都会のトム＆ソーヤ９前夜祭ＥＶＥ内人ｓｉｄｅ

はやみねかおるさんの『都会のトム＆ソーヤ９前夜祭ＥＶＥ内人ｓｉｄｅ』を読みました。

今回の内人と創也は、職場体験をすることになった。
栗井栄太とのゲーム勝負に負け、落ち込んでいた創也だったが、
今回の職場体験学習が竜王グループの総帥へのテストも兼ねていることから、
総帥にななりたくないがプライドをかけて挑むことになった。
『怪人は夢に舞う』に比べたら創也は元気になったけど・・・。

本編に加えて矢吹、卓也そしてアダルト編が綴られ、創也ｓｉｄｅへの伏線になっているようです。
最低の売り上げのコンビニの売り上げを最高にするために、創也が何をたくらんでいるのでしょうか？
次巻の内人と創也の冒険がどのようなものになるのか、とても楽しみです。

究極のドグマ〔穂瑞沙羅華の課外活動〕

機本伸司さんの『究極のドグマ〔穂瑞沙羅華の課外活動〕』を読みました。

穂瑞沙羅華のせいで会社をクビになった綿貫基一は、
今度はその縁でネオ・ピグマリオンという会社に採用となった。

何のことは無い、彼女が開発した量子コンピュータを使って
カウンセリングなどの相談に応じる会社なのである。

それら相談業務の中でも重要で難しいものを沙羅華にやってもらうのが、綿貫の役割である。
しかし今回、彼女が選んだのは、高額な礼金がついた猫探しだった。

今回の物語において出された命題は、「生命とは何か」という大きなものでした。
また沙羅華自身も、自分の存在意義というものに悩みます。
けれど、彼女の向かうところも実に彼女らしく、温かい、でも綿貫はあまり救われない結末が待っています。

長弓戯画うさ・かめ事件簿

滝田務雄さんの『長弓戯画うさ・かめ事件簿』を読みました。

おねえ言葉の男性少女漫画家・マーチ宇佐輝こと鹿野山宇佐輝と、担当編集者の小亀ミドリは、
取材の待ち合わせ先で、殺人事件に出くわした。

雑踏の中、どうして被害者の男性は、和弓という目立ち、犯人を特定されやすい凶器で殺されたのか。

初めのうちは、マーチ宇佐輝のヘナチョコぶりと、
カメちゃんことミドリのドＳの漫才コンビが面白かったのですが、
次々と明かされる真実と、話の進行と共に冴え渡る宇佐輝の推理に引き込まれていきました。
次は、宇佐輝の過去と今後の活躍が読みたいです。

田舎の刑事の趣味とお仕事

滝田務雄さんの『田舎の刑事の趣味とお仕事』を読みました。

黒川鈴木は警察官。
階級は巡査部長。
既婚で子どもはいない。
酒もタバコもやらない。ギャンブルなど論外。
そんな彼が暮らすのどかな田舎町でも事件は起こる。
ワサビ泥棒、コンビニ強盗、ルビー紛失事件など。
黒川は、無能な白石と生真面目な赤木を引き連れて、漫才よろしく事件に立ち向かう。

黒川刑事は有能なのですが、何も知らない白石くんや奥さんの毒舌に傷つけられ、気分はロンリーウルフ。
それでも、すべての事件を解決してしまう辺りが、見上げた根性です。
のどかゆえか、課長からしてボケまくりの脱力系ミステリです。

ホテル・ピーベリー

近藤史恵さんの『ホテル・ピーベリー』を読みました。

ハワイ島で日本人が経営しているホテル・ピーベリー。
ホテルの中にプールもあるが、部屋は全部で六室。
Ｂ＆Ｂと言った方がいいような、こじんまりしたホテルだ。

木崎淳平が三ヶ月滞在予定でこのホテルに宿泊していた時、宿泊客の一人が事故で死亡した。
その前に、淳平に対して「おもしろいものが見られる」と宣言していた青年も、
バイク事故で死亡した。

おもしろいものとは？そして一人目の事故のあと、おびえながら去って行った青年の知ることとは？

滞在客の嘘や、それが生む謎。
最後に至るまで、犯人も動機も分かりませんでした。