京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 太陽にまもられ

2014年01月28日 | JessicaとTylerの日本滞在記

幹はすでに空洞です。そんな古木に、今年も春の気配が漂い始めています。
身を縮こまらせるほどの風の冷たさですが、Tylerは片時もじっとしておらず、
「ジェシ迎え行く? 迎え行くの?」
と日に何度もたずねながら姉の帰りを待ちます。

  【 ・・・
 たとえすがたはみえなくても
 おなじひとつのたいようにまもられ
 おなじふかいよるにゆめみて
   ・・・ 】

もう何日かすれば、「いまここにいないあなた」となる「いまそこにいるあなた」タイラーくん!!
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 あたたかな夜道

2014年01月26日 | JessicaとTylerの日本滞在記

「親の調子が良いせいか、子も今絶好調です」指揮者・広上淳一氏のお話でした。

「この中には、毎日普通に学校へ通っている小学生がいます。中学生もいます。このコンサートが終われば受験を控えた人もいます。医者の卵もいます。弁護士の卵もいるそうです。」

絶好調の子どもとは、日本唯一の自治体直営オーケストラ・京都市交響楽団の創立50周年、京都コンサートホール開館10周年を機に設立された京都市ジュニアオーケストラのことです。京都市在住・通勤通学の10歳から22歳までの団員約120名が活動しているのだと。
「おそらく日本で一番のジュニアオーケストラだと思います」と讃えられていました。

映画や舞台、なにかJessieと一緒に楽しめそうなものはないかと随分機会を探しましたが、思うようなものがありません。日本滞在もあと少しになった今、ここにきて、「京都市ジュニアオーケストラコンサート」へと一緒に出かけることができました。

ワグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕への前奏曲
ハチャトゥリアン:バレエ組曲「ガイーヌ」から「剣の舞」「ばらの少女たちの踊り」「アイシエのめざめと踊り」「子守歌」「レズギンカ」
ドヴォルザーク:交響曲8番ト長調op.88

Jessieにとっては初めての体験です。5時開演で2時間たっぷり楽しんで外へ出て見たら雪がちらほら…。じっと座っていたのでエネルギーがあり余っているJessieとおしゃべりしながらの帰り道になりました。「メロディがきれいだったから好き」と言っていたのは何の曲だったか…。
途中、「いつ終わるの?」なんて小さな声が隣から聞こえました。2時間、時々は眠くなるような退屈感もあったのでしょうが、好きだと感じたメロディや強烈なリズムが記憶の片隅に少しでも残れば嬉しいなといったところです。
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 それぞれのやさしさ

2014年01月24日 | JessicaとTylerの日本滞在記

昨日23日、TylerはJessieの授業を参観してきました。一日中どの授業時間にでもご自由にと公開され、母親にくっついていったわけです。

「Jessieはどうだった?」
「はーい! って」
元気に挙手のしぐさを…。
「ターくんもはーい!って」
と、もう一度右手を挙げてみせます。

国語では、いろはかるたを勉強中。「るいはともをよぶ」が入っていないと言うほど「ことわざカルタ」でいくつも覚えたJessieです。
起立して、自分が覚えたのを発表するのに最初の一言がでないでいる姉のそばに近づき、Tylerは手を握ったそうです。その様子を担任が「お姉さんを心配してる」と言われたことで笑いに~。そして、言葉が出始めたのを見届けて?母親の席に戻ったとか。
見守るTylerの前で、この姉が選んだのは「くさいものにふた」だったようです。

右手に一つ自分のぶんを握りしめておきながら、さらに人が持っているものまで欲しがる2歳児。そんな弟のために「シェア、シェア」と渋々ながらのわけっこをし、場合によっては交換となることもしばしばです。「のこりものにはふくがある~」と言って笑える余裕がある時はまだしも、半ベソをかいたり不満が爆発したりと我慢を強いられている事は多そうです。

♪♪ゆ~きー こんこん あられー ふってもふっても どんっ どん つもるー
Tylerが口ずさむ唯一の歌。
きれいな青空が広がっています。今日は母親が友人たちとランチですが、そこにも同伴。
おかげで静かな時間が流れています、…私には。

