京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 気分は一気に…

2009年12月29日 | 日々の暮らしの中で
          赤い炭酸入りを・・

暖かな一日だった。
この年末にクリスマスプレゼントが届いた。
黙っていたほうがいいのか? でも、ちょっと言ってみたい。

  your flight itinerary
Date  Wed 03 Feb 2010
Flight Number  JQ20JetSaver *
Departing  Osaka Wed 03 Feb 2010 8:20 pm Kansai International Airport
Arriving  Gold Coast Thu 04 Feb 2010  6:25 am Gold Coast Airport

  your flight itinerary
Date  Thu 04 Mar 2010
F light Number  JQ19 JetSaver *
Departing  Gold Coast Thu 04 Mar 2010  10:05 am Gold Coast Airport
Arriving  Osaka Thu 04 Mar 2010  6:20 pm Kansai International Airport

というわけで、2月3日午後8時20分関空からゴールドコーストへ向かうことになりました。車で迎えに来てくれるとのこと。Jessie も来てくれるだろうな~~。住まいはブリスベンです。

というわけで、気合が入りました。
…なんか…… 新年を越えてしまった気分です。

       
   おばさんの家に家族が集合してクリスマスを楽しんだとのこと…
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 年の瀬、今昔  

2009年12月28日 | 日々の暮らしの中で
【下旬に入るとすぐ冬至だ。家々ではあらかじめ囲っておいた南瓜を煮、柚子湯を立てる。町々の銭湯の入り口に、いつも鮮明な原色で柚子の絵を描いた柚子湯のビラが貼られると、めっきり師走の気分にかり立てられる。遅い銭湯の戻りには、柚子の香をさせた手拭がそのまま氷る。
 やがてあちこちの町角にはザラ市の仮小屋が立ち、浅草観音のガサ市で仕入れてきた輪飾り、大根〆(じ)め、牛蒡〆め、楪(ゆずりは)、橙(だいだい)、海老その他の正月用品が売られる。仕事師たちは刺子の半纏(はんてん)を羽織り、赤々と火を焚いて夜更けまで客を待つ。】
 俳人安住敦(あずみあつし)の『随筆東京歳時記』(1969年刊)が記す。

40年前の東京の「年の瀬」風景ということになる。

玄関・神棚に注連縄を飾り、鏡もちでの正月飾りを玄関や床の間、仏壇、火や水回り、それぞれ自分たちの机の上になどと置いて回った子供の頃。初代の肖像の掛け軸も年始にはお飾りをする。几帳面な父のもと、皆での迎春準備は懐かしい。
年末年始は家族全員が揃う、ずっと暗黙の約束ごとだった。紅白歌合戦を見て「ゆく年くる年」で除夜の鐘を聞き、日付が変わって床につく。40年前、こんな調子だったはずだ。

今でも鏡餅は飾る。本堂・お内仏の飾り付けが優先され、どうしても庫裏は後回し。紅白歌合戦を見られなくてぼやいた結婚一年目の大晦日。しかし翌年からも見ることがない。見たいとも思わなくなる不思議さ。
でも、ゆっくりしたいとは思うんだけどね、ちょっぴり。温泉にでも入ってゆっくり年越し… あ~~、こんなことできたら・・・夢!

「えびいも」をいただいた。頭いもの変わりに今年はこれでいただこう。聖護院だいこん、金時人参など、白味噌仕立てのお雑煮。三日目は子供時代と変わらずにおすましでいただいている。きっと土地による風習の違いもあることだろう。
「お正月」、いい響き~。
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 たあちゃん、おめでとう…

