京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

いつまで…

2017年08月31日 | 日々の暮らしの中で

洗濯物を干しながら見上げた空の高さ。しばし見惚れるほどの雲の美しさでした。
じりじりと照り付ける日差しの強さにも、流れる風はひんやりと心地よい夕暮れ時です。そう言えば、セミの鳴き声がありません。

昨日、日帰りの予定で急遽Hall家へやってきたものの泊まっていくことになり、今日は帰るつもりでいて再度の延長です。結局、週末を京都で過ごしたいというJessieが学校から帰るのを待って一緒に京都へ、となりそうです。

Tylerは8月16日から1行日記をつけ始めました。一文字ずつ母親に教わりながら書き上げるところからスタートです。それは毎晩変わらないながらも、文字の形が徐々に整い始め(少しはサマになり)、「じょうずやなあ~!」「この字はすごいきれいに書けたね~!」などと褒め褒めシャワーを浴びて、「日記をつけたい」という言葉が自分から出ます。これは、母親に手伝ってもらうための催促なんですけど。

       
伝い歩きが始まりましたLukasのたくましい脚です。

呼び出されては微力ながらも力添えの日々。うーん、ちょっとお暇もいただきたい…。









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目に見えない心

2017年08月23日 | 日々の暮らしの中で

思うように筆が進まず、体の揺れが大きくなるばかりでいるところに、不動産でのもめ事を抱えた女性が話を聞いてほしいと訪ねて来られた。先方が支払いを渋っているのだとかで、どうにかして取り立てたい、と。
私のようなところにきて、暇が有り余っているのでしょうか。怒りと。一方的に、攻撃的なお喋りが続きます。

「人は無意識のうちに聞きたいと思う言葉をからめとって聞いているのだ」と、ある禅僧のお話にありました。自分に必要がなければ馬耳東風、聞き流している経験は私にもよくあります。
いらいらしてくるのは、話の内容になのか、「今、刻々過行く時間」になのか。このいらいらは、自分を映し出しているものかもしれません…。

         

「オイオース オイオース」と鳴き終わると、「カナカナカナカナ」と涼し気なひと声が添えられる。足元ではジーッ ジーッと鳴く秋の虫。いずれも姿は見えねど、夏の終わりを告げる夕暮れの公園を歩いて、たっぷり汗を流した。良い言葉を聞き、美しい声や音を聞くことに喜びを見出すのは「耳果報」というようです。
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夏休みも終わる

2017年08月21日 | 日々の暮らしの中で

シリーズものなのか、読み終えた作品のその先を購入したくて書店に立ち寄った。「ありますよ~」という店員さんの声が聞こえてきていたが、あるのはすべて読み終えているらしく、新刊はまだ発売されてないという話だった。しばらく一人で店内を見歩き、やがて3冊を抱えて母親のところにやってきた。「これ買って」と。けれど、「1冊にしたら? 読んだら次を買おうよ」という母親の反応だったため、孫娘の気分もいっきにへこまされた。口をとがらせて不満そう…。私が1冊買ってあげようかという思いにもなったが、“次”、読んだら買う楽しみも捨てがたい。素知らぬ顔で二人のやり取りを聞いていた。

このあとは私がTylerが見たがっていた映画「宇宙戦隊キューレンジャー・仮面ライダーエグゼイド」にお付き合い。
爆音のような効果音でもうとうとしてしまっていると、隣席からツンツンと腕をつつかれて目を覚ます。笑いながらこちらを見るTylerの目は輝いている。エンディングの音楽に合わせて口ずさみながら、「あ~、おもしろかった!」。
姉のJessieと母親は先に帰宅したが、疲れたという母親に変わって孫娘がキッチンで包丁を手にしていた。


母親の意向でTylerはひらがなの練習を始め、〈ひとこと日記〉をつけ始めた。
「タンくん、映画の中で言ってたじゃない。『未来に希望を持てば、運命は変えられるのだ』って。」果たして的を射ているのかどうか、記憶に残った映画での台詞を引用して気楽にエールを送る私。うーん、これからこれから。

20日、孫たちと過ごした夏休みは終わりました。
山のような洗濯物が気持ちよく乾きました。明日からは私事で頑張らなくっちゃ…。
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比べようのないいのち

2017年08月15日 | 催しごと

先日、恒例の「下鴨納涼古本まつり」(8/11~8/16)が開催中の下鴨神社糺の森を訪れて2時間余りを見て回った。フリー。久しぶりに一人っきりで歓を尽くした。
4人ほどの共著だったがあいにく書名を思い出せないでいる。近代詩から現代詩へ、荒川洋二さんが解説されている部分を開いた時に目に留まった千家元麿の詩。
        
        「秘密」   千家元麿
    子供は眠る時
    裸になった嬉しさに
    籠を飛び出した小鳥が
    魔法の箱を飛び出した王子のやうに
    家の中を非常な勢ひでかけ廻る
    襖でも壁でも何にでも
    頭でも手でも尻でもぶつけて
    冷たい空気にぢかに触れた嬉しさに駆け回る

