京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「日本滞在記」もおわり

2011年06月30日 | 日々の暮らしの中で
                
Jessieは週五日、皆勤で幼稚園生活を楽しんで、母娘二人は29日20時50分の便で関空からゴールドコーストに向かって発ちました。
おかげさまで無事帰宅、に一安心です。

大きなお腹を抱えた娘が落ち着いて出産までの時間を過ごすことが第一と、早く自宅に戻ることを半分は願うような…、
それでも5歳児の存在は大きく、あの元気に走りまわる姿や百面相、大笑い・大泣きが消える寂しさもまた半分…

              
夜に入って、Jessieがいない、ということをもろに感じ出している。
日本で出産しシドニーへ帰る娘の親友が一緒とあってか、なんとしたこと!Jessieの写真を撮ることすら忘れてしまった。

明日から七月。気分一新、私も… 地道に、ときどき外れて、したいことして好きなように暮らそうか~?
Jessieの日本滞在「Show and Tell」、どんな内容になるだろう。




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 楽しかった日々

2011年06月27日 | JESSICAの日本滞在記
                
26日(日)、朝から蒸し暑いといったらなかった。帰国を予定している29日まであと数日、週末のお天気にはどうにか恵まれそうだ。
琵琶湖の西を走りながら北上、北小松水泳場まで。小学生だった子供達をつれてこの近辺で遊んだ日があった・・・。
5歳児はスイミングを習っているとか、ポーズばかりは「こうするねん」とひとかどのスイマー気取りだ。それでも、泳ごう!とする意思は見て取れるからオモシロイ。

       
日記にこうある。
「… じょうずにおよいだ。むねまでのふかさ」
水慣れしないのはこちらのほうで、見ているほうがヒヤヒヤしている始末だ。
湖岸の風景に癒されながらの一日。「びわこにいった。たのしかった」そんな思い出がお互いに一つ増えたJESSICA日本滞在記も終りに近づいている…。

今日27日をもって幼稚園はおしまい。午前中皆がバスでそろってミュージカル(ピノッキオ)の観劇のために京都会館へ。
「ジェシイげんきでね」「またきてね」とかわいい声に送られて…、やはりお名残り惜しい~。
友達の影響は大きく、刺激を受けるのだろう、確かな成長のあとがわかって嬉しいことだ~。

  
                     写真や手紙をとじたアルバムを
「あすかちゃん、いつも仲良くしてくれてありがとう」 と、「どういたしまして」という言葉が返ってきた。Jessieは言えるのかな? 
まあいいか、「ユアウェルカム」って知っていたしね…。
幼稚園のお友達、先生、仲良くたのしい日々をありがとう!!

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 「ひえいざん」

2011年06月25日 | JESSICAの日本滞在記
                  

ドラえもんの「日記帳」を書き終えたJessie。午後8時30分、私がラジオをつると白い紙3枚をホッチキスでとじ合わせ、横で「おベンキョー」すると言って離れない。日記帳の裏表紙に書いてある文章から平仮名を写し書き、ラジオから聞こえた「まつ・たけ・けいこう」などを書いている。「メッチャ大事やねん」… 
いつもなら早く寝せようと焦る母親も、今日ばかりは見逃し、自分は『土曜ワイド劇場』で時間つぶし。 

      けーぶるかーとろーぷうぇいでひえいざんにのぼった。
      バラがきれい。
      びわこがみえた。
          25にち

              滋賀県大津市眺望
              竹生島、白山方向
蒸し暑さから逃れようと標高840メートルの比叡山山頂にある「ガーデンミュージアム比叡」を訪れてみた。

1959年に完成し長く比叡観光のシンボル的存在だったという回転展望台だが、回転床は止まったまま久しい。中学校の修学旅行でやって来て、展望台をバックにクラス集合写真を撮ったことがある。若い職員さんの話によれば、今は景観上建て替えの話も進展しないままなのだそうな。
              蓮池と展望台
      
                  
私も蝶などを。モリアオガエルの珍しい卵も数箇所みられて…。
 
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 「頭」の失敗

2011年06月23日 | JESSICAの日本滞在記
                   
もっと短くしたら… といい続けてきたが、やっとこさ髪を短くしたJessie。

シャンプーをするのも大変だし、子どもは短いほうがかわいかろう~という一方的なおせっかいごころでつぶやいてきた。
こればかりはマミィちゃんの助っ人ではない。母親が連れて行ってくれない、と口にする。ひとつにくくれるくらいの長さは残して、短めでいい。「さっぷりした~」

Jessieに話してみた。
「今日ジェシーは髪を切りに行ったでしょ。英語でこういった人があるんだって…」
Please cut my head off.  
「head!  head だってよ! 頭を刈って、だって~」 
ふん・ふん・ふんと笑っていたが、 やがておもむろに、
Can you cut my hair?  そして両手を大きく交差させて、No~,thank you. と…??

