京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「想像力は魔法」

2019年07月31日 | 日々の暮らしの中で
本の表紙を開いて、もう一つ開くと、少し小ぶりのタイトル文字が現れる。そこが扉と言う名のページで、「扉」という呼び方がとても素敵だと児童文学作家・角野栄子さんが言われる。
「さあ、あけて物語の世界にいらっしゃい」と呼んでいる。世界が変わる境目で、わくわくしてくる。こっちからちょっぴりあけて、むこうの世界をちょっぴり見せて。このちょっぴりは読む人に大きな期待を抱かせる。不思議な物語に入っていく時、その世界がすごく面白いことを暗示させるのに「扉」はとても重要だ、と。

        

〈扉を開けて、物語の世界を歩き、やがて物語が終わっても、読んだ人の心の中で、その先の扉がまた開く。それは物語の世界にかぎらない。想像する力があれば、もう開かないと思っても、開かない扉はない。「終わりの扉」は決してないのだ。想像する心さえあれば…。〉

 〈「想像力」、それは人であればだれでも持っている魔法だ〉

第95回目となる高野山夏季大学(8/2-)の参加を見送ってしまった。6月初旬に8月の暑さを思い、決断に不安が伴ったせいだ。角野栄子さんが「見える世界と見えない世界・・物語の生まれることろ」と題して講演をされることもわかっていて、かなり悩んだけれど。惜しいことしちゃった、と今なら思える。申し込めばよかったな、と。 こうしたことを極力少なくしていきたい、と思いながら誕生月が終わる。

今日は孫のLukasが映画「トイ・ストーリ4」を観てきたようで、電話で報告してくれた。途中で眠ってしまわなかったか尋ねると「みたよ~」って。全部みてはいたようだ。録画して家で繰り返し見ている中にはクマさんがでてくるので、「クマさんいなかった」と。「違うお話だったんだね」「こわかったー」。
母親と兄との3人で、あれこれ思い出しては話も弾むことだろう。るーちいクン、新しい扉を開いたかな…。
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心こそ心迷わす

2019年07月30日 | 日々の暮らしの中で

   朝顔の空へ空へのこころざし
京都文芸欄に載っていた入選句に、〈「こころざし」と結んだところに響くものがある〉と選者評があった。


ツルの先を切って、「こころざし」を摘んでしまっているようなのが心苦しいが、そのせいか、脇から芽が出て大きく育っている。8分の1、たった一粒の種からの発芽で、これほどまでになった。花の大きさはちっとも変わらないが、息長く、朝には3輪、4輪と花が咲き、喜ばせてもらっている。
ただ、日差しを受ける頃にはしぼんでしまうほどのはかなさだ。生命は長さではなく深さ、なのね。

誕生日を迎え、また一つ歳を重ねた。それがストレスになるなんて愚かなことだと思うけれど、この数日、なんか気重くのしかかっていた。
「心こそ心迷わす心なれ 心にこころ こころ許すな」
厄介な代物であって魅惑的。気ままに動く心を、どう深め、味わっていきましょか。
(やがては)逆らわずに何ごとも受け入れてゆく心を持っていたいものだ。

その時どきに小さな花を咲かせながら、ぼっちぼちと…かな。

                                (写真は、ボールペンで描かれたという展示作品)
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「アラジン」

2019年07月23日 | 映画・観劇
夏休みに入り、昨日から孫娘がたくさんの宿題を抱えてやってきました。

 

映画を観にいこうとなり、いくつかの候補作がありましたが「アラビアン・ナイト」をベースにした「アラジン」に決まりました。
実は私もこれを観たかった。

歌も踊りもとってもよくって、「もう一回みたいね」が共通の感想でした。ところが、どんなシーンで始まったんだっけ??…と思い出せない時間がしばらくあって、夕食後すべてがクリアーに。二人して大喜びでした。
魔法のランプの魔人・ジーニーをウィル・スミスが演じていて、やはりなかなかの存在です。なかでも、ジーニーがランプから現れてから歌った「Freind Like Me」。王女ジャスミンとアラジンが空飛ぶ絨毯の上で歌った「A Whole new world」、自分は負けないと歌う「Speachless」が良かった…と英語版を好む孫娘の感想。私も同感です~。

「トイ・ストーリー」が好きそうなLukas。明日、公開中の「トイ・ストーリー4」で彼を映画館デビューさせたいと母親からメールが…。
じっと観ていられるのでしょうか。兄も一緒ですから、デビュー成功するといいのに…。