    母が小さな寝間着をもって後ろから追ひかける。
    裸になると子供は妖精のやうに痩せてゐる
    追ひ詰められて壁の隅に息が絶えたやうにひつついてゐる
    まるで小さく、うしろ向きで。
    母は秘密を見せない様に
    子供をつかまへるとすばやく着物で包んでしまふ。

家に帰ってから、この詩を調べ直してみた。
一人に一つ、誰もが授かりもつ尊いいのち。小さな美しいいのちは、やがてどのような花を咲かせることだろう。子供に(孫に)いろいろな夢をみたり希望を託したりしながら、慈しみ育てていきたいもの。この詩を読み返しながら、5年ほど前に「パドマの願い」として教えられた言葉を思い出している。
【原石のごとく、比べようのない輝きを有すあらゆるいのち。それらのいのちは相互に照らしあって、自己を知り、より深い輝きを放つ。】

ハイハイし出した弟のぷりっぷりのおしりを撫でようと、「かわいいなあ、るーちー(Lukas)」と追う5歳の兄。姉のJessieは、かつてオーストラリアから日本にやってきた折には京都で短期で幼稚園や小学校に通わせていただいてきた。そこで親しくなった友達と映画やショッピングにと夏を楽しんでいる。もう数日、Hall家の京都での夏休みは続きそう…。
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平和への思い

2017年08月09日 | 日々の暮らしの中で
出羽三山を巡り、すぐそのあと大坂の娘宅へと向かった。長い夏休みを戴いたような気分だが、さて実際はお盆を控えて気ぜわしく、一日中立ち働かなくては追いつかない。そんなときに、今度は娘が友人と会う約束で、明日は子連れでやってくる。上の二人を預かることになった。

スーパーで、大きな蓮の葉が売られていた。当然、値段が付いているのだろう。(ハウ マッチ? ・・だったかしら)。盂蘭盆の魂棚に供えるらしいが、宗派の違いもあって、その様をこれまで見たことはない。


     八月は千万の死のたましずめ夾竹桃重し満開の花   山田あき

敗戦の夏、大庭みな子さんは広島市から20キロ余り東にある西条という町にいて、14歳だった。県下の女学生たちは原爆後の救援に動員され、太田川のほとりにあって、ともかく形骸をとどめた小学校に収容されていた引き取り手のない300人余りの原爆の患者たちの世話をするのが仕事だった。雑炊を炊き、配った…。『地獄の配膳』『その小径』に記される。
そして、映画「この世界の片隅に」を思い出している。
今日は長崎原爆72年目の日だった。長崎市長は「被爆者が積み重ねた努力が形となった」と核兵器禁止条約を評価。そして、条約への参加を国に迫ったが、私も同じ思いを抱く。

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それぞれに親元を離れて

2017年08月05日 | HALL家の話
8月4日、孫のJessieとTylerはそれぞれに“一人旅”に出ました。
姉の方は、幼馴染みでもありオーストラリアで同じ日本語補習校に通っていた仲良しが神奈川県に戻って暮らしており、彼女を訪ねて一人新幹線で向かいました。大坂土産を手に、新大阪駅から8時過ぎの列車に乗り込むまで私が見送ることになりました。

 

出羽三山を巡るツアーを終えた晩は東京の息子宅で厄介になって家に戻ったところ、Jessieから「早く来て!」というおよびが…。父親がちょうど家を留守にしており、母親は少々夏バテでこの暑さに悪寒がするという始末。幸い旅の疲れもなく、今度は西を向いて8月1日からHall家にやってきています。

Tylerは3泊4日のフットボール合宿に参加を決めました。3日も4日も親元を、マミちゃん(母親)から離れる不安?もあれば合宿や団体生活のイメージもわかないのでしょう。決めかねていた様子でしたが、変われば変わるもので、「行くよ!」と俄然前向きに。
母親はLukasも連れて、集合場所の伊丹空港へ。 

年中組から中学生までの子供たちと日替わりも含めた保護者の参加もあって、総勢200人を超える大所帯でのクラブ合宿。充実したコーチ陣、組織化された保護者のバックアップ体制で、お任せして預ければいいような安心感があります。友人宅へのお泊りなどとは違う団体生活で長期の外泊。この先どんな変化を彼にもたらすことか。


合宿先の兵庫県鉢伏高原からリアルタイムで写真や動画、コメントがラインで送られて来るのを脇からのぞかせてもらっています。家ではのんびりと食事をする子が、鮭の塩焼き付き朝食を残さず食べたでしょうか。「みんなに合わせて食べるやろ」とは母親です。「只今、午後からの試合に備えて練習中、だとか。「年長組」対「小学校1年生」をやけに楽しみにしていたTylerでした。
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出羽三山をめぐる-2羽黒山、月山

2017年08月04日 | こんなところ訪ねて
7月30日、ツアー2日目。酒田のホテルから羽黒山五重塔参拝のために50分もかけて向かった。
雲を戴き、長く裾野をひいた鳥海山の秀麗な姿。もちろん初めて目にする山で、白くぽつぽつと残雪が光る。左裾が象潟だとか。「庄内平野は百万石の米どころ」、青田の広がりがは本当にみごとだ。