通じたのだ、こういう風に言うんだということだろう。抑揚を真似て Can you cut my hair~~?  と、「発音がおかしいわ~」ときた。ふ~ん、どこが!うまいもんでしょうに!?

「頭を刈る」イコール「髪を刈る」の意味で了解できるが、アメリカの床屋さんで「ヘッド」をそのまま用いてしまったことから来る日本人の失敗談。これは金田一春彦さんも書いておられる。
やはり日常会話は小さくても5歳児が師匠か??? 大丈夫かな…。
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 助太刀あれど…

2011年06月22日 | 日々の暮らしの中で
                    
今週は最高気温が30度を越える真夏日が続く見込みらしい。

エアコンを入れたい。節電・節電と聞こえてくるが我慢にも限界あり…。
大きなお腹の妊婦さんが暑い、暑いを繰り返すと、すかさず「あついなあ~」と母親の助太刀をするJessie。
今日スイッチを入れたら、明日も明後日も… 今後毎日入れなくてはならなくなるだろう。

避難所の厳しい環境を耳にする。夏至の今日に合わせて、府庁などで消灯開始が伝えられた。本格的な節電対策の始まりだが、団扇片手に仕事の様子が映し出され、蒸し暑そうだ。
電力不足に備え、何ごとも工夫だと思えば心がけの前向き度は変わるものだろうか。

アイスキャンディーに涼を求める五歳児…。
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 元気の素

2011年06月21日 | JESSICAの日本滞在記
                

梅雨の合間に広がる青空の待ち遠しさ。ようやく昼頃になって明るさを増した空に日差しが戻ってきた。水溜りの奥に、太陽を覗き込んで歩く。

    マル・マル・モリ・モリ みんな食べるよ~
    ツル・ツル・テカ・テカ 明日も晴れるかな~
      … 朝ごはんはなんでしょね~

幼稚園で習っているらしい。何度言っても「テカテカ」を「デカデカ」と歌う。
ユウ・チューブの画面から“アクション”真似て、歌詞を追う5歳児。いつもしめは「よくできました~」と。

歌詞の乱れはハチャメチャもよいところだが、まるで何もかもを忘れたように二人と同化、自分を解放し酔いしれて歌い踊るショータイムは、まさにJessieの元気の素だ。

同じように振りを真似てみてもJessie以下で、手も口も動かない。
もっとなりふり構わず、自分を解き放って!と言うことだろうか。明るい青い空のように~。
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 父の日の日曜日

2011年06月19日 | JESSICAの日本滞在記
     雨が好きか
     私は好きだ
朝、子供向け番組から聞こえてくる。八木重吉の詩「雨の日」の一節。
どうやら今週ははっきりしない天気が続きそうだ。雨の落ちるところに目を凝らして、雨がすることをじっと見ていたいと詠う重吉の代わりをしそうなJessieだが。

        急にペコッ
           回復
              おやすみなさい

することがなく二人でおじぎそうを眺めていたら、突然に扇子でパタパタやりだした5歳児。なんとお辞儀をした! だから「おじぎそう」か。心細い、一歩間違えれば折れそうなほどの茎が頭を下げたのだ。一時間後にはしゃんとしていたが、夜には葉を合わせて眠っていた。

「のあけゆくのかな」… 大きな声が聞こえる。「この上にカエルがいるんやで~」
ハスの葉が広がる写真を見ている。「短夜のあけゆく水の匂かな」広げてあった歳時記のひらがなを拾い読みしているのだった。

私の亡き父、娘の父親、Jessieのダディ ― 折りしも父の日の話題となった。
「夫婦」の言葉にしつこく反応する5歳児、熱いものをフーフーするのに何で言うの?、と。「ダディとマミィちゃんのことよ~」 わかったかな~?? まあいいか。
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 ゴールデンタイム

