京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

心の持ち方ひとつ

2018年07月30日 | 日々の暮らしの中で

東本願寺の阿弥陀堂の南縁に腰を下ろした。吹き渡る、ちょっと強めだが、「ああ、ごくらく~」と口にしたくなるような風を受け、ただぼんやり座っていた。極楽浄土はどこにあるのかと尋ねられた一休宗純が、「極楽は西にあらず東にも。北(来た)道さがせ、南(皆身)にぞある」と応えたという話がある。「極楽」は、我が身の内にある、と。
高野山行きの前にちょっとお参り。そして、フットボールの合宿に参加する孫のガンバリにも手を合わせた。


この真っ白な槿(ムクゲ)は五弁の花が八坂神社の神紋に似ているらしく、「祇園守」と呼ばれてきたという。「槿花一朝の夢」。朝開き夕べにしぼむを繰り返し、一つの花の寿命は3日ほどか。まじり気や濁りのない清浄な姿をひろげてみせる。 心の濁りや曇りを払いとるのが一番よ、って花の言葉が聞こえてきそう。
壺に生ける一輪。いかに涼感を誘うかに工夫を凝らし、暮らしていく。




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孫からの「食事術」

2018年07月28日 | こんな本も読んでみた
先日はホールFamilyに誕生日を祝ってもらい、予定より一日多く滞在して帰宅した。
主役が出向くというのもねえ、などと思いながらも誘いを受けてありがたく向かった。小さな子もいることだし、移動するには少ない人数のほうがいいに決まっているか。それに何やら準備してくれていて、「ここは入室禁止」とTylerからのお達しまで。
欲しかったバッグのプレゼントを喜んでいると、孫娘が「これは、うちから」と手渡してくれたものがある。紀伊国屋書店の包装紙の中から出てきた一冊には、更に書店のカバーがしてあり、それは『医者が教える食事術 最強の教科書』だった。



 【病気や不調の原因の9割以上はは血糖値の問題である。「バランスのいい食事を」と指導されても、いったい何をもってバランスのいい食事なのか理解できていない。「いいつもり」が、「太る→老ける→病む」の流れを作ってしまっている。俗説、自己流健康法にダマされない。年をとるほどに代謝は下がる。中年以降は体に何を入れるのか、食事をどうマネジメントしていくかに意識的でなければならない。……。】

もう老化も始まった人間に「長生きの10大ルール」を示されてもどんなものかしら。こうした類の本を読んだことがない。さらっとながめてみたが、
まずは孫たちにこそ、ドーナツ、スナック菓子も含め「ポテトチップスは悪魔の食べ物 悪性の全てを兼ね備えた最悪の食品」だってよ、とよく言って聞かせなくては。「口にするのは避けましょう」。

孫娘の気持ちを受け止めて、第4章「老けない食事術 若さとしなやかさを取り戻す食べ方」、第5章「病気にならない食事術」当りから読んでみようと思っている。

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夏空に思う

2018年07月25日 | 日々の暮らしの中で

続く毎日の暑さで、どこに行くにも車での外出が増えてしまっている。
運転しながら、「ああ、こんな空の下をよく走ったなあ」としみじみとした思いが湧き上がったりする。

小学校4年生から9年間サッカーに取り組んできた息子を乗せて、試合会場まで、あるいは遠征の集合場所へ送った日々が思い出される。
次第に口数も少なくなり、なんて不愛想なと思わずにはいられないトシゴロを迎えて、それでも幸い息子と私だけに共有する時間があった。
彼がサッカーを始める頃から私は仕事に出だし、中学・高校生の頃には夏休みも塾の講師として夏期講習でほとんど家を空けていた。
私が不在なら父親に頼むという流れになるが、限定される期間を除けば、あまり行きたがらない父親の変わりに母親の出番に恵まれた。来る日も来る日も夏空の下を走っていたことになる。

そもそもこの仕事を始める動機は、じっと家にいたくないとう不純?なものだった。とにかく外に出たかった。ただし、子供達は「おかえり」と迎えたい。そこで過去の経験を活かしてできることを選択したのだった。およそ10年間仕事を続け、我が家の子供たちとほぼ同年代の多くの子供との出会いを得た。学区の枠を超えて、地元以外の教え子が大半だったため、息子にはこの中からやがて高校進学時に先輩だったり同年で出会う顔があった。

そして、夏空に思う。
こんな暑い中わたしは生まれたのだった。
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「他界への通路」

