搬送され、一命を取り留めたということでした。
月島の地域コミュニティがあったからこそ、命を守る連携が可能であったと思います。
日本橋在住の方から、ご相談いただいた案件です。
樹齢数百年と言われるイチョウの木。
これら、イチョウの木を含め街路樹(日本橋小舟町、日本橋保健センター近く)が、電線共同溝設置などの理由で、26本(うち2本は移植)伐採されようとしています。
26本の内訳;イチョウ9本、クロガネモチ17本、うち2本のみ移植。
私の地元では、月島川に面したところで、昨年、大きなイチョウの木が少なくとも2本、川に面する歩道整備を理由に伐採されてしまった経験があります。
イチョウの木は、伐採を避ける形で、歩道整備ができなかったのか、今でも悔いています。
平成29年度予算特別委員会では、街のシンボル的な樹木の伐採においては、地元説明会などの手続き保障をきちんとすることを求める議論も致しました。
さて、下の二枚の写真は、上記伐採計画における実際に伐採されたイチョウの木の断面と、そのイチョウの木が立っていた場所を示します。
一番手前の木が伐採されていますが、その伐採直後の写真です。
伐採された木の幹を観察しても、痛んでいないと樹木の専門家の分析でした。
すなわち、
1、空洞があるが、生存に影響はない。
2、実際に、切り株では、「断面の白い部分(生きているところ)が半分以上あり、十分健康な木だと思われる。白い部分は1/3あれば、十分生きていく」
3、なお、その伐採されたイチョウの木も、上部を伐られて残っている部分は、生きていける。
切り口にトタンのカバーをかけて、それ以上雨が入らないようにするとよい。
区道における街路樹であり、中央区の英断にかかっています。
計画を変更し、まちのシンボルともいうべきイチョウ並木の保存を求めます。
すくなくとも、伐採の前に、地元説明会を十分に周知の上で開催し、地域皆様の声を、きちんとお伺いする場を設定すべきです。
なお、イチョウについては、戦前にどなたかからご寄贈という話でもあります。ご寄贈頂いたかたにも、了解をうるべきものです。
現地調査確認の写真をお示しします。
伐採撤去の公告。
道路工事の公告。
手前のイチョウは、枝を切られ、伐採されんとしています。日本橋三越方面へ向かっての写真。高架は、首都高。
さらに離れてみる。
さらに、さらに離れてみる。人形町通りから。
逆の向き。日本橋保健センターに向けて。手前の伐採の木が、切り株の写真の木。
離れて見る。
昨晩の地震(2017.08.02 2:02AM震源:茨城県北部深さ約10km、M5.5)は大丈夫でしたでしょうか。
7月31日(月)に月島三丁目南地区再開発問題の第3回勉強会を開催致しました。
第2回勉強会では、都議選挙の選挙期間中にも関わらず候補自らという形でご参加下さり、かつ、その場で、今後もこの再開発問題に取り組んで下さるとお約束をして下さった森山高至氏・斎藤一恵氏の両氏が、今回の勉強会にも、ご参加下さいました。両氏ともご多忙にも関わらず、選挙の際のお約束を果たされておられるその実行力に、まずもって、心から感謝を致すところです。
また、マンション管理士でありマンション防災にもお詳しい坂井誠仁氏も、この地域の再開発問題は、首都圏全体の問題でも有るということで新たにご参加下さいました。他にも、超高層マンション建設販売の業界におられた複数の方々がご参加下さり、当該地区の地権者・借家人、地域住民を含め活発な意見交換を致しました。
勉強会での主なご意見の内容は、
〇準備組合のコンサルタントの方が、個別の話し合いということで借家人を回られている疑問点。その対応方法について。
〇現況においても、タワーマンションが完売できておらず、海外から投資目的で買われている状況。民泊利用も有りうる点。
〇超高層にするための条件としてある「公開空地」が有効活用されていない点。本事業でも同様。
〇月島地区の再開発においては、「高さ制限」が必要な点。
〇月島地区の再開発においては、交通機関、病院、公園、高齢者施設、障害者施設、子育て支援施設が足りていない点
〇再開発において、高齢者、障害者へのバリアフリーを含めた配慮が不十分な点。結局は、中央区外へと出て行かざるを得ない現状について。
〇本事業の再開発の情報が、知らされていない点。海外では当然に、知らされている実情について。
〇超高層では、管理費・家賃が高くなるだけではなく、修繕積立金、固定資産税・相続税なりの高額の負担も将来的に出てくる点。管理費の増額でさえ、現況でもたいへんな実情。
などが出されました。
今後の方針として、勉強会も回数を重ね、今後の運営力の強化や情報発信力の向上のために、“会の形”をつくっていくことが出席した皆様からのご提案としてなされました。