2009年12月26日 | 日々の暮らしの中で
           蝋梅が咲きだしました…

今日は息子の誕生日・・・

誕生日おめでとう。
29年前の12月26日午後1時10分、2865gで誕生。

姉が病弱だったので、少しさびしい思いをさせた幼児期でした。が、健康体ですくすくと成長してくれたことが一番の親孝行です。
幼稚園・小学校と無遅刻無欠席、中学時代は風邪ぐらいひいたかな…、高校は無欠席でした。 “国立”を目指したハードな部活と学業との両立を努力で乗り越えたこの時期は、親として最大の称賛を贈りたい3年間でした。卒業生代表…、先生の計らいに感謝でした。

 幼稚園4歳  仲良しでした…19歳 

もうすっかり社会人としての顔を持つまでになって、何も言うことはありません。
好きなように、素敵なこれからの人生設計を描いてください。
いつも見守っているよ。くれぐれも健康にだけは留意して。

あなたが幸せならお母さんも幸せ。たあちゃん、お誕生日おめでとう~~。

メールしたんだけれどね。返事はまだかなぁ…
親は後回しみたいね。まっ、いいか。あとでくるだろう・・・
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  さよなら 「丑」さん~

2009年12月25日 | 日々の暮らしの中で
     

満員のバス。無料の敬老パスを持っている人たちが詰めかけるから満員ではあっても収益が上がらない、と計算できる日であるらしい。北野天満宮、この一年を締めくくる縁日「終い天神」とあって、普段にも増して人出は多かったのだろう。晴天に恵まれた今日、境内にはすでに花をつけた梅の木も見られた。報道によれば露店数は約1200、押し合いへしあい、そこをうまく割り込んでは近づいて覗き込む。

千両・万両、百万両…、葉ボタンや寄せ植え…、上手にお客さんを集める店主だが、「たくさん集まったけど売れてるのかな」とぼやく声が聞こえる。迎春のムードはあっても、それほど商品が売れているとも見てとれない。さつまいもを揚げて砂糖をまぶしたスティック状のもの、Jessieと分けっこして食べたのを思い出し、食べ歩きした。ここでも「あかん!ちっとも売れん」って。

露店を覗き参拝し、一年の区切りをつける多くの地元の人で賑わうことでも知られている。参拝者の行列。並ばずに脇から賽銭を入れ、手を合わす。

  

丑年もいよいよ残りわずかとなった。
牛が天神さんの使いとされるのも、祭神の菅原道真公が丑年生まれだったからだ。境内には30体の横たわった撫で牛があり、拝殿の欄干に彫刻されている一体だけが立ち牛で、北野の七不思議の一つに挙げられている。なぜなのでしょう…。

歩みの遅さを自覚していた牛さん。おっとりのんびり、ネズミを背に載せてやるお人よしぶりも発揮だが。温厚で努力家、頑張る着実さ、そんな牛にあやからせてもらえた良い一年で終れそうだ。さようなら、「牛」さん~
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 「…何事も笑ふてくらせふふふふふふふ」 

2009年12月24日 | HALL家の話


「あのサンタさんマミィちゃんみたいに足が真っ赤やった。なんでやろな~。
 ボーイちがうなあ~」

通っているキンディでのクリスマスパーティ。
サンタさんからプレゼントをもらい(親が事前に用意したもの)、友達とパーティーを楽しんだ、その帰り道でJessieが言ったという。
実はサンタさんは女性の変装で、真っ赤とはペディキュアのことだった。足の指先まで、まあよく見ていることだ…と。

クリスマスソングを11月から練習。毎日家に帰ってからも大きな声で練習に励んでいたというJessie。最近では、「マミィちゃんは英語あまりわからへんけど、○○○は◇◇◇◇っていうんよ~」と“正しい発音”を教えてくれるのだそうな。

彼女へのクリスマスプレゼンとを何にしようか…。
探しに探して見つけた一冊は、斎藤孝著、声に出すことば絵本のシリーズから『おっと合点承知之助』だった。

七五調のリズムは、思ったよりも簡単に三歳児に万葉集の歌を暗唱させうるものだった。
    「おーみのみー ゆーなみちどりー ながなけばー 
            こころもしのにー いにしへ “おもほにゅ“」

で始まり、“おもほゆ”と正しく完成するまでにそう時間はかからなかった。
この夏の体験に気を良くした“にっぽんのばあちゃん”が、それと一緒に選んだのは「日本のことわざかるた」。




読んで読んでとせがむにちがいない。かるたも楽しんでくれるだろう。
言葉遊びの世界。遊びの延長で日本語にも触れていけたら…。
Jessieに暗唱させてみて~、マ~ミィちゃん!

