京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

盆月の一期一会

2021年08月11日 | 催しごと

下鴨神社糺(ただす)の森で納涼古本まつりが始まった(~16日)。
開催は2年ぶりになる。お盆前、しかも明日からは雨模様の天候が続くようで、行くとすれば今日しかない。相田みつをの〈やれなかった やらなかった どっち〉という言葉を下敷きにして、今日の自分を思い返してみるが、〈がまんできなかった がまんしなかった〉さて、どっちになるだろう。

「蝉の声が鈴のように降ってくる」(『無暁の鈴』)森の中は、まさに涼みどころ。
ただ、どうしても不安を一つ抱え込まなくてはならない。なるべく時間をかけずに、馴染みのある好きな店舗を中心に回ろうと心がけた。…わけだけれど、なーんか、あんまりだった。品ぞろえ、よくなかった。

ある店の会計場所で、「3分ごとに、『ありがとうございました』って言うんだよ」と店の主人と思われる男性が若い女性たちに教えだした。「遺言なんだから」と聞こえてきた。店の繁盛が周囲に伝わるのだろうか。購入せずに去っても、そう声をかけてもらえれば気分はいい。
「3分ごとに『ありがとうございました』だよ」。店主の「ありがとうございましたぁ」の大きな声が何度も何度も放たれるのを、クスッとしながら聞いていた。さっそく会計係さんたちが口にしだしたのも面白い。
今年の収穫はこれだ。

「活字に飢えている」と言ってきた娘のために、書籍(印刷物)のみ2キロまで、という条件での小型包装物で文庫本を送る算段を整えていたところ、帰国のために出した船便が着いたと知らせてきた。未読の本を入れておいたので、当座は間に合うという。
希望のものをそろえ、喜びそうな作者のシリーズものなども買い足した。さらに何かあればと、今日は頭の片隅に置いたが、収穫はなし。自分に文庫本1冊だけを買って帰った。100円。

本との出会いも、人との縁も、一期一会だから…。


コメント
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