「怪光一綫 蒼旻(そうびん)より下り、忽然 地震いて天日昏し。一刹那の間 陵谷変じ、城市台榭 灰燼に帰す」
今日は8月6日。『漢詩日暦』(興膳宏著)では、原爆投下の非道を描いた土屋竹雨の漢詩「原爆行」が引かれている。
天から下った怪しい光が、一瞬の間に街も建物も灰にしてしまった。
「難に殉じ命を殞(おと)すは戦士に非ず、害を被るは総て是れ無辜(むこ)の民。」
核兵器廃絶の先頭に立たねばならないはずの日本。74回目の原爆忌を迎え、広島市長の「平和宣言」の言葉に耳を傾けた。
先週末、映画「この世界の片隅に」がテレビ放映され、小学校2年生になった孫のTylerと一緒に見た。
通学する学校にも戦争に関連する遺品の展示物があると話す。黙って見てはおらず、あれこれ尋ね、たんびたんびに思いを口にしながらの1時間だった。(途中、9時からはチャンネルが切り換えられた)
この孫クン、学校の友達に加え、ボクシングやサッカーを通じて親しい他校の友達もいて、公園に行けば誰かがいるというほどに遊び仲間に恵まれているようだ。今、子供たちだけ何人かで、演技しながらドラマ作りを進行中とか、ビデオ撮りをしているらしい。“小道具”まで持って出かけていく。
午後の集合時間を気にしながらの昼ご飯だったが、その間も話は尽きることがない。何をするにしても、この子の生き生きとした目の輝きは魅力だ。飽きずにどこまで楽しめるか。せっかくの夏休み、とことんやったらいい。
「この暑いのに、やめとけば」とは家族の誰も口にしない。帽子と水筒を忘れず持たせることと自転車なので車に気を付けるよう注意を促すことぐらいか。
思いっきり遊んで過ごす子供時代の体験こそが、この子の明日を創るのだろう。
「一人の人間の力は小さく弱くても、一人一人が平和を望むことで、戦争を起こそうとする力を食い止めることができる」