  「…何事も笑ふてくらせふふふふふふふ」

Merry Chistmas, Jessie
会える日を楽しみに…

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 玉手箱

2009年12月23日 | 日々の暮らしの中で

  【  もろもろの穢れの雲も祓いなば
                心の月はいつもさやけき

人の心には目に見えない穢れや、法では罰せられない罪が積もっていくものであるが、取り払うと神の心に通じる誠という清らかな心がある…。常に心正しくし、明るく人と和み、誠心を宝として幸福に生きるのが一番である。  】

三年前、新年を迎えて友人と平安神宮に初詣した際におみくじを引いた。気に入って財布にしまって帰り、日記の最初に書き記してきた。
常に清く正しく…は、なかなかの難題だが、自分を支えていくうえで、ちょっとした気持ちの拠り所として気に入っていた。本当なら“仏の心に通じる…”とでもあればよいのかもしれないが、まっ、それほど深刻に考えることもないということで。

で、日記帳を買った。わたしはいつも一年物。メモや貼り付け物、今日という日の記録まで、日々の「トラの子」となっていく。思い切って文庫本サイズにしてみた。紙質は重要、レイアウトと。シンプルで気に入ったものが手に入った。

心のうちも、少しの隠し事も、そっと仕舞い込んでいく玉手箱。
古い衣は脱ぎすてて、気分新たにどんな年頭の一筆にしようかな…。

多くの人で賑わう京都駅烏丸中央口、西側にあるクリスマスツリーを見上げる。4階から10階まで続く171段の大階段。高低差は30メートルだとか。
上から見下ろせば、ここの改札口前も谷底の感がある。

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 めし代あるの?

2009年12月19日 | 日々の暮らしの中で
「お前、めし代あるの?」

駅改札口付近で、仲間待ちをしているらしい高校生の集団だった。
飯代がない(持ってこない)ってことがあるの?…。

「無常の世にも、大晦日だけは必ずやってくるのが世の定め」西鶴さんが言っている。商人なら、元旦から胸算用も油断なくして“一日千金”ともいう大晦日に備えよ、と。

大晦日は経済的な極限状態。
「銭金(ぜにかね)なくては越されざる冬と春との峠」。
この日を無事に越すために、借金持ちは何としてもどんな策をとっても切り抜けようとする。一方で、掛取り(借金取り)はそうはさせじ!とこれまた奥の手で迫る。金銭の支払いの様子や金策に走り回る町人の悲喜こもごもを見る…。

なのに一夜明けてしまえば、常世の松も色鮮やかに、輝く朝日が「豊かに静かに万民の上を照らし、人々は日本晴れの新春を楽しむ」、という具合。
頑張って生きようとか。笑いを交え、“哀れにもまたをかし”の『世間胸算用』。

教会の隣の店舗前。コンクリート上にシートを2枚敷いて、紙袋と枕とペットボトルと…、あのおじさんの居場所になってしまっている。
この年の瀬、現代版の「哀れにもまたをかし」の救いはあるのだろうか。

今日の高校生とは関係のないことだけれど、「めし代」は大問題だ。

ネットより拝借の挿絵。正月用に、大きなブリが手前に見える。左、手まねきしているのは話し中の借金取り、ということ。 

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 ちょっと“いっぷく”

