現在、中央区議会で第一回定例会が開催中です。来年度平成31年度の予算(案)を審議するたいへん重要な議会であるとともに、4月の統一地方選挙の改選期を前に、8期32年の長きにわたって中央区長を務められた矢田美英氏の区長として最後の議会となります。
どのような分野や学問においても当然のことではありますが、後進である者にとって、矢田区長のなされてきた32年間を振り返り、その歴史を理解したうえで、新たな区政を切り開いていくことが求められています。
32年間重責をこなされ、区民や議会と一丸となって、中央区の土台を築き上げられましたことに、心から敬意を表させていただきます。特に、人口回復への取組におかれましては、都心は業務地化するものであり人が住まないと言われたバブルまっただ中の昭和62年就任当時、「都心居住は現実的ではない」などの、国や東京都の冷ややかな風当たりの中でも、「都心に人が住めるようにしよう」と孤軍奮闘されたこと、そして、実際に職住接近の快適な都心居住の基盤をつくられましたことは、まさに輝かしいご功績です。
さらには、綱紀粛正、移転は許してしまったものの築地を守る取組、「中央区平和都市宣言」(昭和63年3月15日)、「花の都中央区宣言」(平成元年4月1日)、「太陽のまち中央区宣言」(平成2年4月1日)、「クリーン・リサイクル中央区宣言(平成10年12月1日)の各宣言、そして、「中央区基本構想」(平成10年6月19日)、新「中央区基本構想」(平成29年6月21日)策定など多くの金字塔を打ち立てて来られました。
新「中央区基本構想」(平成29年6月21日)においては、プロアクティブ・コミュニティ:「自ら率先して地域における課題を解決し、快適な暮らしを実現していく社会」という、次の時代を担うものへの道標も創って下さいました。
32年間の矢田区政の確かな礎のうえに、次の時代の中央区を、区民の皆様と共に築いていかねばならないと考えます。並大抵の努力では賄えないことではあるものの、それは後進の者の役目・使命です。
2月26日の本会議の一般質問で、矢田氏が、自らが信念を貫いたことをして、「中央区スタイル」と述べておられたことが、とても印象的でした。
中央区政には、形式だけではなく実質的な区民に寄り添う形の区民福祉の向上、縦割り行政の枠を超えた各部署の緊密な連携、区民の主張を東京都や国へ通し実現をさせていくことなど難題としてまだまだ存在をしているところであり、少しでも前進をさせねばなりません。課題解決に向け、気持ちを新たにした次第です。
以下は、平成31年2月22日の矢田区長の所信表明における新年度予算の編成の考え方を述べたのちに続く、退任を前に32年間の振り返りの部分です。
赤文字赤線は、私が、本会議の場において所信表明をお聞きしながら、記入したものです。その筆圧から、矢田区政でなされた政策への共感の度合いを読み取っていただければ、幸いです。