2018年07月23日 | 日々の暮らしの中で

   念力のゆるめば死ぬる大暑かな  村上鬼城

「逃げ場なきこと空気にも」と詠まれた油照り。京都はこの先いよいよ本格的な油照りの夏を迎える。

ガクから突き出すように奇妙な花の付き方をしているクサギの花。その花の中からやたら長く伸びたシベの異様さ。
シベをたどって奥へ、奥へと入り込む、という逃げ場はあるのか…。
前登志夫は「花は他界への通路」と口にされていたのだろう。大阪在住の歌人による師への挽歌を詠んだことがある。
「花はみな他界への通路と言ひましし師の肉声をとはに失ふ」

朝顔の花が咲かない今年、どことなく物足りずに寂しい夏だ。
やわらかく青い花びらを広げた最初の一輪。その真っ白な花芯の奥から、亡き弟が「ねえさん!」と呼びかけてくれそうだったのを思い出す。



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庭を猿が・・

2018年07月20日 | HALL家の話
「今、庭を猿が通った」

朝8時5分前、娘からのメールを受信しました。
電話もかけてきていたのでしたが、あいにくほんのちょっと外に出た時で気付かずにいました。

住宅街です。セミの鳴き声も遠いなあと寂しくさえあるのに、いったいどこから。
むろん山も森も見えません。少し歩けば千里川が流れていますが、猿の棲み処となるような場所は思い当りません。

小さなプールを出しての男二人の楽しみが奪われては大変です。
「警察に言ったら?」なんて言葉も含めて返しておいたのですが、どうすりゃあいいのでしょう、こんなとき。

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3年ぶりに

2018年07月19日 | 日々の暮らしの中で

厳しい暑さの中で地表すれすれ持ちこたえてはいますが、あごを出す寸前!?
午後5時になろうというのに36度の電光表示を見かけた。

8月3、4、5日と第94回高野山夏季大学に参加を予定している。6月半ばには受講票を受け取った。
往復は新大阪発着の直行バスを利用するが、今日その詳細な案内書が旅行会社から届き、これで全てがそろった。

この2年間は、一昨年は娘家族が日本にやってきたことで見合わせ、昨年は羽黒山五重塔をひと目!と方向転換したのだった。今年は行こう、そう思っていたので募集要項を見て、なによりも講師陣に期待感を持ち、すぐに申し込むことにした。ほんのちょっとのためらいが機を逃すことになる。

ただ、今がこの暑さ。よほどの体調管理で当日を向かえなくてはならない。
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一事に専念…も

2018年07月18日 | 日々の暮らしの中で

暑気が体内にまで入りこんでくるようだ。とうとう39度を超えたと聞いて、いっそうの蒸し暑さが立ち上がる。
小僧さんに負けじと一事に専念。汗は滴り落ち、服はぐしょぐしょだが、しっかり汗をかいたというところ止まり。所詮は適度にをモットーにする人間のすることかも。被災地では多くの人たちが汗を流していること、忘れまい。

『おにのさうし』(夢枕獏)では、菅原道真、三善清行、紀長谷雄という同時代の三人の文人を取り上げ、それぞれの文章、言葉、情や感性まで論じている。菅原文時(道真の孫)による道真と長谷雄の文章の比較もなかなかなもの。
さらに、「身は朝廷に仕え、魂は冥途に通ぜり」と語られる文人、漢詩人の小野篁の物語。月明かりの夜、朱雀大路と五条大路の交わる辻の真ん中に立つ篁と、百鬼夜行。無数の鬼たち、赤やら、青やら、黄色のもの。先頭は法師姿の大男。と、盛り上がる。どれも興味深く読んだ。もう少し涼しくなればよかったのだけれど…?

「日本の妖怪画の起源と発展を探る」と言った演題で国際日本文化研究センター所長のお話もある。
京都府福知山市にある大江山の酒呑童子伝説など知られているが、遠い遠い昔に『鬼の伝説』(馬場あきこ著)のページを繰ったことがあったのを思い出した。

午後7時の西空に三日月を見上げた。
 



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「おにのさうし」

2018年07月12日 | こんな本も読んでみた
『奇想天外』誌に『カエルの死』を書いてデビュー。日本SF大賞、柴田錬三郎賞、泉鏡花賞、船橋聖一賞、吉川英治賞等々、数々の賞を受賞されてこられた夢枕獏氏。8月にお話を聞く機会を得たのに一冊も読んだことがないというのはどんなものだろうか。 