2011年06月16日 | JESSICAの日本滞在記
                     

就寝時間がきたからといって、さあ寝よう!とは簡単におやすみモードのスイッチに切り替えられない五歳児。一日の出来事を語り継ぐ独演会の幕が開く。少しでも早く寝せたいと思う母親の気持ちを百も承知で知らん顔。
「きょうのさいごはありがとーございます」
「今日の本日は 木曜日の本日です。よろしく おねがいします」 ??
そして、「あー、さっぷりした!」
クスリとでも笑ってはいけない。笑うと更なるテンションで次幕が続くからだ。毎日がまさに旬。腹もたつ。が、子供は愉快だ。

五年も前になるか、「私のゴールデンタイム」に応募しようと原稿に向かったことがあった。「人生がもっとも輝く季節」を振り返ると、忘れたくても忘れられないでこぼこな時間をはさみながら、ベストだったと思える時はいくつかそのときどきであったと思える。
今、その時どきよりも幅ができたし寛容にもなっただろう、少しだけ。
書くことは、自分の人生と向き合う時間を作ってくれる。

Jessieの日記も三日坊主、明日はまた再開だろうか。楽しい書き込みができるといいのに~。
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  Show and Tell

2011年06月14日 | JESSICAの日本滞在記
                

最初は葉っぱをたくさん入れたてんとう虫だった。何度かトンボを捕まえた。
そのまま持ち帰ることは少なく、先生と一緒に逃がしてあげたと説明していた。

今朝はタニシを入れた虫かごを幼稚園に持って行くといってきかない。
ケースの側面にへばりついたタニシ、「何を食べるのかなあ、先生に聞いてみて?」と送り出した。が、味噌スープ(つまり味噌汁)にして食べられるって先生が言った~ というではないの。
夕飯の支度をする横に来て、アサリをつまんではひっくり返し眺めている。「これみて~!」と、きれいな貝殻模様が気になる様子のJessieだった。
何かを持って登園する子が他にいるのかどうか。

オーストラリアで通うプレップ・スクールでは、「Show and Tell」という時間があるのだという。
ジェシーに聞いてみた。「いつも月曜日だけにあるねん。みんなじゅんばんやねん」
「いつも何を持って行くの?」「おもちゃ」だそうだ。時には絵本とか。
おもちゃをクラスの友達の前で見せて、先生の助けを得ながら簡単な言葉が添えられるようだ。そんな体験の影響を受けたJessie特有の好奇心の示し方なのか。

何も思わず楽しそうに虫かごを抱えて行く。タニシの入った水でスカートの裾を濡らしながら…。

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 Jessieの日記

2011年06月13日 | JESSICAの日本滞在記
滋賀県草津市にある水生植物公園。ハスの花にはまだ早く、「ブランコがない!」「遊びたい~っ!」とぐずっていた子が「たのしかったなあ~」と…。いい一日となったようだ。

     
「カイみっけ~!」タニシの閉じた口を?こじ開けるようにして覗き「中に生き物がいる」と大騒ぎ。何度説明しても理解しがたい様子ながら、カイ探しに夢中だ。2年ほど前にここで見た大きなおたまじゃくし、3歳だったJessieの口から飛び出した“あたまじゃくし”は忘れられないネーミングとなってしまった。

車窓から見つけるひらがなの看板に目が行くこの頃、幼稚園の友達に手紙を書くことから始まって、ひらがなを書きたがる。つきっきりで、隣に座らされて書いて見せるのを見ながら、真似て行く。知っている文字については「ジェシ、知ってるもん!」
アルファベットの学習優先かと念頭にあるため、教えるというものでもなく問われるままに接することになる。

                 
日記を書くことになりました。大婆さまも筆を持ちますからみんなで書きもの、Jessieも「ベンキョーのときに使う」300円の筆箱を持ち出しました。

  たくさんかいをひろいました。たのしかった。
  びわこへいきました。
      13にち

和と笑いがあれば順調…、 生意気に腹立つこともあるけれど~。
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 京都発…

2011年06月12日 | 日々の暮らしの中で
                    

「京都水無月大賞」なるものがあった。
なんと今年で4回目とは、知らずに過ごしていたものだ。京都の書店員有志によるおススメの文庫の一冊というものらしい。
南伸坊著『笑う茶碗』、書評によれば「ついウフフ…とつられる、心あたたまる日々の暮らし」のエッセイだとか。