2009年12月18日 | 日々の暮らしの中で
肌を刺すように冷たい朝。やがてそれでも冬の日差しが温かく差してくる。

ちょうど一年前の今日、関空でJessieと娘を出迎えたのだった。
住まいのあるブリスベンから一旦シドニーへ、そこで乗り継いで日本、という従来のコースではなく、ゴールドコーストから搭乗したために日本での到着時間が2時間余り早まった。午後七時二十分頃には関空で対面、九時には京都駅に着。京都タワーをバックにおどけた表情のJessieの姿が今も浮かぶ。あの明るい笑顔が恋しいことだ…。

今のクリスマスムード一色も、終わってみれば門松さえ立てられだし、確かに五日もすれば、除夜の鐘が鳴る。キリスト教から神道、仏教と、何もかもごっちゃに、違和感なく楽しめる不思議さにふと思いが行くが、時間続きで初詣。

この間に、二十一日東寺の終い弘法、二十五日の終い天神がある。
神仏共存…、べつにバチも当たりませんでしょう。行ってみたいのだ。

この十三日は、京の花街や休暇が迎春の準備に入る「事始め」だった。
【祇園の芸舞妓が芸事の師匠やお茶屋を訪れ、ひと足早く「おめでとうさんどす」と新年のあいさつをする。
稽古場には鏡餅がずらりと並び、「新年もおたのもうします」と手をついて頭を下げる。師匠は「きばってください」と芸への精進を期待したり、体調を気遣いながら一人一人に細やかに言葉をかけ、祝いの舞扇を手渡す。】
行事の様子を、華やいだ雰囲気の写真と共に新聞が伝えていた。
花街では、この日を境に年末まで、「お事多さんどす・おことおさんどす」とあいさつするという。

一般には、気重い大掃除、年末年始の準備といよいよ気ぜわしい師走。
…のはずだが、そのホンのはざまのような今、わたしは“ちょっといっぷく”。
あれこれしながら、思いながらも、心は一服。な~~んか良い時間なのを感じている。

寛永堂さんの「大納言 清澄」
「大納言小豆をやわらかく煮あげ、天日干しの寒天を加えて表面のみをうっすらと固め」たものです。ついもう一つと手が… とまりません。
う~~ん、この甘さ!大好きです。


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 HALL家は今…

2009年12月16日 | HALL家の話
                  

  Hi, Okaasan.
  Jessica is coming along very nicely.
  Jess is a good kid always smiling.
  ・・・
と始まるJayからのメール。

昨年の今頃はしばらくの別れを惜しんでもいたことだろう。
最近は、自分が出張で家を離れるとき、時にひどく泣くようなことがあると言っている。成長している証拠だなと。

写真の手前に広がる物が何なのか、もしかすると…

   …my gardens were destroyed!!! 
   I left N-(娘の名)in charge and my main flowers are dead.
    SHOCK dayo !!! haha.

どうも、娘に世話を頼んで出た花壇が destroy“破壊された・滅ぼされた”…。
早く言えば、娘はJayが丹精込めて育てかけた花々を全滅させた、ということになる。別に、ゆっくり言って見たところでそう言うことだ。ショックだよ、か…。haha、笑って済ませてくだされ。
あ~、わが娘!この母にしてこの子あり。だけど、なんでかな~、ちゃんと水やりぐらいはしなさいなー。
だから私は思うのだ。伝えよう、木がいいよ、って。

以前も、Jayから私に庭づくりの打診が。そのためにも来てくれないかと。
できれば親子仲良く、和をもって貴しとなしたいが、言うべきこともちゃんと伝えないと事後に響く。
まっ、それは無理だね。そんなセンスも無いし、根性もない。滞在中にあっと驚くお庭の完成~、そんな活躍を期待されることなど、あってはなりません。

   …temperature 42, soooo hot!
Jay、 いったい、どこまでお出かけ?42度の気温とは、そーーーれは暑かろう!
Jessieと母親は、あなたの留守中、ビーチをラクダに乗ってお散歩よ。

     

