地平線のかなたに帆の先端だけを見せていた船が、徐々にその姿を現し、大きくなって近づいてくる。
「この地上が丸いからだよ」
『帆神』(玉岡かおる)の主人公・松右衛門と同郷の幼馴染み惣五郎が言った。10歳あまりの子が、禁制の地動説を試行していたのだ。
姫路藩高砂の村の神童は、やがて大阪の中之島にある升屋に奉公した。各藩を相手に年貢米を担保に取って銭金を貸す金融業を営む升屋に入り、17歳で升屋別家の家督を継いだ。
それでもこの先、「俺には夢があるんや。天文や」。
彼は番頭奉公を済ませると学問に没頭し、後年、山片蟠桃(やまがたばんとう)の名で『夢の代(しろ)』を著す。
惣五郎・「山片蟠桃」に関してはこんなことが描かれていた。

今日の朝刊に「江戸文化は国際的ハイブリッド」という見出しで記事があった。
〈山片蟠桃賞受賞…〉とあるではないの。見たことあった文字の並び。記憶はあの惣五郎とつながる。
海外の日本研究が対象の山片蟠桃賞(大阪府主催)が、『阿蘭陀が通る 人間交流の江戸美術史』などを執筆された英国出身のダイモン・スクリーチ国際日本文化センター教授に贈られたことを伝えていた。
鎖国時代にも、中国、朝鮮、琉球の人、西洋人も、来ている。「江戸文化は国際的な異種混交」。
長くその功績を、名を顕彰されている人物なのだと知った、ということだけなのだが…。
教授は、「還暦の年で何か違うことをやれたらいいなと思った」そうだ。
〈夏の終わりにリセット〉なんてテレビからの声に乗ってるくらいが私だけどなあ…。
「この地上が丸いからだよ」
『帆神』(玉岡かおる)の主人公・松右衛門と同郷の幼馴染み惣五郎が言った。10歳あまりの子が、禁制の地動説を試行していたのだ。
姫路藩高砂の村の神童は、やがて大阪の中之島にある升屋に奉公した。各藩を相手に年貢米を担保に取って銭金を貸す金融業を営む升屋に入り、17歳で升屋別家の家督を継いだ。
それでもこの先、「俺には夢があるんや。天文や」。
彼は番頭奉公を済ませると学問に没頭し、後年、山片蟠桃(やまがたばんとう)の名で『夢の代(しろ)』を著す。
惣五郎・「山片蟠桃」に関してはこんなことが描かれていた。

今日の朝刊に「江戸文化は国際的ハイブリッド」という見出しで記事があった。
〈山片蟠桃賞受賞…〉とあるではないの。見たことあった文字の並び。記憶はあの惣五郎とつながる。
海外の日本研究が対象の山片蟠桃賞(大阪府主催)が、『阿蘭陀が通る 人間交流の江戸美術史』などを執筆された英国出身のダイモン・スクリーチ国際日本文化センター教授に贈られたことを伝えていた。
鎖国時代にも、中国、朝鮮、琉球の人、西洋人も、来ている。「江戸文化は国際的な異種混交」。
長くその功績を、名を顕彰されている人物なのだと知った、ということだけなのだが…。
教授は、「還暦の年で何か違うことをやれたらいいなと思った」そうだ。
〈夏の終わりにリセット〉なんてテレビからの声に乗ってるくらいが私だけどなあ…。