かつて本屋大賞のことで、出版社の宣伝効果によって良書の中でも売れる本と売れない本に格差が広がることを懸念されていた、自称“貧乏作家”氏のことを思い出す。全国の書店員が選んだ一番売りたい本、ともなれば出版社に興行的感覚もありそうだ…とあった。

過去の受賞作品、このおススメ本の選出基準はどこにあるのだろう。
あまりに多くの本が出版され続ける中で、紙上の書評からも手を伸ばすことは多い。
宣伝に乗るまいと思う気持ちもある。だが読んでみたら予想以上に楽しめたこともあった。

たとえ途中でつまらないと感じても、どうしてつまらないのかを知るために読み通せ、という言葉が聞こえてくる。
しっかり脳を働かせ全身の健康につながれば言うことなしか~。

                            (5日に蒔いたおじぎそうの種、9日に発芽です)
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 欲

2011年06月09日 | 日々の暮らしの中で
                    

全国から集まった寺院の子弟を対象とした講義中に、学生のお喋りがひどい。他人に迷惑をかけるお喋りは慎むよう厳重に注意したところ、3分の2が眠っていた…。
真に受けてよいものかどうかだが、今日受講した講座での導入だった。

今回の大震災後、復興会議の委員を務められる哲学者・梅原猛さんは86歳におなりだ。
「仙台生まれなので、故郷の惨状を思うとき、京都で安穏な生活を送っている自分に後ろめたさを感じる」「原発について、三十年前から… 厳しく反対してきた。私の警告は正しかったのである」と紙上で語られていた。
「日の玉となって原発の反対を訴えなかったことを後悔するのみである」ともあった。

これを悔やむがために、総理じきじきの電話に思わず委員を引き受けてしまっていたのだそうだ。自分の意見を発しようと東京まで日帰りで委員会に出席され、時には望んで岩手まで足を運ばれたとのこと。白川静さんの年齢を目標にされ、軽くいくかも…とお話だとか。
ご高齢を心配しながらも、「今、80歳代の方がお元気だ。生きようとする強い気持ちに励まされる」と語る講師。今回の講座テーマは、「葬儀の多様化と仏教」だった。Jessieのパワーに引きずられ、いつにない暮らしを繰り返しているわが身に、葬儀の話はやはりどこか上の空だったような…。

「もうこのへんでこの世の人生はお終いにしてもいいと世の中を捨てたら、ストレスがなくなった。ストレスがなくなったら逆に長生きしそうだ。ストレスとは凄いものだ」いつか読んだ北杜夫さんの話を思い出していた。

どのような欲であれ、意欲はやはり生きるエネルギー。人からいただく力にも大きなものがある…。
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 おじぎそう

2011年06月07日 | JESSICAの日本滞在記
                  
5日、オジギソウの種を蒔きました。

もうだいぶ長いこと日本から送り続けている “Jessieの「しまじろう」”は、付録も含めてお気に入りです。
トレイに鉢、ジョウロに熊手がそろって、土と種も入っていますから、テーブルの上での種まきも可能です。
土が水気を吸って膨らむのを10分ほど待って、種を蒔きます。
ところが、その種がどこへ行ったのか見当たりません。ゴミ箱の中から探し出してホッ! 誰がそんなところへ? それはもちろん~、ちょっとした手違いでした。

種まき記念日・お誕生日(芽が出た日)・ぺこり記念日(葉を指で触って初めてぺこりとお辞儀をした日)と3つあります。どこまでJessie自身で世話をできるか、芽ぐらい出して欲しいものですが、滞在中に優しいピンクの花を見ることはできません…。
花にも魂がある、のなら、♪早く芽ををだせ~ とうたう声を聞き届けてね~。


何をしているのかそっと近づいてみると、今はやりだとかのパズルでした。

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 心を凝らして一歩一歩

2011年06月06日 | 熊野古道(紀伊路・中辺路)を歩く
海沿いを南下してきた一行が潮に身をひたす最後の潮垢離を済ませたのが前回に寄った「出立の浜」だった。ここから中辺路・大辺路が分岐する。熊野本宮を目指し、山道を行く中辺路の入り口に当たる田辺は「口熊野」と呼ばれる。