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 「しんこうー、しゅっぱーつ!」

2014年01月20日 | JessicaとTylerの日本滞在記

「しんこうー! しゅっぱーつ!!」

電車に乗ることを楽しんで、降りてからはその電車がホームを出ていくまで見送っているTylerです。車掌さんにバイバイをすることが目的で手を振っていましたが、先日は、右手を額にかざしてケイレイのポーズでお見送り。これには乗客の方々の笑いを誘っていたとか。ほとんどの車掌さんは手を振ってくれるようです。

今日は取り締まりのためか、本通りを一筋横に入ったところに止まっていたパトカーに遭遇。3人のお巡りさんが座っていましたが、Tylerは近づいてじいっと見つめていました。Tylerが手を振るとお巡りさんもそれにこたえてくれたとか。
バイクに乗った若い女性が脇道に誘導され、3人に囲まれていそたのはそのわずかあとでした。駐車場に止めた車に戻ってチャイルドシートを締めて… の時でしたから。なんと素早い動きのお巡りさんだこと!


新幹線運転士の制服制帽姿なのだそうです。水族館で一日を楽しんだ帰り、通りがかった京都駅でイベントがあったとか。
「しんこうー、しゅっぱーつしてきたの」
出発! 進行! でしょうか。

JessieもTylerも幸い風邪をひくこともなく元気に過ごしております。
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 春には…

2014年01月11日 | 日々の暮らしの中で


娘が久しぶりに友人たちと顔を合わせます。大きくなったそれぞれの子供さんたちを連れてですから、JessieとTylerも一緒に朝から出かけていきました。風邪気味で頭がぼんやりの私にとっては、この静けさがなんともありがたいひと時です。

2011年、滋賀県内で3館連携特別展「神仏います近江」が開催されましたが、Tyler誕生の時期と重なって拝観の機会を失いました。神・仏が共存共栄した日本ならではの展覧会。特に門外不出の神像が100体以上そろうという前例のない展覧会でした。白洲正子さんのエッセーを始めいくつかの小説などでも触れてきた、興味尽きない世界でもあります。

戦国期の動乱をくぐり抜け、大切に守られてきた観音像が湖北地方には130体以上もあり、小さな社寺に分散して人知れず守られてきた名品も多いのだそうです。渡岸寺の十一面観音像(国宝)を、村人が地中に埋めて兵火から守った話は私も聞き知っています。また、かつて湖東三山を両親と一緒に巡った折にも、比叡山焼き討ちがあった際、類焼の災禍から村人こぞって仏像類を守った話を拝聴。地域に深く根を下ろし、地域信仰と強く結び付いた近江の仏像です。

    湖北路の十一面観音雪中にこもりてひそと笑み給ふらむ  小西久二郎

一度訪れたことがある向源寺(渡岸寺観音堂)ですが、今回は湖北の赤後寺(しゃくごじ)の千手観音立像はじめ18体が企画展「観音の里の祈りと暮らし展 琵琶湖・長浜のホトケたち」(長浜市、東京芸術大学主催)で、東京で初めて公開されることを知りました。(3月21日~4月13日)

『星と祭』(井上靖著)のページを改めて追い直しながら、ぼんやりした頭のすき間で、いつにない思いが湧きます。


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 寒中お見舞い

2014年01月05日 | JessicaとTylerの日本滞在記

「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、・・ホトケノザ、 スズナ、スズシロ 春の七草」
暗唱するJessieの大きな声が繰り返されて、新年も4日を迎えました。

今日は「小寒」。白いものがちらついた寒の入りです。節分までが寒中。小学校へはギリギリの1月31日まで通って、2月2日にオーストラリアへ戻ります。草の柔らかな芽や根っこにこもる生命力を心身に蓄える。そんな古来からの思いにあやかって、七草粥で学校へ送り出すことにしましょう。日本での残りの小学校生活を楽しんでほしいものです。帰国後も無病息災で暮らせることを願って…。

些細な日常生活のひとこまを語り合い、共感し合えるゆとりがあればとても大きな喜びとなりそうです。目立たぬよう、それでいて埋もれることなく「心の灯消さじと抱き…」この1年を過ごしていきたいと思います。 
     

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