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「洗骨」

2019年07月21日 | 映画・観劇
  〈監督・脚本  照屋年之〉
お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリさん監督・脚本による「洗骨」。よい映画を楽しませてもらいました。
タイトルのインパクトの大きさで一度はスルーしたが再上映が始まり、この機会に観ることにした。


冒頭、母の柩にもたれ亡きがらに触れる娘が映し出される。沖縄県の小さな島に暮らす家族を描きながら今なお残る洗骨の風習を盛り込んで、家族の絆、命のつながり、本来あるのだろう日本人の死生観まで感じさせてもらえた映画でした。

笑いながら、すーっと心を打たれ、沁みるものがあって、特に信子おばさんの毅然とした強さ、やさしさ、大きさに圧倒され、親しみを覚え、心を持っていかれたり、と大きな存在でした。
小さな島の小さな店で、姪っ子の陰口を耳にしたときの信子の態度とハイライトでもある洗骨のシーンでは場内一瞬息をのむ空気が流れたような…。
ラストでも信子おばさんは大活躍で、そこには笑いも生まれる存在感。見事だった。

巨岩をきれいにくり抜いた岩屋のような中に柩を納め、上部を少し開けた状態で入口を塞ぐ風葬。4年後、柩を取り出し、…すべての骨をきれいに洗って、小さな箱に収め直し、供養する。ここでは新しい命の誕生もあるが、様々に抱え込んだ思いから解き放たれた、それぞれの笑顔が浮かんだ。「亡き人の骨を洗うことは自分自身を洗うこと」、と。

 千の風に
 千の風になって
 あの大きな空を
 吹き渡っています

美しい、大きく広い海の映像に、この歌詞が思い起こされる。

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大きな黄色いお月さんが

2019年07月17日 | 日々の暮らしの中で
暑かった!!!
あまりに暑くて、疲労感が大。
で、今夜はもう横になろうと、…午後10時、
窓を開けたら、東の方向に黄色いまあるいお月様が上がっています。

おやすみなさい

   ちっちゃな花ですが、4輪も一度に咲く頑張りです。
変わり映えしないけど(笑)  一日一輪の頑張りに拍手。

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多少増えたって

2019年07月16日 | 日々の暮らしの中で
三連休だった。行事ごとや些細ながらも用事が舞い込む暮らしに、何ごともなければこその休日色は濃かった。
孫たちと過ごす時間もなく、ぐずつき気味の天候で家にいることが多かった。そのおかげで机に向かえる時間はかなりとれた。どこを歩いていてもスピーカーからは祇園祭のお囃子が聞こえるが、人の出の多い中に行きたくはなく、そうしたところを避けて書店だけのぞきに一度外出した。


先日来、読んでみたいと思いながら迷っている作品があるが、やはり買い控えた。読みかけのもの、再読したいものがある。新刊の書店には並ばない数冊が欲しい…、などと思って。それにしてもの書籍の数、量。手に取るのは稀だが、たっぷり時間をかけてみて回った。足は棒に、腰を下ろせる椅子もなく、ヘトヘト。

立ち読みをした。紀田順一郎氏が書いていた。最後の蔵書は何か。つまり、臨終の蔵書は何か、といったこと。臨終に臨んで、あっても仕方がない、なくてもよい多くの蔵書がある、と言われる箇所で、氏と比するまでもないが我が家でのことが思い浮かんだ。私個人でも、それこそ若い頃からの本を含め大事に残している。でも、今はうす目で読み流しておこうか。

      

「何かの目標があって、というのではなく、いまここで生きる自分の喜びのために読む」。この堀江敏行氏の言葉を頂戴して帰った。
この先、多少増えたって…。だから、アマゾンを利用して4冊を購入した。
書店でヘトヘトになる時間。申し込めば早々に届くネットの利用。古書店巡りも厳しくて、ついつい安易に手に入れる。どうなんだろか…。
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ソルダム酒とソルダム酢を

2019年07月12日 | 日々の暮らしの中で

ソルダム酒を作りました。
店頭にソルダムが盛ってあるのをみかけ、ホワイトリカーを買い込みました。昔、母が作っていたのを思い出します。
ソルダムには縦に2カ所切り目を入れ、皮をむいたレモン4個を半分に切って、ソルダム1kgとつけてあります。氷砂糖は400g。ホワイトリカーは1.8l。
このまま食べても赤い果肉は酸っぱみがあって甘みもあって、熟れたものは果汁が滴り、ちょっと酸味が勝つかなあというところで美味しいのですが、このエキスが引き出されます。


