京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

年の暮れ…

2008年12月30日 | 日々の暮らしの中で
いつも親しく会い、おしゃべりしたり会食したりで時間を共有できる友人。
ボランティアの活動を通じ、自らを省みることにもなり、啓発されることも多い仲間との時間。寺という生活基盤から生じるお付き合い。

様々な出会いがある中で、違う場所で、異なる日常を生きる方々との「出会い」に恵まれた今年度であった。
心を澄ますことで、聞こえる言葉。時に、自分の価値観を揺り動かすことにつながった。ある時には、微妙な異なりさえ感じ、そして、その違いを楽しもうと思えるようになっている。

「隣の車が大きく見えま~~す」「大きいことは良いことだ」
大きい、高価格だ、有名だ…「見える価値」観が支配してきた。いくつかの悲劇も招いた。が、今、やはり精神的な満足、「心の価値」観が見直されているだろう。
見えないけれど…、ほっとする満足感は心豊かに過ごせる軸かもしれない。
すっと安全地帯に逃げ込み、立て直しつつの出直しも図るが、芯をぶらすことなく、
心の中のデザインやセンスを形にしていきたいものだとこれからの自分を考える……。

異なった場所で、異なった日常を生きる…
娘が帰国した。
さきほど、息子が帰宅した。Jessieが招き寄せた、久しぶりに姉弟そろった末年年始。
盛んな話題交換が繰り広げられている。
楽しく笑って暮らすばかりで、最近は特に、思考へのエネルギーが減退している。

忘れて良いこと・悪いこと…
一年を思い返して見よう…
年の暮れ…。


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色めがね

2008年12月27日 | JESSICAの日本滞在記
人は与えられた環境に適応して食文化を作るようだ。
自分に食べ慣れたものをおいしく感じるようになることで、嗜好がつくられるのだろう。
幼児期から食べ慣れたおいしさ。

ベジマイトを塗ったサンドイッチとチキンナゲットだけ(といえるコービー)。
ソセージだけ(のジェシンタ)。パスタ系ばかり(のケリー)。
肉とボイル野菜とコーンで一皿とか、マッシュポテト・シリアル・主食並みにチップス(フライドポテト)・パン……など。

こういう物ばかり食べてるの?
こうしたもので三度の食事を繰り返すことを日本人が耐えられるのだろうか。
体型の崩れなど気になってしまいそうだ。脂肪の蓄積回路に入ってしまいそう。
いったいどのような食事をしているのか、毎日のことゆえ、初訪問の際の最大の心配事だった。幸いにも、娘のところは米飯を主にした「和食」風であったが。

油脂は、数日食べ続けるとがつがつしたくなるほど“おいしいもの”になるという。
チョコレート、ラーメン。脳を刺激し病みつきになる?

幼児期から形成されていく嗜好、親の嗜好が子どもに直接影響を及ぼすことも大だ。また料理や健康管理への意識の違いも気になる。
「食文化」。国々による特色もあるはずで、何がよくて何が悪いとは一概に言えない。そと目からの勝手な判断も余計な御世話かもしれないが。

納豆大好き。梅干しも。貝のお味噌汁はことのほかお気に入り。
漬物、今の時期、日野菜の浅漬け。そして、じゃこ。5本箸でパクつく。
豆類も好き。
日によって波はあるものの、みそ汁を欠かさず、楽しく食事は進む。

「ごはんの時はしゃべらないってダディが言うの」
「あんたはしゃべりすぎだからね。ちょっとはいいの。楽しくネ」
お昼、母娘の会話。
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“TO JESSICA    ……サンタより”

2008年12月24日 | JESSICAの日本滞在記
  

TO JESSICA

ことしも とってもよい子だったよ。
ダディとマミィのヘルプもたくさんできて
プリティガールになってきたね。

このあいだ、ちょっとJessieをのぞきに来たんだけど、
Jessieはマミィのクリームをぬっていただろう?
「かんそーしてる・かんそーしてる」って言ってたね。
おはだのケアはどうだい?きれいになったかい?