したいこと、行きたいところ、見たいものがあったら教えてくれと。
大陸縦断の鉄道に乗りたい、と娘に言ったことがあったが、「二度と乗りたくない」という返事だった。じゃあ半分? その半分の半分、だけでも。
彼らは嫌だろう、延々と続く砂漠地帯を見て何が面白いのかって。

Jessieの餃子作り。真剣です…


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 団欒・だんらん

2009年12月15日 | 日々の暮らしの中で

午後から寒い。夜に入ってからは、さらにゾクゾクと冷え込みを感じている。

厚手のとっくりのセーターで首まで覆い、こんなに寒い家ってあるのかよー、と日々ぼやいていた頃。家の中にいて吐く息が白い、そんなことありかよ~。…だった。
それでなくても寒さ嫌い。外よりも家の中が寒く感じるなど、情けなかった三十年ほど前。なのに、日々さらされる面の皮は厚くなり、体も鍛えられるのか、慣れというのは恐ろしや。“とっくり”などは着ていられなくなった。

冬でも薄着で過ごす家もあるだろう。そうもいかないと極力衣服でのこまめな調節となってくる。子供たちにもちゃんちゃんこを着せていたものだ。ご近所のおばあちゃんお手製のもの、母子でお気に入りだった。


私自身はあまり炬燵の経験がなく育ってきた。嫁いでから、“座る”というスタイルが入って来て、オコタが冬の居間の中心に。伸ばした足がぶつかって、狭い空間での小競り合いを始める姉弟。夕食後にごろ~~んと、婆様。新聞に余念のない人、うとうとしかける人…。それなりに団欒があったのだ。

その一部屋だけは温かい。心も温め、省エネに貢献だろうか。
次第に各部屋に散ってそれぞれの時間を過ごしだす。子供の成長と共に部屋の温度も下がっていったが、それでもなんとなく集まるのがオコタのあるところだったかなあ。

大きな堀炬燵に、今や、入り手を待っている…。
掃除もできずに、追いたてた日も懐かしい。

 江戸時代の風俗。炬燵で暖を取り、歌舞伎の顔見世番付を見ている。
 勝川春潮画。
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 洗いたてたる白さ

2009年12月14日 | 日々の暮らしの中で
洗いたてたる白さかな…。

おばあさんが一輪車に載せて上手にバランスをとって運んでいる。丸大根やかぶらの見事なまでの白さに、つい足を止めてしまった。真っ白だ。
この時期、泥つきのまま山のように積み上げた軽トラックを目にする。離れた畑で収穫してくるのだろう。トラックが通り過ぎた後、一瞬、かぶらのにおいが残る。大急ぎで深呼吸~。

我が家でも、大根を洗って本堂の縁の手すりなどに干していたこともあった。婆様の年中行事だった。食べきれないとわかっているのに、大量に漬け込む。結局古くなって、あめ色化した沢庵を、塩出ししてから煮る。それが尼講さんの日のテーブルに並ぶことがあるのだ。
お味はって?…食べた事ありません。どーも、目新しいことに挑戦、は苦手です。

この聖護院大根、「百七十年くらい前、尾張の国から奉納された長大根を、京都の篤農家が聖護院あたりで栽培するうちに丸大根になったとか」。
風呂吹き大根にして熱燗で…、他にはなにも要りません。

       

「千枚漬」の漬け込みも今が旬とも言えそうだけど、これはお好きでしょうか。
京のブランド品を風呂敷に包む。この一年の感謝をこめて、…ありがとう。

午後から遠方への外出。
帰宅を急ぐ途中、大きな真っ赤な太陽が西の山に沈んでいくのを見た。
いいもんだった。普段なかなか見られない。
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 君は花を見たか…

2009年12月12日 | 日々の暮らしの中で
             

植え込みに絡みながら伸びた枯れた茎を手繰って行くのだけれど、その根元まで行き着けない。色づいたカラスウリの実を、茎の途中で手折って集めていた。仕方がない、タネを蒔いてみようか…、と思いながら。
大黒さんが入っている、と言われるタネ。タネからでは、花が咲くまでに三年かかると聞いた。

