五輪や観光施策の進展に伴い、医療分野の外国人対応において、課題が生じてきます。
当院も旅行者で、日本語が話せず、通訳を介しての診療も時々あります。
高額の医療負担の問題は、生じませんが、なかなか、コミュニケーションには苦労を致します。
***********朝日新聞*******************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13094825.html
保険未加入、医療費払えぬ訪日客 滞在中に病気やけが
2017年8月20日05時00分
外国人の訪日観光客が急増するなか、旅行保険に加入せず入国する人も多く、滞在中にけがや病気で多額の医療費がかかり、返済に窮するケースが報告されている。手術費などで1800万円かかった例も。医療費を滞納したまま連絡がとれなくなる事例もあり、観光庁は保険加入を呼びかけている。
「雪が見たい」。タイ北部チェンマイに暮らし、日系企業の関連会社で働くワンウィサ・ジャイジュンさん(28)は1月、友人3人と日本にやって来て、新潟県のスキー場や富士山を訪れた。帰国予定だった同月20日、東京・御徒町のホテルから上野駅に歩いていた時、倒れた。
たまたま通りかかった埼玉県川口市消防局の消防士山本大介さん(47)は心臓マッサージを施した。ワンウィサさんは救急車で東京医科歯科大学付属病院に運ばれた。
担当した大井啓司医師(48)らは人工心肺装置で生命維持をしながら、冠動脈のバイパス手術など、約10日間で5回にわたる手術や治療を施した。その結果、ワンウィサさんは2月中旬、意識を取り戻し、快復に向かった。
だが、治療費は約1800万円に。旅行保険に入っておらず、母親のスープンさん(60)は頭を抱えた。タイ国内で呼びかけた募金に500人以上が応じたが、集まったのは50万バーツ(約150万円)。在日タイ大使館が約800万円分を立て替えているが、完済にはほど遠い。在日タイ大使館によると、来日したタイ人観光客の保険加入率は1割程度とみられるという。
ワンウィサさんは4月に帰国し、チェンマイで再び働き始めた。「命を救ってくれた日本の人たちと医療技術に心から感謝します。医療費は一生かかっても、少しずつ払っていきたい」
■3割が保険入らず
日本政府観光局によると、昨年の訪日外国人観光客は2011年の約4倍の約2400万人。外国人観光客を対象にした観光庁の13年の調査では、4%が旅行中にけがや病気をし、うち約4割が病院に行った。全体の約3割が、旅行保険などに入っていなかった。増加する途上国からの海外旅行者が、旅費をできるだけ抑えようとする実態などが背景にあるようだ。
保険がなく、医療費を払えないケースも目立ち始めた。近畿運輸局の調査によると、回答した大阪府内147病院のうち、昨年5~7月に20機関(27件)で未払いが発生し、総額は1500万円を超えた。急病で61万円の治療費がかかったが、保険に入っておらず、クレジットカードもなく、現金の500ドル(約5万5千円)を払って帰国し、その後、音沙汰がない例もあった。
北海道運輸局の道内の約1千カ所の病院を対象とした調査でも、28病院で過去3年に診療費の未払いが判明。厚生労働省は、全国的な調査に乗り出している。
保険業界は、外国人旅行者向けの商品の販売に力を入れはじめた。損保ジャパン日本興亜は業界で初めて「訪日旅行保険」を発売。東京海上日動は、保険に入ると、翻訳機能や日本の文化・マナーを学べる専用のスマホ用アプリを提供。病院の手配や紹介もしてもらえるという。
(バンコク=染田屋竜太)
当院も旅行者で、日本語が話せず、通訳を介しての診療も時々あります。
高額の医療負担の問題は、生じませんが、なかなか、コミュニケーションには苦労を致します。
***********朝日新聞*******************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13094825.html
保険未加入、医療費払えぬ訪日客 滞在中に病気やけが
2017年8月20日05時00分
外国人の訪日観光客が急増するなか、旅行保険に加入せず入国する人も多く、滞在中にけがや病気で多額の医療費がかかり、返済に窮するケースが報告されている。手術費などで1800万円かかった例も。医療費を滞納したまま連絡がとれなくなる事例もあり、観光庁は保険加入を呼びかけている。
「雪が見たい」。タイ北部チェンマイに暮らし、日系企業の関連会社で働くワンウィサ・ジャイジュンさん(28)は1月、友人3人と日本にやって来て、新潟県のスキー場や富士山を訪れた。帰国予定だった同月20日、東京・御徒町のホテルから上野駅に歩いていた時、倒れた。
たまたま通りかかった埼玉県川口市消防局の消防士山本大介さん(47)は心臓マッサージを施した。ワンウィサさんは救急車で東京医科歯科大学付属病院に運ばれた。
担当した大井啓司医師(48)らは人工心肺装置で生命維持をしながら、冠動脈のバイパス手術など、約10日間で5回にわたる手術や治療を施した。その結果、ワンウィサさんは2月中旬、意識を取り戻し、快復に向かった。
だが、治療費は約1800万円に。旅行保険に入っておらず、母親のスープンさん(60)は頭を抱えた。タイ国内で呼びかけた募金に500人以上が応じたが、集まったのは50万バーツ(約150万円)。在日タイ大使館が約800万円分を立て替えているが、完済にはほど遠い。在日タイ大使館によると、来日したタイ人観光客の保険加入率は1割程度とみられるという。
ワンウィサさんは4月に帰国し、チェンマイで再び働き始めた。「命を救ってくれた日本の人たちと医療技術に心から感謝します。医療費は一生かかっても、少しずつ払っていきたい」
■3割が保険入らず
日本政府観光局によると、昨年の訪日外国人観光客は2011年の約4倍の約2400万人。外国人観光客を対象にした観光庁の13年の調査では、4%が旅行中にけがや病気をし、うち約4割が病院に行った。全体の約3割が、旅行保険などに入っていなかった。増加する途上国からの海外旅行者が、旅費をできるだけ抑えようとする実態などが背景にあるようだ。
保険がなく、医療費を払えないケースも目立ち始めた。近畿運輸局の調査によると、回答した大阪府内147病院のうち、昨年5~7月に20機関(27件)で未払いが発生し、総額は1500万円を超えた。急病で61万円の治療費がかかったが、保険に入っておらず、クレジットカードもなく、現金の500ドル(約5万5千円)を払って帰国し、その後、音沙汰がない例もあった。
北海道運輸局の道内の約1千カ所の病院を対象とした調査でも、28病院で過去3年に診療費の未払いが判明。厚生労働省は、全国的な調査に乗り出している。
保険業界は、外国人旅行者向けの商品の販売に力を入れはじめた。損保ジャパン日本興亜は業界で初めて「訪日旅行保険」を発売。東京海上日動は、保険に入ると、翻訳機能や日本の文化・マナーを学べる専用のスマホ用アプリを提供。病院の手配や紹介もしてもらえるという。
(バンコク=染田屋竜太)