そこで、会の代表者をまず配置することとなり、石川福治氏、大山隆三氏、斎藤一恵氏の三人が、共同代表の任を担って下さることとなりました。
なお、会自体の名称につきましては、今後の宿題となっております。皆様、よい名前を与えて下さいますように、ご提案をお待ちいたしております。
さて、次回の第4回勉強会のご案内をさせていただきます。
本事業の問題点について、法律家の先生方のお話をお伺いすることと致しております。
記
第4回 「月島再開発問題と月島の再生を考える会(仮称)」
日時:平成29年8月8日(火) 19時半~21時
場所:みんなの子育てひろば あすなろの木
(月島三丁目30-4 飯島ビル1階、℡03-5547-1191)
参加方法:参加費無料。直接、会場にお越しください。
テーマ:『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業の問題点につき法律家のお話を伺う』
「本事業に潜む多くの問題点を解決せずに、本事業のために計上された予算を執行することは違法・不当であり、その予算の執行をしてはならない」とする地方自治法上の「住民監査請求」という手法について
月島のこの町をなんとかしなければならないという有志の皆様が会にお集まり下さりつつあります。
超高層の分譲マンション計画ありきで再開発を進めるのではなくて、今一度立ち止まり、この地域の実情に合った月島三丁目南地区の再生のありかたを、そして、真に皆様が住み・働き続けられる再生のありかたを、地域の皆様で一緒になって考えるきっかけになればよいと思っております。
今後とも、どうかよろしくお願い申し上げます
第二回定例会の質疑の要約も掲載されています。
問題となっている月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業についての質疑のやりとりも掲載されています。
字数の関係で、すべてが述べられていないため、こちらで、詳細を掲載いたします。
********月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業についての本会議での質疑********
2017年6月14日中央区議会第二回定例会本会議一般質問
☆印の第1~第5までの5つのテーマで審議されました。
①質問内容を文章の形でまずお示しした上で、もう一度、②その質問を要約しています。
次に、③それぞれの質問に対する区長の答弁を示します。
答弁が不十分な場合に、再度、質問をしています。
その場合、④区長の答弁に対する再質問、⑤再質問に対する行政の再答弁の形でお示しします。
最後に、⑥それら議論から見えてくる問題点の記載を致します。
(区議会便りでは、①②のみが記載されています。)
やりとりの実際は、区議会のホームページから録画をご覧になれます。
アドレス:http://www.chuo-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=22
☆第1、新基本構想でいう「プロアクティブ・コミュニティ」の実現方法を問う
2016年10月の第三回定例会の一般質問において、新基本構想には、言葉こそないものの重要な「社会的包摂」=「ソーシャル・インクルージョン」という理念が入っていることは、確認をされています。誰も排除されることなく、誰もがご自身の自己実現がこの中央区でなされることを願っています。
この新基本構想には、将来像の実現に向けた5つの基本的な方向性の一つに「プロアクティブ・コミュニティー」という聞き慣れない言葉が挙げられ、「自ら率先して地域における課題を解決し、快適な暮らしを実現していく社会」と説明をされています。起草委員会の議事録を取り寄せ、この用語への立法者の意図や思いを知る中で、その重要性を私も認識を致しました。この用語の導入の経緯(問⑴)とそのようなコミュニティー形成に向け、今後二十年間で区は、具体的にどのような取組みを行うべきと考えるかお聞かせ下さい。(問⑵)
【質問】⑴用語導入経緯は。⑵取組は。
【区長】⑴温もりのある豊かな地域社会の将来像を示すため。⑵多様な絆づくりを支援していく。
【再質問】では、「プロアクティブ・コミュニティ」をつくるための区政の情報公開のありかたは。
【再答弁(区民部長)】情報公開は、区政情報であり、行政自体が透明化することと理解する。
<本会議を終えて見えてくる問題点>
新基本構想において、誰も排除されない「ソーシャル・インクルージョン」の考え方が謳われているにも関わらず、中央区のまちづくりでは、借家人や地域住民が排除された形で進められ(場合によっては地権者も主体的に考える機会が与えられておらず)、新基本構想の理念に反しています。また、「プロアクティブ・コミュニティ」を率先する一つとして、地域のまちづくりを考えようにも、まちづくりの情報が、区政情報として初期段階から出されていない非公開の状況にあり、これもまた、新基本構想の理念に反しています。