マミィは日本に来て三日で白くなってきたって言ってたなあ…。
それは気のせいだろうけれどね。

Jessieはリップ(クリーム)も使ってるよなあ~。

Jessieはおしゃれがだいすきなんだね。
だから、サンタさんからジュエリーボックスをプレゼントするからね。
よろこんでくれるかな?
「だいじ・だいじ」に使うって、“ゆびきりげんまん”しようね。

そうそう、歯みがきもじょうずになるんだよ。

    HAPPY MERRY  CHRISTMAS
          サンタより

  (写真、右はJessie“てづくり”のツリー)

「あした、サンタさんくるから、Jessie、やだ・やだしないわ」
って言っています。
プレゼント攻勢には慣れて?いるようですが、
サンタさんからのカードを喜んでくれると嬉しいのですが…。

   
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どこかへいっちゃうよー

2008年12月21日 | JESSICAの日本滞在記
言葉は走る。短い言葉でも千里を走るというが…

昨日、母と3歳の娘との会話を黙って聞いていた。
「マミちゃん、ジェシーとおうちでファイティング(fighting)するわー」
「ジェシー、ランナウェイ(run away)するわー」

一瞬驚いた!
“逃げるが勝ち”を会得しているのか!?
3歳にして、なにか処世術でも学習してしまったのか~~?

実は、マミーとダディーが、トランポリンの取り合いをして(庭にある)マミーが負けた。すねたマミーはジェシーをキンディーにピックアップしに行くことをすっぽかして逃げた。どこかへ姿をくらましてしまった。―こんなたわいもないことで?

二人はこの1件を記憶をたどるように笑って話している。
いつもと違うダディーのお迎えに驚いたらしい。
親の戯れのとばっちり?を受けた3歳の心は…。

さて、この「ランナウェイ」、ジェシーはマミーを脅かしているのでしょうか。
「喧嘩なんかするんなら、どこかいっちゃうよー」
ただ、マミーの言葉をなぞっている。そう考えるとしたら…。

姫のおしゃべりが、遠く離れた南半球での彼らの日常を身近にしてくれている。

一生懸命に、身ぶり手ぶりを交えた楽しげなおしゃべりには、その楽しげな気分に私もなってみるのだ。
そして、「一緒に一緒に」と手を引かれ、アンパンマンのDVDなどもお付き合いしてみる。
ああ~。

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やって来ました!Jessicaです

2008年12月18日 | JESSICAの日本滞在記
真夏の国からやってきました。
ジェシカ、通称Jessieジェシーです。
ブーツを履いて、いっぱい着込まされて……

「ビッグ エア プレイン 乗ってきたのー」
「プリンセス バッグ 見て~」

自分が引っ張ってきたキャリーバッグがご自慢のようです。

いよいよ日本での生活が繰り広げられます。
日本語でのおしゃべりがどれだけのものになるか…
今、丁寧に自分の意思を伝えます。

自分にできないことがあると、
「マミー、ヘルプしてー」って。
ミカンといえばいいのに「オレンジ orange」、発音記号通りにアクセントは「オー」。あったり前ですが。

ちょいちょい混じる英単語が愉快です。

  

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古き日本家屋へようこそ…と

2008年12月15日 | 日々の暮らしの中で
  あかるさも静けさも白障子越し   片山由美子

洗いあげた木枠だけの建具を境内のあちこちに立て掛ける。報恩講を迎える前に、本堂奥に続く座敷の障子を、応援を得て張り替えるのだった。晩秋から初冬にかけての風物詩のように繰り返してきた。

北側と東側2面に障子が組み込まれている。本堂との続きのために庫裏を見下ろすほどに床が高い座敷。奥まって静かだ。「一番」の部屋だろうか。
廊下のカーテン越しに、さらに障子を通して差し込むほのかにも明るい光は、快適な目覚めを約束させる。人を喜ばすことの好きな婆さまは、亡き父のために必ずここに寝間を用意してくれていた。

天井の上に屋根裏、床下にも空間という日本家屋の構造は、上下に空気の層を置くことで湿気を遠ざけるのに役立つという。
障子も微妙に作用する。ただし「和紙」ならば。目が詰まったり荒くなって外気を遮断したり取り入れたりと。
人と自然との「融合」、「日本人の自然観」などについてはよく語られるところだ。
湿気の要素を取り除くと日本庭園の美も失われるという。お肌にもよいのだそうだから仲良くしなくっちゃ。

室内に柔らかな照明となって外の光を取り入れてくれる障子。
日常の場では、何かの拍子に無調法し、穴をあけてしまう私。
子供達による、さほどの被害はなかったように記憶している。
さあ、今回はどうだろう…。
3歳という年齢は、指を突っ込んで穴を開ける楽しさを発見するのだろうか。

1年の歳月は姫を大きくさせたことだろう。
だっだっぴろい開放感あふれる空間から、広くてもコマ切れの日本家屋へ、ようこそ。と…、早く迎え入れたいことだ。


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あした・あさって・しあさって

2008年12月14日 | 日々の暮らしの中で
あした・あさって・しあさって。
こう数えた方が実感がわく。もう間もなくだと。
「17日午後18時40分関空着」
到着時間を知らせる電話が入った。「もしもし、もしもし」と言っている。
「飛行機乗っていくからねー」姫だ。 

