「月ごとの… つごもりの日行はるべき普賢講・阿弥陀・釈迦(さか)の念仏」などと式部が書いているが、何やかやと月すえに講や法要が重なってきた。
月の会場を提供するのが輪番なら、手伝いに上がる役も交代でという会もある。
端っこでぼんやりと、初対面の人たちの様子をそれとなく眺めながら法要を勤める義妹の寺で少しのお手伝い。子供とキャッチボールさえしないという父親に変わって私が相手をして遊んだ長男、我が家の息子と同い年だが立派に父親の後を継いでいる。
寒の明けを前にして、やはり春の気配は漂う。まだまだ実際には厳しい寒さが続くが、こんな光にさえ季節の巡りは感じられるものだ。
琵琶湖の湖岸道路へ出て車を止めた。冷たい空気を頭の芯にまで行き渡らせて気分一新、帰りを急いだ。つい、よそ見…。