同じくソルダム酢を。
ソルダムそれぞれ600g、米酢とリンゴ酢を使って2種類を作ってみることにしました。
こちらは初の試みです。
ソルダム、酢、氷砂糖は同量。実には楊枝の先で10カ所以上の穴をあけてあります。
米酢は酸味がやわらかで果実に合うわけですが、リンゴ酢だと更に飲みやすいとのこと。まあ、おそらくリンゴ酢使用のものを娘宅に分けてあげることになるのかなあ、と思っています。

ソルダム酢は5倍程度の水や炭酸水、牛乳で割って。
数日たって砂糖が溶け、プラムの味がしっかり出たら実を取り出すといいようです。そして冷蔵庫で保存。
実は砂糖を加えて炊いてジャムに。どんなお味に仕上がるのか。ぷよっとしてきたソルダム。楽しみに瓶を軽くゆすっては眺めているところです。

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葛の葉と『鉄塔家族』

2019年07月11日 | こんな本も読んでみた
ガードレール沿いに葛の葉が繁茂する道を歩いた。木に絡みつき、タワーのようになってる。。ガードレールを覆いつくし、足元に広がるものは触手を柵に絡ませ這い上がらんと狙う、侵略者の様相だ。その勢いたるやすさまじい。辺りは一面葛だらけって感じ。

 
        巻き付くツル                    オニグルミ

そんな葛の葉も、草木染めでは若葉を採って緑染めをする染め草の一つで、そうした染め草や草木染めの様子が再読していた『鉄塔家族』では随所に綴られている。クルミもそうだ。皮を削って煮だした液で毛糸を染めて、母がセーターを編んでくれたという老人の話もあった。
臭木、せいたかあわだち草、待宵草、合歓、枇杷、ヨモギ、現の証拠、小鮒草、アメリカセンダン草、カナムグラ…、多くの種類がでてきた。せいたかあわだち草は、染めるために煮立てると名の通りに泡が立つのだとか、知らなかった。

    再読していたのだった。『渡良瀬』での主人公・拓は妻と3人の子供と別れ、…その後年の拓、作者とも重なる『鉄塔家族』での主人公の小説家・斉木は、鉄塔のある高台に暮らし、草木染めをする奈穂という名の奥さんがいる。彼女と散歩しながら染め草の樹を見つけては教え合い、植物の名を覚えていた。ここでは中学生になった息子の登場があり、父親として彼の抱える問題に向き合う。前妻の言葉をひどい言い分だなあと感じたり、そうかもなあと思って見たり…。名前を知らなければ、その植物は風景の一部分にすぎないが、名前を知ると目への留まり方も違う。心の寄せ方も意識の具合も。これは人間関係においても同じことが言えるのだ。

『木の一族』で言われた「生きていく人間のあたりまえの姿」が誠実に書かれていることに共感を覚え、感情移入して読むことができる。そんなところが好きなんだな、佐伯作品は。きっと誰もが味わっているはずの日常だが、自然界への眼、身辺の交流や人間関係、ひとつひとつを大切に丁寧に暮らすことで様々な関係が立ち上がっている。豊かな人生だなあと思わされる。

昨日夕刻、カナカナカナカナとひと声耳にした。今日は朝からの雨。
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蝉の声

2019年07月08日 | 日々の暮らしの中で

小学生のランドセルが袋物や水筒などと一緒にずらりと置いてある。
学年がまたがるらしい10数名の子供たちを前に、1000m走のタイムをとるみたいで、各人に目標タイムを設定するなどしてペースを指導していた。
    
石のベンチの端のほうに腰掛けてぼんやりそれを見ていたとき、初めて蝉が鳴くのを聞いた。
背後でジージー、ジージーって鳴く。2、3、4匹いる、などと聞いていた。ニイニイ蝉だと思うのだけれど。
勢いよく全員がスタートしていったので私も腰を上げ帰ることにした。行きも帰りも足が重かったこと。
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星空の物語