思いがけず舞い込んだ帰国の知らせだった。あれから、彼らの受け入れの準備に気を使う。
と、同時に、出にくくなりそうな年末までのお付き合いを精力的にこなし楽しんでしまおうと欲張っている。肝臓に負担のかからぬよう…、ここでも気を使い。

「Change we need」― 必要なのは変革だ
大人ばかりで“世間話”ぐらいしかないような、固まった明け暮れに決別。

「おはよ~、おはよ~」
べちょべちょの お口でチュッチュッ!! 始まる、姫の攻勢。
勝利宣言のかわいい笑いを快く受け入れながら、活気を取り戻そう!

とびっきりの命の輝きは、マンネリで鈍った感度をそれぞれにアップさせてくれることだろう。まだまだ私たちにはその余裕は十分にあるのだもの。
あふれる希望。期待。
「YES WE CAN」

桃の節句のひな飾りでは、姫のどぎもを抜いてやりましょう!!
こっそり飾って、少しずつ少しずつふすまを開けて…
どんな顔するか!ウフフ…楽しみ。

 (写真は去年、10月の姫)

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一年の更新で

2008年12月11日 | 日々の暮らしの中で
さあ、そろそろ……。

“また”一年を終えようとしている。
毎年繰り返される、一年ごとの更新かのような年賀状書き。婆さまが、夫が、私・子どもたちが、そして、みんなで築いてきたお付き合いの数々。

家族が増えた喜び、受験生をかかえた親の思い、中小企業の悲哀の中で頑張るお父さん、
晴れがましい発表会への期待、一線を退く年となる思い、にじむ新たな決意、
相も変わらずのマイペースでとさりげない声、今年もよろしくの一言、中には大切な家族を亡くされた通知も……。

一枚一枚に、それぞれの時間が巡った一年であったろうことに思いを巡らしている。
人の数だけ、それぞれの時間が流れる。
そして、ここでまた、それぞれの一年に区切りをつけ、更新する。
時間を、言うなら自分を一区切りしてまた新たな続きを歩み出すための。
そんなきっかけになるかのような年賀状書き。

もっと時間を有効に充実させようなんて言いながら、その実、精神的にはゆとりのない生活を送っていることに気づかされる。
自分が大切に思うことなど思い起こし、新たな歩みをセットしよう。

年賀状に一言を添えながら、“また”新しい年を迎えようとしていくのだ。
絶えることなく続いてはめぐる時間の中で。

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夏のクリスマスから…

2008年12月10日 | 日々の暮らしの中で
バスに揺られて居眠りし、映画を見出せば眠りほうける。時折目覚めて筋さえわからぬ始末。夕食後またうつらうつら…。眠り病かと呆れられ、自分でもそう思う。なんでこうも眠たいんだ?

来週はまた寒さが戻ってくると耳にした。今日はゆっくりしようと決め込んでいたけれど、日射しが暖かくなってきたしじっとしていられない。布団や毛布類を広げるだけ広げ、お日さまに当てる。干す場所なんていっくらでもある。ごそごそあれやこれやと取り出して、この暖かな一日を有効活用。こうしてあとはただ見張り番。今日の大仕事はおしまい。冬場は寝具類がかさむことだわ。

押入れの奥でまた一年眠って過ごすことになりそうだったサンタの人形を見つけた。
いつ置いていったものだったか。箱を開けてみた。電池で動くものだった。

近づくクリスマス。「キリスト教の行事」、どうしてクリスチャンがこの日を大事にしているのかと、特別考えることはない。25日、イエス・キリストの誕生日。ただ、今や宗教行事として意識する人も少ないだろう。

私とて神仏習合の信仰形態で育ち、縁のなかったキリスト教が添えられたからといって、精神構造に影響はない。今は仏教が生活基盤にあるが、子どもたちの夢をかって?プレゼントの用意などは楽しんできた。たださすがにイルミネーションなどでツリーを美しく飾ったりとかはなかったが。これ以外のことは外で覚えてきたようだ。

なんや~~~? こんなところになにか置いてあるけど~~? なんやろな~~?
お~~い、なんやろなあ~? サンタさんでも来たのかな?