カーテン越しの向こうから、コンコン!と。目じりにいっぱい笑顔のしわを刻むおじいちゃん(義妹のお父さん)が差し出してくれた、軍手をはめた手のひらには、ご覧のとおりのたくさんの根っこ。続く再びのコンコン!には、たくさんの赤い実を。三回忌の法要も無事に済ませ、今日は息子のいるマンションに行こうとする七日の朝だった。
                             

カラスウリのあるところ必ず、黒い、ホタルのようなクロウリハムシが飛んでくるのだそうだ。ウリしか食べない虫は、ガリガリ、ガリガリと音をたてて葉に刻み目を入れる。
その行為が止まると、葉は食べられまいと毒を出す。それを知る虫は、食べる分をまず確保ということか、先に、葉に刻み目を入れてしまうのだという。
「トレンチ・コード」。刻むことで、そこには境目ができる、壕を掘って安全地帯を作ることにつながるのか、その習性と合わせてそう言うのだろう。

この虫が葉から飛び上がるのは遅い。腹いっぱい食べるし、ヘリコプターのように飛び上がるので、そこを両手でパン!とやっつける。
少し前にこの話をしてくれた方の、夏の日課だったそうな。
「あー、こんなことをいろいろ調べているのが面白いなあ」と。
小さな攻防戦が繰り広げられる自然界の楽しい話に、私はその時メモを取っていたのだ。

黄色いウリもあるが、葉は少しがさつで荒っぽい。“大阪のおばちゃん”ですね。
そこへ行くと、赤いほうのウリは、ホンマに上品、強いし、いいですわー…。“京都のおばちゃん”ですね、って。(ちなみに、私は関東出身ですので悪しからず。)
ポッとランプが灯るかのように明るいカラスウリの実、病気療養中の沈みがちな知人に届けてあげられのだとか…。

私は一度実際に花を見て見たい。弟は見たのだろうか…。


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 浅草は、観音様の街…  (12月8日)

2009年12月11日 | 日々の暮らしの中で
                  

浅草寺、雷門をくぐったのはもう午後四時に近かった。仲見世商店街は早くもお正月の縁起物などが飾りつけられていて、来年の干支「寅」の大きな絵馬や羽子板、鏡もちも見え、紅白のまゆ玉がかわいく、華やかさを添える。

何をお土産に買うのだろうと、人の買い物を覗く私。外国人の日本土産の第一位は、招き猫の置きものだと聞いたことがある。両脇の店々からいっぱいの猫さんが“おいでおいで”をし続けているが、…の割には買ってる人を見かけない。それが三匹?連なったかわいい根付け。…つい!手が出そうになったけど、やめた。

          人形焼きの甘い匂いがしてくる。
以前、息子を訪ねた折に買って帰ったが、一人で食べる羽目に。最初はシメシメも、やがては、さすがに多すぎを実感しながらクリアー。懲りた!それなのに、巣鴨では塩大福5個を買ってしまった。

三十年ほど前のほおづき市で一鉢を購入し、娘の出産のため実家に戻っていた私に持ち帰ってきてくれた亡き弟を思い出す。母の病が癒えるよう父と祈願した日。回復が望めない最後の最後に、もう楽にしてあげて…と願を解きにお参りした日。後日の再度のお礼参り…。ここは子供の頃から親しんできた観音様だ。家族総出でのお正月のお参りなど、もう夢の夢のかなたの記憶になった。そう思うと、この明るさの陰で少しばかりの寂しさがある。

