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鮮やかな紫色が美しいです。
女等は声深めゆき実むらさき 加藤知世子
本堂の大屋根を葺き替える際に、塀の一角を壊して工事の車両が境内に入れるようにしました。以後、壁の裏側に(道路に面して)あった駐車場とは生垣で仕切っていたのですが不用心でした。ようやく様相も新たに外壁が仕上がり、一段落です。
女性が3人寄ってお喋りしていましたので、傍に寄っていくと、
「朝、目が覚めると、自分が生きてるってことが嫌で嫌でたまらないんやわ。何もすることがない。する気がしない。自殺したくなる」と、正子さんは穏やかではありません。
「夫が生きている間は、文句ばかり言ってても、怒ったり笑ったりすることがあったけどな、それもなくなってしまったやろ。うちは趣味もないし、ネクラやし、何かを努力するってことが嫌いな人なんやわ。どっこも行きとうないんや。困ったもんやわ」。そのうえ、続きます。「家の中でも片付けりゃあいいのに、それもめんどくそーてな」と。
早起きだった夫さんは、起きると家中の電気をつけ、暖房を入れておいてくれたとか。そこへ起きていけばよかったので、「朝起きたときが寒うて寒うてかなん」と嘆いていたことがあったのを思い出します。これからまたそんな季節がやってくるわけですが…。
正子さんと同年代の有さんが言いました。
「わかることもあるけどな。でも、もう4年やろ。いい加減変わらなあかんやろ、あんた」。
どう話しに加わったらよいのかわからず、私は聞いておりました。