ある年、婆さまと協力態勢を整え、玄関先にプレゼントを置いておくことで演出した。演ずるは老女優。まことに名(迷)女優。お得意分野だもの。婆さまの演技は幼い二人に十二分の効を奏した。一瞬の輝き、はじけたように立ち上がった。懐かしい思い出だ。

夏のクリスマスから、冬、初めて日本でのクリスマス。
3歳ともなると記憶に残る可能性無きにしもあらず。どんなサプライズを用意しようか。
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落語って…

2008年12月09日 | 日々の暮らしの中で
     
(策伝さんと願誓寺)

『あるときラジオから「平ら林か、ヒラリンカ、一八十のモークモク」(たいらばやしかひらりんか、いちはちじゅうのもうくもく)を連発する落語が聞こえてきた。大笑いした。』
文字の書き順を因数分解して読んだ落語。偶然にも最近、耳からではなく文字で接することがあった。

「熊」― ムこうの山に月が出た、日が出た日が出た四つ出た
「戀」― 糸しい糸しいと言う心
こんなのはよく知っている。
「松」― きみ(公)とぼく(木)とのさしむかい…
(なかなかこじゃれてること)

落語のネタ「平林」「子ほめ」の原型が400年前の『醒睡笑』に著されているという。策伝さんが長年にわたって蓄積してきた「おかしい話」・「味わい深い話」。

“ねうどう”と戒名をつけてくれと頼まれた住職がいた。はて、聞きなれない…
問い直してみると、父の法華宗の妙(ねう)法蓮華経、母の浄土宗の南無阿弥陀仏(どう)をくっつけたという。訛って「ねう―どう」。なまらずとも「みょうだぶ」。おかしな…。

宗派など超えて、題目と名号の混同のエピソードを笑いにしていく策伝さん。自由な気風で人気者だったことだろう。寺で、街中で、彼の説法は多くの人をとりこにしたことだろう。策伝さんがちょっと手をくわえ、筋書きを工夫することで、人々の生活に心の豊かさを分けていく。これは言うなら、文化的な行動。表彰ものかな。生きる上での生活の飾り…。

と、なると、落語家も文化功労賞もののお働きをされているってことか。

説法の極意は、「初めしんみり、中おかしく、終わり尊く」なんだって。
先日のお説教師さんのお話は、実は……。


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見た目が大事?

2008年12月08日 | 日々の暮らしの中で
『どんな車に乗っているかで男の価値が測れるはずはない。
しかし、男のセンスはちょっと問われる気がする』

「カッコイイ車」―どんな男性がハンドルを握っているかは大問題だ(った)。
信号待ちの表情さえ物を言う。色気たっぷりな男性が降り立たなくてはならないのは言うまでもない。車の機能より“カッコヨサ”の持つ価値。
若かった頃は外見に目をくらまされて、いくつかの失敗もあったようなかすかな記憶。

ジョージ・クルーニーの乗るホンダ「オデッセイ」、中高年男性のセンスにシャープに訴えかけてのコピーというが、果たして今、千里を走るだろうか。

期間従業員、派遣社員という立場で、製造の工程に携わってきている人たちの解雇問題で揺れる自動車業界。職を失うということは、まさに死活問題だ。こうしたうわべを飾るCMに踊らされているときではあるまいに。苦戦するだろう。

近年は車を持つ事がステータスではなくなってきているという。
そうした意識は薄らいでいるという。

人間で一番大切なのは顔ではありません!
人間で一番大切なのは見た目です!!
  誰やらTVの中で笑い飛ばしていた。

「見た目」のメッキがはがれたら…
「見て美しいものはまだ本物ではない。下手に見えても本物というか、味わいがあるのが本物」って、ほんとかなー

見て美しい私はまだ本物じゃない、のか!
ああ、だからまだこんなことを言っているんだな。

~かっこつけずに言うなら
「かっこよさ」「スマートさ」は大切なものの一つに違いない~
なんてことを。
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求める心あれば…

2008年12月07日 | 日々の暮らしの中で
月かげのいたらぬ里はなけれども眺むる人の心にぞすむ


法然上人。
仏の心と、人の心のあり方…。何より美しい歌だと感じる。 (住む―澄む)
求める心さえあれば、その心にはなにがしかの心が宿ることだろう…。



おかげさまで滞りなく二日間にわたる行事を勤め終えました。
たくさんのお力添えがあってこそ。
そして、温かく励まし支えていただきましたこと嬉しく、感謝いたします。
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逃げ道

2008年12月05日 | 日々の暮らしの中で
心身の疲労を「気の張り」だけで保たせてきた場合、「張り」が抜けたとたんに無理にため込んでいた疲労が雪崩のように押し寄せる。「見返り症候群」と呼ぶことがあるらしい。生きる気力を失う、そうした精神的回復にはいったいどれだけのエネルギーや時間を要するのだろう。