羽子板市が近い。これをJessieのお土産にと思いもしたが、一緒にここへ来る楽しみに残すことになる。結局ここでお土産はなし。

その代わりにと言っては何だが、本堂で念入りに合掌。そのあとで引いたおみくじが第九十番、「大吉」!!「凶」の確率が高いという中でのことだ。しかし、大吉が出ても凶に転じることがあるのをちゃんと戒めている。謙虚で柔和な気持ちで人々に接するようにしましょう、などという具合に。今回は持ち帰らず、観音様とのご縁つなぎをしてきた。

浅草の七福神巡りは、九ヶ寺を巡るとあってご利益も大。

「らっしゃい!」って、江戸っ子のきっぷの良さだって聞こえてきそうな浅草ですよね~。
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 “原宿”を行く     (12月7日)

2009年12月10日 | 日々の暮らしの中で
             
「信号を渡って右へ」
駅の改札を出るとすぐ、わかりやすい大きな文字が目に入った。
道路の向こう側へと渡って、右へぶらぶら歩いていくと、ほどなく「巣鴨地蔵通商店街」。巣鴨のメインストリートと言われるだけあって、平日なのに人であふれている。
ここへ一度来てみたかったのだ。山の手線をどれだけ利用してきたかわからないのに、ただの一度も巣鴨駅で降りる機会はなかった。ようやく念願かない、“おばあちゃんの原宿”にデビュー。

みんな同じような行動を取りながら歩く。足を止めては、長寿や健康を祈って線香の煙を頭や顔、肩に腕に…。衣料品を物色し食べ物を買ってみたり。塩大福を買うために列ができる。三人連れのおばあちゃん達とお友達に。しゃべりながら後ろに続き… 思わず前を歩く人に追突しそうになる。ゆっくり、こけないように、いたわり合って進む“原宿”通りなのだ。あわてない、あわてない。

姪っ子達に言われて来た、「赤いパンツを買うように」、と。裏起毛の温かそうな肌着類が山積み。その中で、真っ赤な肌着を自家用とお土産用に買っていくおばあちゃん。
「赤」のエネルギーをいただいて、どうなるの?あー、暖かいのかあ、そうだよねー、温まるらしい。何度も手に取って品定めの私…、買ったかって??…そんなあ~、赤パンツ買ったなんて、ちょっと言えないなあ~。

    

目的の「とげぬき地蔵」。水をかけながらお地蔵さんの体を洗うのも順番待ち、行列だ。並び方を表示する札がある。傍には一人、寒いのだろう、座ったまま硬直したような表情で、おじさんが“洗いタオル”を売っている。
その近くに、AED(自動体外式除細動器)があることを知らせる札もかかっているのだった。
これで安心、心おきなくお参りを…?

京の寒さには、“赤パン”の効力は絶大かもしれない?……
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 東京は…

2009年12月04日 | 日々の暮らしの中で
明日は朝から雨模様…
東京も午後からは雨マーク…

明日は東京へ、二年ぶりぐらいになるか

「京に入りてまもなく宿りける駿河台の新居、窓を開けば、竹林の崖下、一望甍の谷ありて眼下を埋めたり。秋なれば夜毎に甍の上は重き霧、霧の上に月照りて、永く山村僻陬(へきすう)の間にありし身には、いと珍らかの眺めなりしか。…」

  見下ろせば眠れる都 … 夜の霧は、墓の如、ものみなを封じ込めぬ。
   … 百万の つかれし人は 眠るらし、墓の中。 …

           石川啄木、岩手から東京に来た夜。『眠れる都』


ほつと月がある東京にきている    種田山頭火     『旅日記』

  明日、月は見られないが…


宇多田ヒカルが歌う   『東京NIGHTS』
   
  あなたをここへ引き留めるのは誰?
  ・
  ・
  sleepless nights
  夢を見たい
  本当は自由と分かってる
  どこ見てるの
  lonely eyes
  君かもしれない
  もうしばらく側に居て下さい
  イテクダサイ
  …


「東京」は…
  あー、息子がいるな…
なんとなく心ゆすられる場所…
雑踏の中のひとりが心地よい

  
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