☆第2、地権者、借家人、地域住民の三者でまちづくりを進める仕組みへの転換を問う
さて、そのような新基本構想の大切な理念や指針があるにもかかわらず、中央区の現状は、その理想からほど遠い現状がまちづくりの姿勢にはあり、地権者の合意形成のみで再開発事業計画を作る現在の中央区の姿勢は、新基本構想の理念にそぐわないため抜本的に見直し、地権者に、借家人と地域住民を含めた三者でまちづくりを進める仕組みに転換すべきことについてお伺いを致します。
先日の6月7日の環境建設委員会において、①建物の内容・配置、地域貢献の内容、建物の高さ制限、容積率緩和などの「都市計画の素案」作成というまちづくりの最初の段階において、主体的に考え、意見を言えるのは、計画地の地権者のみであるということ、そして、②それを検討する準備組合の前段階の「協議会」も、中央区が入りすすめる組織でありながら、計画地の地権者のみで構成することが明らかになりました。
中央区民の構成員は、土地・建物を所有する地権者だけではなく、建物を借りている借家人、建物周辺の地域住民を合わせた三者であり、それぞれの方々が都市計画に深く関係しています。
なぜならば、①地権者・借家人・地域住民は、お互いに、かけがえのない月島の顔の見えるコミュニティーを形成しており、再開発によりそのコミュニティーは、散り散りばらばらにさせられてしまうことになるからです。合わせて、②地権者・借家人が、いままでのように安らかに住み慣れた場所で、再度住むことや、営業することが適わなくなる可能性があります。さらに、③地域住民は、その都市計画による弊害として、否応なく、日影被害、風害、工事に伴う騒音・振動・粉じん被害を被ることになります。
地権者の合意形成は、大いに尊重されてしかるべきことは当然としても、それら三者の生活や財産・権利が、都市計画によって大きく影響を受けてしまう以上は、地権者の合意形成のみで決められてしまう今の中央区のやりかたに大いに疑問を抱かざるをえません。
地権者のみでまちづくりを進めてよいとする中央区の法的根拠は、何でしょうか。(問⑴)
再開発の中央区の根拠法である「まちづくり基本条例」3条1項において、区民を、地権者、借家人、地域住民で区別をしていません。
第一のテーマで述べた通り、中央区で一番上位に来る憲法とでもいうべき『中央区新基本構想』の大切な理念のひとつは、「ソーシャル・インクルージョンの実現」であるにも関わらず、まちづくりから、借家人や地域住民が排除されています。また、プロアクティブ・コミュニティーの方向性があるにも関わらず、まちづくりの情報が知らされずに、借家人や地域住民が、地域の課題を解決し、まちづくりを進めることを不可能にされているのが、今の中央区の現状です。
これら新基本構想の理念や方向性そして「まちづくり基本条例」の趣旨からも、地権者の合意形成とともに、借家人の合意形成及び地域住民の合意形成が、再開発を進めるに当たり、必要であると考えますが、いかがでしょうか。(問⑵)
【質問】⑴地権者のみでまちづくりを進めてよいとする法的根拠は。⑵地権者の合意形成とともに、借家人及び地域の合意形成も再開発に必要では。
【区長】⑴都市再開発法第2条の2。⑵地域の意見を聞きながら、適切に手続きを進めている。
【再質問】⑴について、回答は不十分である。高度利用地区設定するなど「都市計画素案」を地権者のみで決めてよいとする法的根拠は。
【再答弁(副区長)】節目で同意を取っている。順番の問題である。(法的根拠が示されず)
<本会議を終えて見えてくる問題点>
「都市計画原案」や「都市計画案」については、中央区は、地域住民や借家人の意見を聞いているということであるが、これは、都市計画法に定められている手続(都市計画法16条、17条)であって、中央区の当然の義務です。その一方で、それら計画の前段階である「都市計画素案」を作成する段階では、中央区において、「高度利用地区」の設定や、地区計画の変更を、再開発を進めることを欲している協議会や準備組合のみの意見から自由に行っています。自由の裏側には、義務も伴うのであって、その計画素案に強く影響を受ける地域内の地権者・借家人や地域住民への説明責任などの義務が果たされておらず、あたかも一部の地権者だけでまちづくりができる状況を中央区は、法的根拠なく作り出しています。このことを問題視しております。副区長の再答弁にありますように、中央区は、「順番の問題である」ということで、済ませてしまっています。「都市計画素案」に問題点を指摘する住民の声を、その計画素案作成の段階で聞いて、「都市計画素案」を再検討するなり、修正する姿勢が必要であると考えます。