2019年07月07日 | 日々の暮らしの中で

朝からの日差しに天の河は見えるのだろうかと期待してしまう。
が、ここのところ頭上に星々の光を眺めることのできない天気が続いている。

一年に一度くらい逢えたらいいのに、と地上の切ない思いを織姫と彦星の物語に重ねて夢を見る。
暗い雲が晴れることはなさそうだ…。

旧暦では8月7日?
仙台の七夕祭りがこの頃開催されるんだった。
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続ける姿勢と底力

2019年07月05日 | 日々の暮らしの中で
 

今日は文章仲間での例会日。
作品の合評を終えたあとは、懇親会でした。
お喋りしながらだったから、美味しくいただいた。

第29集となる会の作品集が発刊され、本日受け取った。
来年は記念の第30集。
第1集からの参加者が一人おられる。
長の年月を地道に書いてこられた姿勢と底力を讃える言葉があった。
プロよりはるかに素晴らしい、と。

京都での男先生、大阪での作家先生から多くを学んで来て、
私はつい昨年からこの会に参加させていただいている。
書くということにはエネルギーがいる。最近はそれが…とこぼされる声も耳に入るが、
皆さん矍鑠としているようにお見受けする。

今頃の時間になって疲れたなあ~、と感じる。
早く休ませてもらいましょっと。

“My アサガオ”は、一日一輪楽しませてもらっている。
小さな、おもちゃのラッパの先ほどの小さな花ですけど。見慣れればかわいいもの~。
 
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今、キャンプだなんて!?

2019年07月03日 | 日々の暮らしの中で
九州地方を中心として雨が降り続き、すでに各地から深刻な被害が伝えられている。まだ、さらにこのあと大雨特別警報が出る可能性もあるというから不安は募る。九州からは離れたこちらでも、蓮日の梅雨空に時折雨というこの頃。



明日から1泊2日のキャンプが滋賀県近江八幡市の国民休暇村で予定されている孫娘。
学校側はどう対応されるんだろうかと、多いに心配で不安をもって見守っているのだが、〈朝、警報が出ていたら待機〉だそうな。
琵琶湖のはたに開けたキャンプ場。土砂災害とか心配ないのかしら。
「いかだを作ってる場合じゃないなあ」などと娘は言う。朝、なまじ雨が上がっておらず、いっそ中止のほうがいいんじゃないの?

朝のうちは雲間の空に明るさも感じられていて、葉書を出しにポストまで歩いた。なんとウグイスが啼いた。昼から雨の予報だったが、午後8時半を回って降り出した。少し。
軒下にでも吊るしてみようと用意していたが、これだけの雨にテルテル坊主の出番はなさそうだ。
一日も早く天気にしておくれ~。
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月日を重ねつつ…枯れゆくまいぞ

2019年07月01日 | 日々の暮らしの中で

小さな傘を持っては出たが、降らなかった。昨日までの蒸し暑さもずいぶんまし。東本願寺さん近くまで、叔父のためのお供を求めに出向いた。

叔父は母の二番目の弟で、目が少し不自由になった母親を兄の家から引き取り、一緒に暮らしていた。母が亡くなったとき、いわき市の家では母親が珍しく娘(私の母)の名前を呼んだと話してくれたことがある。母が母親のもとを訪ねることは2回、3回あったのかなという程度の記憶しかない。帰りたかっただろうに。時間を作って帰らせてあげればよかった、どうしてしなかったんだろう。今になってこんな思いが湧いてきた。電話口で叔母が何度も「おにいさん」「おねえさん」と私の両親を呼んでいたからだろうか。


街中の、きれいに手入れされた門先に合歓の花が咲いていた。筆先が刷毛のような、ピンクの花のやさしさ。この花が咲き出すと、庭の片隅に、目の届くところに1本欲しいなという思いがおこる。ほんのりと、けぶるように、夢見ている花の風情。若い頃の叔母の面持ちが重なるのは身びいきか。手元に残る写真を見ても、美しい人だった。

合歓の木は建築材はもちろん細工物にもならず“やくざな木”だ、と以前読んだことがあった。が、実は役に立たないということはなく、この木で作ったお櫃は水気をよく発散し、飯の変質が少ないと好んで使用する地方があったり、きめが荒く軟らかて粘りが強いので屋根板や鎌の柄に、桶などにも用いられ、大いに役立っているんだそうな。

一日で慶び事と弔い事の両方を済ませた。1年の半分が経過し、誕生月を迎えた。
「…月日を重ねつつ……われ枯れゆくまいぞ」

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