![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/87/7b6e45f0886e0f97eeca739deb0f71b4.jpg)
車で出れば通る道はほぼ決まってしまうが、小回りの利く自転車でなら好き勝手に道を選びながら、目的地までたどり着ける楽しさがある。マイカーの一時停車は随時可能だ。筋すじで異なる表情に触れ、かぶらのむっとしたにおいがこもる畑沿いに出ると、すぐき菜の収穫に追われる家族総出の姿があった。小学生の息子さん二人も混じった畑仕事だ。
踏み過ぐ一渓(いっけい)紅錦(こうきん)の雲
東福寺の通天橋から見下ろす紅葉は紅の錦の雲がたなびくようだと詠む頼山陽。
山林のもみぢにあそべ鹿の苑(その)
鏡湖池に臨む金閣の背後に広がる境内の樹木、さらには天神丘や左大文字の山林と紅葉も
多く、風景の素晴らしい鹿苑寺が詠まれている。
柿主やこずえはちかきあらし山
向井去来の閑居地・落柿舎だ。嵐山も色づいてきたと聞く。
「我はけふ三年坂につまづきて… 」、決して私事ではない。狂歌だという一首。石段と石畳の道の観光名所三年坂は産寧坂と記されるが、清水寺に向かう途中でつまづいたか。舞台から眺める紅葉は…。
どこと言って出かけてもいないこの時季、坂井輝久氏の『句巡り』を案内に名所を訪ね歩いていた。が、机の上だけではやはりもったいない。今週末には見頃を迎えるという。師走の紅葉、寒さ対策でころっころになっても転ぶことなどないように気をつけて、楽しまなくちゃ。