人は日常、「人が…だから自分も…」と「流行」「好奇心」という名目で目新しいものを追いがちになる。ある時はマスコミなどに駆り立てられ誘われて、自分を見失って、付和雷同。自分に決して無いともいえない。

しかしその一方では、興味がなかったら知らなくたっていい、そっぽを向く頑固さもある。自分自身の立場や世界・「素」の自分を守ろうと、隠すほどのものもないのに、出し惜しみも。

京都の東山の麓にある永観堂にまつられている「みかえり阿弥陀」。
左肩をやや下げ、首を左側に向けたユニークな姿。
「おくれる者たちを待つ姿勢、自らの位置をかえりみる姿勢、愛や情をかける姿勢、思いやり深く周囲を見つめる姿勢」と堂内に説明されている。
この言葉は岡部伊都子さんのものと伝えられている。

ひたすら走るにもワンクッションおいて雪崩が押し寄せてこないようにと、そんなずるさを持つのだ。 いい加減さが案外身を助けている。本当に疲れた時は手を抜いてしまえる。ずるい女だ。

「自らの位置をかえりみる姿勢」でこの言葉の深さを考えかみしめ、自分を守ろうか。



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睡眠を醒ます笑い

2008年12月04日 | 日々の暮らしの中で
修学旅行生でなくても楽しみは多く、時折は足を運ぶ新京極通り。
この通りに面して誓願寺がある。

ここの第五十五代法主だった安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)は
安土桃山時代から江戸初期を生き抜いた僧。
著書『醒睡笑(せいすいしょう)』。

当時のジョークや興味深い話を集めた「お話の集大成」本。
いずれも話は短く、ジャンルは広範囲、落ちがつく話が多いらしい。
この策伝は“落語の祖”なのだそうな。
落語が好きな方々にはよく知られていることなのだろうか。
第一巻の第五章には、名ばかりの僧侶批判がずらりと!だって…

名ばかり…
博打で一文無しになった男が(食いつなごうと)にわか坊主に。法事のお経を頼まれ窮地に立つが、かつて薬屋で働いていたことを思い出し「桔梗・人参・続断…」知る限りの薬の名を並べたてその場をしのいだそうな。その一方では、でたらめ読経でさえありがたる善人もいる、とかだが。

どのような説法をしてくださるのだろう。
退屈、眠い、しびれる…なんてことがない【睡眠を醒ます笑い】をお願いいたします。

求める心があれば…

『愚直なまでにお話を受け入れてしまう、「ありがたがる無知な善人」には、なんとも言えない温かな宗教心を感じる―』
とは、僧侶の釈徹宗さん。


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火鉢にカイロに…腹巻きとで?

2008年12月03日 | 日々の暮らしの中で
      
  (夜、内陣も半分閉じてますがちょっとだけ…)

玄関の戸を開けるや、「はーい、いつもおおきに~」。家の者二人が飛び出してくる。
「わたしじゃないの~!」。お客さんだと勘違いしたのだ。
なんやの?婆さま、このときばかりはよく聞こえる“お耳”をしてるじゃないの。
段取りばかりを気にかけて、お疲れ…。大丈夫、みんな助けてくれるから。

週末は寒くなるという予報だ。火鉢を出す。冬の風物。
  手をおいて心落ちつく大火鉢 
老いも若きも一緒、みんなで囲んで暖をとる。おしゃべりに花が咲くとき。
高齢の方が多くお参りされるので、ひざの横にはひとつづつの火鉢。

私は…ポッケにカイロ、内には腹巻き着用。今年はこれで行こう。
準備万端整えて寒さ知らず、なにくわぬ顔で、きっと笑って過ごせるだろう。

冬の風物といえば、お漬け物の「すぐき漬け」の準備が始まってきた。
大きくなった「すぐき菜」を住宅地の合い間に見ることができるが、上賀茂の地から外へ持ち出しても栽培は難しいらしい。
きれいな空気と、畑に流れ込む鞍馬からの清流が育てるようだ。
一度塩だけであら漬けしてから、「天秤押し」という方法で本漬け。その重石が庭先に並んだ。このお宅の毎年の光景。出荷しているのだろう。
      

千枚漬け・しば漬けと並ぶ京都を代表する漬け物。
お味を試してみてくださいませね~。そのうちお届けしましょうか…

忘れずにカイロを買いに行かなくちゃ。
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