☆第3、三者の合意形成なく進められる『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』(月島第一小前高さ190m50階750戸の超高層分譲マンション計画)の中止を問う
具体的に、住民の合意形成がなく進められ月島で現在、大きな問題となり、この定例会に於いて、賛同者含め100名を超える区民が計画の中止を求める誓願の提出が予定されている再開発の問題点を次に取り上げ、具体的に検討をして行きたいと考えます。
月島を地元とする議員として、この再開発について、地権者も含めた多くの区民の皆様からご相談をうけています。
当該区域の地権者から、匿名のメールをいただきました。「この地区は我が家もそうであるが高齢者も多く自分の生活で日々が大変です。私も開発に関して先々の事を決めていく余裕もなく、賛成でも反対でもなく提出書は周りとの関係もあり提出していますが、そういう家も多いのではないでしょうか。金銭的にも将来の管理費なども心配では。自分たちで家を建てなくていいのはメリットだと思いますが。」引用終わります。
地権者でさえ、主体的に考えるのが、難しい状況が理解されますし、まちを回っていて、このメールと同じ思いをもたれている地権者が多くいらっしゃる印象を私は受けています。
この際、お伺いを致しますが、都市計画の手続をすすめるにおいて、地権者の9割の書面での同意書の確認をして中央区も街づくり手続をすすめる運用をしているということであるが、9割という基準をおいた理由について教えてください。(問⑴)また、同意の是非の判断は、個人情報として厳重に管理すべきものであるが、どのようにその同意書の情報を管理するように準備組合に指導をしているか教えてください。(問⑵)
さて、この再開発は、高さ190m、50階建て、750戸の超高層分譲マンション建設をその本質にもつ開発です。
届けられる一番多くの声は、計画地の課題はあるとしても、「ここまで過大な建設計画が本当に必要であるか」と言う声です。
①月島第一小学校や隣接高齢者施設含む周辺地域への4年間に及ぶ建設工事に伴う騒音・振動・粉じん等の被害、建設後も広範囲に及ぶ②日影被害、③風害など考えると、慎重に検討をすべきものです。
本計画は、第一種市街地再開発事業を採用しますが、そのためには、都市再開発法3条の4つの要件、1、「高度利用地区」の指定区域であること、2、耐火要件、3、土地利用が著しく不健全であること、4、都市機能の更新に資することがありますが、それぞれに、該当をしているのか、ご見解をお伺い致します。(問⑶)
たとえ、都市再開発法に該当をしていたとしても、超高層は逆に防災面で脆弱であり、計画によって得られる利益より、それによって今の地域コミュニティや賑わいを失うことや、風害・日影被害などの不利益のほうが大きいと考えます。なお、まことに残念なことに、本事業では、地域貢献施設としての保育園は、最も日影被害の大きい場所に配置がなされていることも指摘をさせていただきます。
似たような再開発が、中央区でもなされ、その経験をされた地権者から後悔の声も届いています。『月島一丁目3、4、5番地区第一種市街地再開発事業』など類似の計画を施行し終えた地権者の声を、区はどのように把握しているのでしょうか。後悔の声は、あがっていませんでしょうか。(問⑷)
月島の長屋の生活景を残しながらリノベーションをすることで、防災面の向上などの課題の解決は可能であると考えられます。同計画の中止を要望しますが、いかがでしょうか。(問⑸)
【質問】⑴区が、事業を進めてよいとする9割同意の基準は。⑵個人情報の厳重管理を。⑶都市計画法の4要件に該当か。⑷類似計画後の地権者の声は。⑸計画の中止を。
【区長】⑴8割~9割の同意率を必要とすると準備組合を指導。⑵円滑な事業進捗と個人情報の管理徹底を求めている。⑶全てに該当。(該当することの根拠とする理由の提示なし。)⑷維持管理費用の負担が課題。⑸意向を尊重し、より良い計画となるよう指導する。
【再質問】:⑴について、現在、本件事業では、書面での同意は、8割に至っていない状況にあるが、区が求める同意率には、基準を指針として書面化すべきでは。
【再答弁(副区長)】:本来、100%の同意がなければ、事業ができない。道筋が見えてくるのが9割としている。地域で状況が異なる。
【再質問】:⑶について、理由を聞いたのであり、中央区は、該当することの根拠とする理由を回答していない。3号要件では、現在、計画地区内には、約35程度の事業所が賑わいを作っている。「著しく不健全」ということの理由は何か。4号要件では、現在、声を掛け合う地域コミュニティが、防災性を向上させている。超高層では、防災面で逆に脆弱になる。計画により得られる利益と、失う利益を比較衡量行うと、「都市機能が更新に資する」とは言えないため、4号要件にも該当していないのでは。