覗いた書店では、「陰陽師」のシリーズがほとんどだったが、それらを除いて、手に取ってページを繰ったのが『おにのさうし』だった。染殿、藤原良房、藤原明子、物の怪…などとある。それに、、
「歳月のたつことの、なんと疾いことでございましょうか。」
仮名文字の多い、やわらかな入りにすっと誘われて購入を決めた。
染殿のお后さまの肌は滑らかに磨かれ、赤い唇は天上の甘露を含んでいるように、ほんのりとした笑みを浮かべてらっしゃる、と。この后が鬼に? どうなるんでしょう…。

SF、ファンタジー、奇想天外なものは苦手で、読書の対象ではないままにきた。『精霊の守り人』でさえ中途で投げ出してしまった。今回は、身近な舞台に、読み切れるだろうという予感がある。さっそく「染殿の后 鬼のため 嬈乱(じょうらん)せらるる物語」から。

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胸中は…

2018年07月12日 | HALL家の話
お世話になった友人のお母さんに付き添われ、今朝予定通りの時刻にオーストラリアをあとにした孫娘。
成田到着が午後5時55分。乗り継ぐことなく、今夜は息子のところで一泊し、明日新幹線で大阪へ。
都心から成田まではそれなりに時間もかかる。仕事もある平日の午後に、姉の頼みとは言え、姪っ子のために快く受けてくれてありがたいこと。

叔父さんにお土産を忘れてはいないでしょうね。
昨夜、スーツケースがやたら重たいと心配するメールがあったとか。なら、中身はおおかたお土産品に違いない…。
無事な帰国が今は待たれるところです。


                           朝日に、柔らかさがともって…
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活字でまなこを洗う

2018年07月10日 | 日々の暮らしの中で

新聞の広告で見かけた「この感情は何だろう 新潮文庫の100冊」。

夏だから、
〈約束の海で砂の女とはしゃいでみるのはどうだろう。〉から始まって、〈神様のボートで夜のピクニックをしたり、老人と海をながめたり。月の上の観覧車で「さよなら」が知ってるたくさんのことをかみしめるのも。遠くの声に耳を澄ませて、あの懐かしい夏の庭へ出かけるのもいいかもしれない。あるいは金閣寺から羅生門へ、シャボン玉を飛ばしてみる。楽園のカンヴァスで「弱くても勝てます」と叫んでみる。吾輩も猫である、とくつろいでみる〉と続き、〈こころを込めてこの思いを、きみの夏にツナグ。〉で終わる。
きみのことを思ったら、この100冊になりました。

文庫本100冊の表題がこの文章の中に含まれているのだろう。文脈など辿っていたら頭がややこしくなり、したがってタイトルらしき文言を追った。こんなタイトルの本があるのかも、と推測するだけのものは除外し、書店でか紙上でか、どこかで記憶に留めたものは含め、知っているとしたのは40冊だった。読んだ作品に限ればさらにぐんと少ない。この夏、読む一冊があるだろうか。きっと読まない。読み直さない。

友人たちと直木賞受賞作品をそれぞれに出し合って、「夏休み」の課題図書としてきた時期があった。時間を作り出して読むわけなので、分量や好みを探りつしての「忖度」はあるが、これならと思うところで自分の好みも加え推奨しあったようだ。読み切れず秋に持ち越したこともある。自分では選ばない作品に出会える機会になるのが面白かった。

【本を愛する者は、おしなべて若さがみなぎり、輝いている事実を知った。女性は美人ばかりである。眼に張りがあるせいである。活字で洗われたまなこには、一点の曇りも無い。男性は、賤しさがない。どちらも、言葉遣いが垢抜けている。語彙が豊かである。】
と半世紀余り古本屋稼業を営み、本に囲まれて暮らす人を数多く見てきた出久根達郎氏が著書で語っている(『本と暮らせば』)。
「いいことづくめ」に、あやかりたいもの。まだ時間はありそうだし…。

夢枕獏さんの作品を読んだことありますか? 
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陽がさして

2018年07月08日 | 日々の暮らしの中で
記録的な大雨によって河川の氾濫や土砂崩れが相次いだ。今朝になっても新たな被害状況が伝えられている。
大地を潤すやさしい雨。生命をはぐくむ雨。汚れを清めてもくれる雨。そして、大変な破壊力を秘める雨。自然の力の厳しさ、破壊の力を思い知らされている。被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

