京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 もやがかかって

2015年02月24日 | 日々の暮らしの中で


昨日以上の霞みよう。二日続きの黄砂、あたりはもやがかかったよう。
マスクをしてのウォーキングを少し。
         
        

すき間時間に、ため込んだ新聞記事を何とか1回分づつでも目を通そうとするのですが遅々として進みません。ムズカシクッテ…。
昨年4月から月2回に分けて新聞に連載されている高村薫さんの「21世紀の空海」。読むだけは読もうと努めてきて、とうとうここ9回分は折りたたんだままの状態です。もうダメそうな気がします。

掲載新聞は多そうです。読んでますか? 好評なのでしょうが、専門用語も多くて、わかったような気にさえならず。お手上げです。空海さんごめんなさい…。



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 東寺弘法市

2015年02月21日 | 催しごと


「何もかも、けじめなく売る」(柳宗悦)、毎月21日に開かれる東寺の弘法市。温かな陽射しに恵まれて冬のコートが重いほどでした。

箱入りされた直径15センチほどの皿を1枚取り出した若い女性に向かって、店主は「1万円」と告げたあと「1枚2000円」と添えました。これはセット売りです。女性は持っていた皿を箱に戻しました。店主は更に言ったのです。「よいモンと言うより、珍しいモンや。今はもうこの手のものは珍しいでな」と。
「有名でないもので、いとも素晴らしいもの」が、何でもありの市の中には置いてあるのです。目の利かない私。識別する能力などあるはずもなく、面白そうなやりとりを耳にしては、傍を離れず一部始終にこっそり耳を傾けています。
「売れへんなあ。○○さんよ―、何かいらんもん持ってきてくれへん? わしがここで売るでよ」ってな店主もいて、人間観察も楽しい市です。

      
陶器などが広げられた店頭の隅っこに、雛人形の3人官女が段ボールに無造作に詰め込まれて置かれてます。何やら…白い塗がはげ落ちている…、そっと薄紙をのけて見ました。直視するにはあまりに無残なお顔です。ここまでくると気味の悪ささえ感じます。
が、哀れです。子供の幸いを願って飾られた雛人形。家族の温かさの中にいて、どんな事情があってここに至ったのか、わかりません。時節柄か、何体かが飾られて売りに出されていました。古くは内部に藁のようなものが詰められたお雛様もあったと話してくれた店主さんがいました。

高野山揺拝所で、1カ月後の春季特別講座に予定通りに参加できますようにと手を合わせ、健康管理を意識したのでした。
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 「水仙賛歌」

2015年02月19日 | 日々の暮らしの中で


越前海岸の特産、越前水仙。
この花、福井県の敦賀に住まう方によって大阪へ運ばれ、分けてくださったので、またまた電車に揺られ我が家に落ち着きました。帰宅後急いで花器に挿し、ひとまずお顔をアップ。
12月の寒波、続く年明けの風雪による影響で葉や茎が折れたり、つぼみの色がくすんだり。大きな被害が出たことを報じた新聞記事のコピーもめいめいに添えられてありました。水仙は一度倒れても戻ることが多いので、若い株が育つことを期待していると水仙農家の方はお話しです。
馥郁としたかなり強めの香りが漂ってきます。

―絶妙の風韻に加えて妙なる香り、月光にも勝るその清らかさー(南宋の楊万里の詩「水仙花」より)。この詩は水仙賛歌だと興膳宏氏が著書『漢語日暦』で記している。
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 風が吹く

2015年02月17日 | 日々の暮らしの中で


夜半、間断なく降り注ぐ雨の音に目が覚めた。あー雨だ、と思っているうちに寝入ったようで朝を迎えた。
午前中は原稿用紙に向かって、初挑戦のジャンルに鉛筆を走らせた。ひとまず書きあげるまでは、何度でも書き直しが効く鉛筆書きが私の基本的なスタイル。手を入れ、最終的にはパソコン入力での仕上げとなる。
「困ったことに進まない。風が吹いてこないのよねぇ…」などと友人と携帯メールで話しながら、待った。

よ~しっ! っと、散らかした消しゴムのカスを片付けて着替えを開始。さっさとウォーキングに飛び出した午後。昨日とうって変わって日差しが無い。雨はあがっているし、気温もそこそこあって歩きやすい。もやもやと詰まっていた心の血栓が溶けだしたか、足取りも軽快だ。

 ♪あんなこといいな できたらいいな~
  あんなこと こんなこと いっぱいあるけど~

こればかりの繰り返しだけれど、なぜか愉快。たくさんのおちょぼ口にも歌声が? 風に乗って、足も弾むわけかなぁ。 


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 春寒

2015年02月15日 | 日々の暮らしの中で


『京に着ける夕』という夏目漱石の随筆があります。
「汽車は流星の疾(はや)きに、二百里の春を貫いて、行く我を七条のプラットホームの上に振り落とす。」と始まります。「たださえ京は淋しい所である。原に真葛、川に加茂、山に比叡(ひえ)と愛宕と鞍馬、ことごとく昔のままの原と川と山である。」

明治40年のこの日、漱石は下鴨神社の糺の森にあった友人宅を訪ねるのです。駅からの道の「車に寒く」、「歯の根が合わぬくらい」の「湯に寒く」、「果ては布団まで寒かった」「余は幾重ともなく寒いものに取り囲まれて」―― 春寒の社頭に鶴を夢みけり と一句が。
いかにいかに寒い思いをしたか。これでもかと漱石センセイを襲う京の夕べの寒さ。カラスの鳴き声にまでも思いは及ぶその描写に、何度読んでもついくすくす…。