随神門をくぐり(ここから始まる表参道は、2446段の石段)、継子坂を下って、須賀の滝を右手に見て、神橋を渡ると左手に樹齢1000年の爺杉。ここを過ぎてすぐ、一の坂入口に五重塔が建つ。「ここから先には絶対に行かないで」と言い渡されて、この間300m、歩いてわずか10分。



久木綾子さんが描いた『羽黒山五重塔仄聞』の、お気に入りの描写があれこれ浮かんでくる。ここか! ようやく来たなあ~、とひそかに感動!!
継子坂は一歩ずつを大事に踏みしめて、はやる気持ちを抑えながら五重塔に近づくことを楽しんだ。この神聖な空気感、霊気は、熊野古道を歩いていて感じたものと重なってくる。
自分もたくさんの観光客の一人ではあるが、その波が引くのを待って、〈浄海坊たち山伏や宮大工たちが雪解けの冷たい水に足をひたし、塔を荘厳するという心意気で臨んで造られた溝〉を、塔の周囲に確かめて歩いた。夏草が茂っていた。参道の脇に合流すると、あとは祓川へ、ちょろちょろと小さな流れの音が耳に入る。


樹齢300年から500年、およそ600本の羽黒山杉並木の中に、静かなエネルギーに満ち、力強く佇む姿は心惹かれる。もう一度ここを訪れてみたい、と短すぎる見学時間に心残りもあった。ツアーだから仕方がない面はあるのだけど。
山頂までは1700m、徒歩60分の行程になるようだが、戻って、有料道路をバスで羽黒山山頂にある三神合祭殿へ。日本最大の茅葺建物だそうだ。鏡池の前から見る合祭殿のケバケバシサというか立派さというべきなのか…。圧倒された。

月山では一気に八合目までバスで上がってしまって、弥陀ヶ原湿原を散策?、山ふところ深く入ることもなく、眺望を楽しむだけで終わってしまった。“月山”にやってきたという感慨はどこへやら、だったのが大いに残念。

ようやく、ようやくつかんだこの機会でした。3月末には、ほんのちょとのためらいで機を逃し、けれど、それがあってつかんだ今回の出羽三山巡りです。タイミングも大事ながら、決断への勇気、思い切りでつかめた結果だったと思われます。念願をかなえた、そんな二日間でした。
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出羽三山をめぐる-1湯殿山と黒川能

2017年08月04日 | こんなところ訪ねて
7月29日、30日と、【出羽三山 羽黒山・湯殿山・月山をめぐり、櫛引町では国指定重要文化財「黒川能」鑑賞】を含んだ一泊二日のツアーを利用して楽しんできました。
東京駅発やまびこ129号に乗車、福島駅目指して出発。宇都宮あたりから降り出した雨は、バス移動になった福島駅から先、東北自動車道もずっと小雨ながら雨模様。まあ、このくらいなら、と思って外を眺めていたが、山形自動車道に入り、「笹谷トンネルを越えると天気も変わります」とガイドさんの言われる通りで、一変、空は明るく日差しも差してきた。

ただ、湯殿山(標高1504m)ではカッパが必要だった。気温24度。大鳥居の建つ仙人沢駐車場(1100m)から先はシャトルバスを利用して中腹にある湯殿山神社へ。
修験道には湯殿山での“ミイラ”修行と羽黒山での山伏修行とがあり、21体あるミイラの内8体が日本にあり、そのうち6体が庄内にあり、ミイラ修行日本一だそうな。月山に連なる湯殿山は山伏が即身成仏する場所とされていた、と。
裸足になって入り口でお祓いを受けて中へ。熱めだったが、湯が流れる茶褐色の巨岩は「語るなかれ、聞くなかれ」の、撮影禁止のご神体。



重要無形文化財の黒川能を鑑賞。春日神社の神事芸能として、今は約240戸の春日神社の氏子が上座と下座に分かれ、能座を形成しているのだそうで、能役者は舞方、囃子方、狂言方含め、子供から長老まで約150人、能面250点、能装束500点以上、演目数は能540番、狂言50番というから驚きだ。500年以上の伝統を守り継いでいることが素晴らしいことと、文化の土壌を思った。



野外で演じられる「水焰の能」、34回目の開催日だった。良いものを見せていただいた。
ぐるりが見事な夕焼けに染まり、月と宵の明星も舞台を鑑賞する夜空は雄大で、生き物のような美しさだった。〈「私」が月山で見た「地獄のように見える夕焼け」〉(『月山』)のようには感じ得ないものだったが、自然もまた生きている、といった印象は強いものだった。
ここはかつての大横綱柏戸関の出身地だとか、野外ステージを見つめるように像が建っている。能・狂言を最後まで鑑賞し、鶴岡から酒田まで移動して1泊。
そう言えば、「あの金峰山のふもとは藤沢周平の出身地です」の案内があった。「あの」はよくわからなかったが、地吹雪で防雪柵が壁のようになるすごい所だ、と。その柵自体、初めて目にするものだった。

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