歩いていると陽が差してきました。嬉しいことです。白い月が残って、青い空が見えます。
朝の陽を受けてもまだおねむ。



まだまだ激しい流れの中に、上半身裸で腰まで浸かってる人がいて驚きました。じっとしています。橋桁の下に、服を着てもう二人いるのに気付きました。突然上がった大きな笑い声から若者らしい。バランスを崩したら? バカなことをしてるんじゃありませんよ!! 声を大にして伝えたかったが、嫌な気分のまま見過ごしました…。



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「そばにおいでよ 話をしよう」

2018年07月07日 | こんなところ訪ねて
       「おなじ話」 ハンバートハンバート

   どこにいるの?   窓のそばにいるよ
   何をしているの?  何もしてないよ
   そばにおいでよ   今行くから待って
   話をしよう     いいよ、まず君から

   どこにいるの?   君のそばにいるよ
   何を見ているの?  君のこと見てるよ
   どこへ行くの    どこへも行かないよ ずっとそばにいるよ

   それから僕も君をみつめ
   それからいつも同じ話

   …… (後略)……

カーラジオでエフエム京都(α-STATION)をかけていたら、流れてきたのが「おなじ話」だった。シンプルな歌詞、繰り返されるメロディが心に入り、知らず口ずさんでいた。そうか、今日は七夕…、と思いだしていた。

6月の上旬だったが、(在原)業平寺とも言われる小塩山 十輪寺を訪ねた。


在原業平朝臣は晩年この寺に閑居され、塩釜を築き、難波の海水を運んで塩焼く風情を楽しまれたという。寺の裏山を登っていくと正面にくぼ地が目に入る。


地形は原形のままで、ここに故事にちなんで数十年前に塩竃を復元したとのこと。


想い人だった二条后(藤原高子)が大原野神社に参詣されるとき、業平はここで紫の煙を立ち上らせて、想いを託したと伝えられている。
なんと粋(すい)なことを!? 


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気の衰え

2018年07月04日 | 日々の暮らしの中で
どこのチャンネルを回しても健康に関する番組は多く、長寿大国になるんだから当然かと思うが、つまらないからほとんど見ることはない。何も知らずにいて老化の道をただただ転がり落ちるなんてことではまずいと思うが、ちゃんと言ってきてくれる人はいるものだ。暑さしのぎなのか、昨日は知人が「4時ごろから歩くのがいいんやて」と仕入れた情報をぶら下げてやってきた。昨日は暑かったし、今日は雨が降ったりやんだりで、さっぱり一歩は出ない。
今日はおまけに動くのが億劫だった。気の衰えだ。ただ、動かずともできることはあった。読書。読書の気力はあった(ただし、楽な格好で…)。

疲れたら正直に「ああ、へばった」と言って手を抜くことは、生きるためにはとても大切なこと、疲れるのは健全な証拠だと内田樹氏が言われていた。「ああ、なんとなく不調だ」と言い訳しながら、なんともだらしなく一日を過ごした。「励めよ」と、幼子を見て自らに言い聞かせよう、か。


                                  トレーニングに励むるーちいクン
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やきもきさせられて

2018年07月02日 | HALL家の話
6月30日、孫娘Jessieが乗った14時10分の飛行機が飛び立つのを伊丹空港で見送りました。
成田で乗り継ぎます。ところが、気象条件が悪くてオーストラリアからの到着便が大幅に遅れたことで、搭乗予定の便が果たしてその日のうちに出発できるのか、その心配が生じました。しっかりした情報が得られないまま、ひたすら待ち続けることに。結局19時55分の予定は3時間近く遅れ、22時40分をまわってやっと「出発しました」の連絡が息子からが入りました。大いにやきもきさせられた旅立ちでしたが、無事オーストラリアに到着。

親友のお母さんの出迎えを受け、ほんとうに一安心。彼女の家に友達が集まってパーティだったようです。



Tyerがお地蔵さんの前で手を合わせていました。「無事に到着しますように」とお願いしたのだそうな。「いればケンカするけど、いないのは寂しい」と言います。

翌7月1日はTylerが所属するフットボールクラブの試合で、バス遠征です。暑いさなかLukasを置いて行きたいからと子守の依頼を受けていて、二人でお留守番。朝から焼けつくような日差しに高温注意報が発令。
こんな週末を過ごして帰宅。モード切替が必要です…。



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