【再答弁(副区長)】:3号要件について、一つ一つを取り上げて、不健全であるとは考えていない。機能が混在し、動線が入り組むため、総体として不健全である。4号要件について、月島は、ある種の感動を覚える。大きな火事なく、地域の連帯、コミュニティが形成されている。長屋の連帯が現実に生きている。安全性や連帯が全体的に落ちてきており、超高層も選択肢の一つと考える。
<本会議を終えて見えてくる問題点>
この再開発事業は、書面による同意書の提出が、8割に達しておらず(2017.6月現在)、地権者の間でも合意形成できたとは言えません。一方、請願賛同者は、128名に達しており(2017.7.20現在)、多くの区民がこの再開発事業に疑問を抱いています。本件事業が認められるには、3号要件の「土地利用が著しく不健全であること」や、4号要件の「都市機能の更新に資すること」をはじめ都市再開発法3条の4要件に該当する必要があるにも関わらず、その該当することの理由の説明責任を中央区は十分には尽くしていません。維持管理費用の負担など不都合な情報も、地権者はじめ関係者に丁寧に説明が尽くされるべきです。住民の合意形成が得られていない状況で、この再開発事業は進められるべきではなく、ここで一度立ち止まり、真に住み続けられ、働き続けられる手法を、考えるべきではないでしょうか。
☆第4、『月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業』の都市計画素案がありながら、「ない」と答弁し、本年3月予算審議で議会に白紙委任を強いた重大な手続き上の瑕疵を問う
2017年3月22日中央区議会予算特別委員会において、吉田副区長は、本件事業の計画に関する資料がないから出せない旨の答弁をされました。
同年6月7日の環境建設委員会で初めて中央区議会に提出された同計画素案は、4月に入ってその開催の事実が明らかになった同年3月16日中央区主催「区と区民の協議」で用いられた資料の計画素案と本質的に同じ内容でした。
同計画素案を手にしながら、予算審議で出さなかった理由は、なぜでしょうか。(問⑴)
また、『月島地区密集市街地総合防災計画』中に、同計画を新たに含めることとする重大な変更が本年4月3日になされた際、持ち回り決議がなされました。協議会規則4条3項によりますと、持ち回り決議がなされる場合には、「やむを得ない理由」が必要であります。時間的にも招集する余裕がありながら、持ち回り決議をせざるを得なかった理由は、なぜでしょうか。(問⑵)
まちづくりの情報が適切に区民に伝えられることが、これら手続きの恣意的な運用を抑制する効果があると考えます。「区と区民の協議」や「まちづくり協議会」開催の情報は、区報や区のホームページで事前に公開し、すべての区民に周知すべきと考えますが、いかがでしょうか(問⑶)。
これらまちづくりにおける誤りは繰り返すことなく、①街づくりの情報を適切に出していくこと、②手続をきちんと踏み行われることを強く要望致します。
【質問】⑴予算審議で資料を出さなかった理由は。⑵持ち回り決議の理由は。⑶まちづくり協議会開催情報を周知すべきでは。
【区長】⑴事業計画が確定していない段階であった。⑵構成員全員が集まることができなかったため。⑶各委員から地域や団体へ適時適切に伝えられているものと認識。
【再質問】⑴について、区と区民との協議では、計画素案を出せて、議会に出さなかった理由は何か。
【再答弁(副区長)】地元で協議中であり、議会には固まった案を提出する。不適切であったという個人的なお叱りは受ける。
<本会議を終えて見えてくる問題点>
不適切であったという個人的なお叱りは受けるという通り、副区長は、「資料がないから出さない」と言った旨の虚偽の答弁の事実は、認められています。このことは、副区長の個人的な問題にとどまらず、議会運営において重大な瑕疵に相当し、虚偽答弁ゆえに予算審議で本件再開発事業の問題点の検討が潜脱され、議会に白紙委任を強いたこの再開発事業にかかる予算部分については議会の同意が得られていない無効なものと考えるべきではないでしょうか。
☆第5、供給過剰により区内全域の不動産価値の低下を来す可能性のある月島地区の再開発事業乱立に対する中央区の対応を問う
月島地区だけでも、現在12の再開発事業が進行中です。先に述べた『月島三丁目地区第一種市街地再開発事業』の竣工(予定)する平成36年には、五輪選手村跡地で5632戸はじめ、少なくとも1万戸が同時期に整備される予定です。その十年前後には、中央区の人口は減少に入るが、住宅供給戸数が供給過剰になる可能性について、区の認識を教えて下さい。(問⑴)