京都マラソン開催に合わせ、園内が無料で開放されるとあって植物園へ。すでにランナーは駆け抜けたあとで歩くにはもってこいでしたが、風は吹き抜け気温も低く、手はかじかむしで寒かったこと。
サザンカにたくさんのメジロが蜜を吸いにやって来るのが、驚くほど目の前で見られるもので、ついカメラを取り出しました。これが限度。とは言え、思ったよりは姿が捉えられていてマンゾク、ちょいと気分をよくして夕飯の支度にかかります。

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 こんな日もあるさ

2015年02月11日 | 日々の暮らしの中で

 あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやピラカンサの実… 
鳥の餌になることもなく、ひと冬越えて赤い実が豊かに色づいている。

風は冷たく気温も低い日が続いていたが、ようやく指先がかじかむ冷たさも解けて、顔にあたる風に心地よさをおぼえた。午後から久しぶりに外歩きを楽しんで、少し汗ばむほどだった。明日からウォーキング再開、と言い切れればいいのに、また寒さがやって来るとか。それが明けたら…。

朝寝坊した、何の用事もない祝日だった。なので、本を読んで、歩いて、おわり。
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 「あんじゃねぇ」

2015年02月08日 | こんな本も読んでみた


『風雪のペン』(吉橋通夫著)
 【声なき民に寄り添い、命をかけて真実を伝える―― 草分けの女性新聞記者となるフキ、その波瀾万丈の半生。】

著者の本はかつて『なまくら』を読んだことがあった。人間心理の豊かなバリエーション。心に響き、余韻を残した作品だった。野間児童文芸賞、さらに第3回京都水無月大賞を受賞されている。この度、「『風雪のペン』に想う」と題した文章を合評するという機会が生じた。読んでもないのに評することはできそうにない。しかも著者とは身近にご縁がある。2週間という限られた期間だが、読まないわけにはいかない…。

立ち寄った書店に置いてなくて図書館を訪ねたが、ここでもあいにく貸し出し中だった。予約で順番待ちなどしていられない。昨日の今日で手に入れることができたのは、アマゾンのおかげさまで、ピンポイントで指定など、いざという時にはホンマに強い味方になるものだと感謝。

「おとっつぁは、…世均しのために働いているだよ」
「同じ志の衆と共に立ち上がっただよ」
「帰ってきたら茶素けを食いてえで、用意しといてくれ」
しかし、父は殺された。

「おれたちは暴徒なんかでねぇ。藩閥政治の悪政を正し、だれもが幸せに暮らせる世の中にするために立ち上がった義兵だ!」
この背景は日本史で習った秩父事件でしょう。フキはこのとき7歳。厳冬に耐え雪の下から緑の芽を出すフキノトウにちなんで父母が名付けた「フキ」という名。母はこの3年前になくなっていた。一人ぼっちになったフキは、佐久の追分宿の旅籠に飯炊きとして売られ、それでも精いっぱい生きようと新たな人生が始まっていく。シンプル、簡潔な言葉で綴られ、引き込まれて読みだした。読み終わるだろうか。女性新聞記者フキの半生とは…。

「あんじゃねぇ(大丈夫だ、案ずることはない)」
フキが困ったときや失敗したときに、不安な時にはいつも父はこう言って励ましたという。
人の一生にも主題歌がある―― どなたかが言っていたのを思い出す。
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 「ANNIE/アニー」

2015年02月04日 | 映画・観劇

寒が明けた。春立つこの日、友人と待ち合わせて映画「ANNIE アニー」を観た。

このロードショーが始まる予告をテレビで見た時、Jessieと思わず波長が合って、「見に行こっ」「見たい見たい!」と言葉が重なった。帰国直前のことで一緒に楽しむことはかなわなかったが、改めて残念な思いを強くした。

10歳になった少女アニー。自分を置き去りにした両親が迎えに来るのを、里親のもとで暮らしながら待っているのです。
  
   明日がある  明日がある
   大好きな明日
   あなたを待つのはいつも一日だけ

劇中でANNIEが歌っています。
   明日
   明日
   待つのは一日だけ

…だったかな。記憶に残したこの歌詞の部分。
気持ちがほぐれていくのを感じたのは、ミュージカルだったからだろう。ちょっと潤った気分で小さく一歩が踏み出せそう。
芽吹いたつぼみも、寒中に蓄えた力で日に日に膨らみを増していく。
   「大切なものはきっと目の前にあるよ」
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 「お年越し」の前に

2015年02月02日 | 日々の暮らしの中で



季節になると枝垂れ桜が美しい半木(なからぎ)の道。
賀茂川の土手を黒々と埋めていたのが一斉に飛びあがった「百千の寒雀」、桜の木の梢で午後のおしゃべりが始まりました。羽毛を丸くふくらませた、ふくらスズメの愛くるしい姿を見あげていると、これまた一斉に飛び去ってしまいました。
ユリカモメの一団が南へと移動。遠望する比叡山は真っ白に雪化粧です。吹雪いているのか、寒い一日でした。
首の付け根あたりが詰まって、頭もスッキリしない日が続くこの頃。戸外で少しだけ体を動かして、さて、活性化のほどは…。
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