熊楠の墓がある高山寺を出発し、秋津王子-須佐神社-万呂王子-三栖廃寺塔跡-三栖王子-八上王子-田中神社-稲葉根王子 と辿る9回目のコースも無事完歩することができた。

                 
   「あの(奥)右手の山に突き進めば本宮大社があります」       
   背中に牛馬童子の語り部さんの言葉に、そうか、いよいよか…と、ちょっぴり感動。

【日本人は縄文人と弥生人に分けて考えると理解しやすい。地域的にも縄文地域と弥生地域に分かれるのではないか。そして、熊野は近畿の中でももっとも縄文文化の面影をとどめる地域であり、中世の熊野崇拝も、人々のひそかな「縄文文化への復帰を願う日本人の潜在意識」ではないかと言われる。】
田辺聖子さんは、“熊野学”の第一人者として梅原猛氏(『日本の原郷 熊野』)をあげられ、その著書を通してこう語られている。

― のだけれど、だ。
神の子を祀った「九十九王子」が見守る地・熊野。クマノは神の坐すところ…。
9回歩き通して…どこまでそうしたことを体感しえただろうか。これから何か得られるものがあるのだろうか。何もなく終わるのか。何を求めて歩いているのだろうか…、様々なことが頭をよぎるようになってきている。「常世の国に迷い込んだような気分」か、さて、…。 


 
   須佐神社               三栖廃寺塔跡             三栖王子 
  
   八上神社              西行の歌碑              稲葉根王子
  
濃緑の山が待ちうけ、川も水田も輝き心地よい風が吹き渡る。鬱蒼とした山道に咲く小さく美しいつくりの白い花の群生…、急坂もべたつく汗も含めてすべてが私を喜ばせ気分よくさせてくれた一日だった。
神も仏がいるのだろう、か…。と、またまた…。

  
 
この先は写真どころではなくて
「心を凝らして泥を踏みしめていけば、路傍の花や虫の小さな世界も見える。
行き交う人と感情を共有することもできる。道は一歩一歩あるくものである」
この立松和平氏の言葉はあらゆる面での支えになっている。

車道脇に視野に入った水門には驚いた。今も閉められると言う。
富田川に架かった潜水橋(沈下橋)というものも始めて見た。一見簡素に見えた、欄干がなく水面からの高さも低い黒っぽい橋だった。

               
口熊野の終着地・稲葉根王子のそばを流れる富田川沿いにある水垢離場跡。熊野へ!の前に、ここで現世の不浄を清める神聖な川に身を浸したのだ。変化の多いコースに満足して、17371歩だった。

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 「くまのいくの?」

2011年06月03日 | 日々の暮らしの中で
忘れているどころか、いつも頭の片隅にある熊野ウォーキングのことだが、それを引き出すタイミングが失われたまま、9回目の明日を迎えることになった。

紀伊路を終えた。明日は、紀伊田辺の高山寺から稲葉根王子までの11.3キロのコースだ。
いよいよ熊野の山中を横断する古代からの道、中辺路を歩いて熊野本宮大社へと向かう。明日を入れてあと6回だ。

これまでは静かにじわじわと期待しがら当日を迎えてきたが、今回ばかりはポン!と異界にでも押し出されるようだ。
「くまのいくの?」「う~ん。遠いんよ、熊が出るんよ~」「いつ帰ってくるの?」「あした帰るよ~」今夜Jessieと…。

「どこまで行っても山と渓流が美しく輝き、… ひっそりとした村落には、人待ち顔にその垣根にあじさいや撫子が咲いていた」中辺路を歩かれた寂聴さんは書かれている。「王子社が山の中の道に数珠のように点在していて、深い森林はどこまでもひろがり、常世の国に迷い込んだような気分がした」と。
さらに、田辺は、若き日の菅野スガと荒畑寒村が出会い、恋に落ちた町だと言うことも知った。

寂聴さんが歩かれた頃とは様変わりもあろうが、こうした文章に接して、どうして惹かれないことがあるだろうか。何が待ち受け何が寄り添ってくれるだろう、やはり楽しみは尽きない…。


 Jessieとトンボとりに出て
  木の幹にいたのを捕まえました。
大丈夫です、虫かごに入っているので飛び出しません。少し気色悪いのですが、どんな虫なのでしょう…?


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