乱立状態にある再開発の調整をなすべく、「都市計画法18条の2」に法的根拠をもつマスタープランを建て、適正な再開発に誘導すべきと考えるが、いかがか?それとも新基本構想に先立って昨年9月に策定された『月島地区まちづくりガイドライン』のようなもので対応が可能と考えておられるのかもお聞かせ下さい。(問⑵)
【質問】⑴住宅供給戸数過剰の可能性は。⑵マスタープランの考えは。
【区長】⑴用途転用などができる環境整備に取り組む。⑵まちづくりガイドラインを反映し進めていく。
<本会議を終えて見えてくる問題点>
中央区のほうも、住宅としては供給過剰になるがゆえに、高層階を住居使用とする現在の用途制限を緩和する地区計画の変更を準備していることがわかります。
以上
資料:中央区が、まちづくりを地権者の合意だけで進めてよいとする法的根拠としている、「都市再開発法第2条の2」の必要部分抜粋(質問☆第2、参照)
都市再開発法
(市街地再開発事業の施行)
第二条の二 次に掲げる区域内の宅地について所有権若しくは借地権を有する者又はこれらの宅地について所有権若しくは借地権を有する者の同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該権利の目的である宅地について、又はその宅地及び一定の区域内の宅地以外の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。
一 高度利用地区(都市計画法第八条第一項第三号 の高度利用地区をいう。以下同じ。)の区域
二 都市再生特別地区(都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第三十六条第一項の規定による都市再生特別地区をいう。第三条において同じ。)の区域
三 特定用途誘導地区(都市再生特別措置法第百九条第一項の規定による特定用途誘導地区をいい、建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。以下同じ。)の最低限度及び建築物の建築面積の最低限度が定められているものに限る。第三条において同じ。)の区域
四 都市計画法第十二条の四第一項第一号 の地区計画、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律 (平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三十二条第一項 の規定による防災街区整備地区計画又は幹線道路の沿道の整備に関する法律 (昭和五十五年法律第三十四号)第九条第一項 の規定による沿道地区計画の区域(次に掲げる条件の全てに該当するものに限る。第三条第一号において「特定地区計画等区域」という。)
イ 地区整備計画(都市計画法第十二条の五第二項第一号 の地区整備計画をいう。以下同じ。)、密集市街地整備法第三十二条第二項第一号 に規定する特定建築物地区整備計画若しくは同項第二号 に規定する防災街区整備地区整備計画又は幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第二項第一号 の沿道地区整備計画(ロにおいて「地区整備計画等」という。)が定められている区域であること。
ロ 地区整備計画等において都市計画法第八条第三項第二号 チに規定する高度利用地区について定めるべき事項(特定建築物地区整備計画において建築物の特定地区防災施設に係る間口率(密集市街地整備法第三十二条第三項 に規定する建築物の特定地区防災施設に係る間口率をいう。)の最低限度及び建築物の高さの最低限度が定められている場合並びに沿道地区整備計画において建築物の沿道整備道路に係る間口率(幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第六項第二号 に規定する建築物の沿道整備道路に係る間口率をいう。)の最低限度及び建築物の高さの最低限度が定められている場合にあつては、建築物の容積率の最低限度を除く。)が定められていること。
ハ 建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第六十八条の二第一項 の規定に基づく条例で、ロに規定する事項に関する制限が定められていること。
2 市街地再開発組合は、第一種市街地再開発事業の施行区域内の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。
(3項以下略)