京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 俳画コラボ

2014年02月27日 | 展覧会
 (嵯峨の小倉山に登った仲間が、その印象を絵に描き、そこに俳句を添えたという作品です)

京都を拠点に活動する「ヘイルストーン俳句サークル」(2000年、英国出身のスティーブン・ギルさんによって設立)があることを知りました。共同製作した俳画を展示する企画展に出かけてみました。
英語俳句です。3行で作り、語数にはこだわらず、季語が含まれない場合もあり、切れ字に当たるのは「―」で表わされています。
日本の俳句と異なるところはあっても、「作品の精神は日本的だと思います」と会場に説明されてありました。


          In exchange for the last persimmons,
          the white -eyes fill the branches 
          with song        Richard Donovan

              枝に残った柿のお返しに 
              メジロたちは木を 
              歌で満たしている
                                     
会員が描いた絵を持ちより、選んだ一点に俳句を添えるという試みでした。
自然や季節感にどう心を寄せて表現するのか、少ない語数でどのような英文に収められるのか、と興味を持ちました。目の向かう先、心の動き、伝えたい思い、情景…など、あれこれ想像をめぐらしながら、じっくり楽しませていただきました。絵と俳句の組み合わせの妙、描かれた世界もいろいろでした。


          Endless the pathway 
          redlent of times gone by― 
          Ogura’s shadow         John McAteer
    
              果てしなき 
              小径は時を偲ばする 
              小倉の山に影の射しきて

撮りためた写真に3行詩を添えてみるのもいいなと思ったとき、昨夏の高野山大学で講演された写真家・織作峰子さんのことが思い出されました。万葉集を本歌にして一首を添えているとお話でした。






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 暮らしに張りを…

2014年02月25日 | 日々の暮らしの中で

昨日、雪の残る比叡山を眺めながら実に4カ月ぶりのウォーキングに出ました。気分はほぐれても身体のほうはこわばったまま、足も重く疲れを感じました。
1月に体調を崩したことの影響が大きく、気分は停滞、ずぼらを決め込んでいたというところです。

鼻を詰まらせ最悪の状態であっても、「熊野古道伊勢路を語り部さんと歩く」ツアーの案内を見た時には、行ってみたい!とびつきました。ただ、冷静に考えたとき、とても基礎体力がない現実に気持ちは一気に引きました。

リスクを背負ってでも果敢に挑戦したアスリートが銀メダルに輝きました。
私の場合には、まずは万全な準備をしてからでなければ参加を決めることすらできません。今は、何より動き出すことがはじめの一歩。少しだけガンバローか? 楽しみが一つ増えたらいいのですが、わかりません。あくまでも結果は成り行き次第です。時間はそうありませんが、自信がでてきたら申し込む、ということで。

英語の勉強も日本文学の奥深さを学ぶことも、どれも学ぶ楽しみ知る喜びにつながっています。文章を書くうえでも一助になると、まあ、あえて少し負荷をかけていくわけです。

「道は一歩一歩あるくものである/ 心を凝らして泥を踏みしめて行けば/ 路傍の花や虫の小さな世界も見える/ 行き交う人と感情を共有することも…」とは立松和平さんでした。

自分のプロセスを大事にして歩く道を選んでいるだけのことです。
思いを捨てずにいることが、日々の暮らしに張りを持たせてくれている気がするのです。

少し気分が上向きますように…。


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 ひとまず…

2014年02月20日 | 日々の暮らしの中で

唐突ですが、「ていしゅのすきなあかえぼし」「さんべんまわってたばこにしょ」とJessieが口にしていたのを思い出しました。
思い出して、私は今ニヤニヤしています。
8歳の子に似合わないことわざなのではないでしょうか。

急がず念を入れて事を行おう、私もそう努力して(すこ~しだけ気張って)ようやく修了課題を仕上げました。提出日は明日。寒くって、戸外で深呼吸どころではありませんでしたが、とりあえず肩の荷を下ろして一区切りです。二人と一緒に踊り出したい…?ほどではありませんが、この解放感が嬉しい。
次のステップに進めるかどうか、これが問題なのですが…。まあいいか。

映画「小さいおうち」を見たいと思っています。できれば「利休にたずねよ」と。
 
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 春を待って

2014年02月14日 | こんな本も読んでみた

書棚には本が並んでいるのがいい。何冊かの文庫本を購入してあるのですが、後回しです。初めて読むことになった村山由佳さんの著書『天翔る』を先に手に取りました。

 小学校3年生の少女、まりもは
「父ちゃんはこれから遊園地に行こうと思うのよ。お前、一緒に行く?」
 と声を掛けられて飛び起きます。
「いく!」

そこは大人の遊園地、競馬場でした。
「でっかいんだぞう、馬ってやつは。つやつやしてて、真っ黒い目が優しくってさ。走ってるとこなんか、神様みたいにきれいなんだわ。まりも、見てみたくないか?」
これを機にいきなり、まりもには「馬に乗る人」になりたい夢ができます。

・・・が、「神様なんて大っ嫌い。」
北海道の牧場を舞台に描かれる「大切なものを弔い、傷つき、それでも前を向こうとする人々」。
帯には「乗馬耐久競技」(エンデュランス)とありますが、初めて知ったことば、世界です。
エピローグは「空へ」。

「脳は日々の生活の中で常に楽をしたいと思っている」(茂木健一郎さん)のだそうですが、ドンピシャ! 寒くって、もう何か月もウォーキングに出ることもない生活です。―ちょっと歩いてこようかな…、と腰を上げるのもほんの束の間。やっぱり寒い、と腰を下ろしてしまいます。用があればいくらでも外出はするのですから、ウォーキングに出る勇気は別物のようです。

空いた時間はもっぱら読書三昧。このあとは小池真理子著『沈黙のひと』と、久しぶりに続けて大作2冊を抱え込みました。
寒いから、温かくなるまではのんびりと…。
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 「大文字駅伝」

2014年02月09日 | 日々の暮らしの中で

ソチ冬季オリンピックも開幕しましたが、今日は「第28回京都市小学校大文字駅伝」が開催されました。

予選を突破した48チームが全10区間16352m、男女とも5区間づつのコースで競います。小学校6年生が都大路を駆け抜けるのです。かつて、「自分が箱根駅伝を走る姿を重ねていた」小学生もいたようです。大学4年生の時にこの思いは実り、さらに来月3月2日のびわ湖毎日マラソンで初のフルマラソンに挑むという飯沼健太さんの談話が新聞に掲載されていました。

97年前(大正6年)には、三条大橋をスタートして東京上野まで約500kmを3日間かけて走った「東海道駅伝徒歩競走」なるものが開催されたそうです。走っても「徒歩」競走とは。これが日本で最初の駅伝大会になるようで、京都は駅伝発祥の地ということのようです。


1月の皇后杯女子駅伝では私の体調が悪く、Jessieと一緒に沿道に出る約束も反故にしてしまいました。今回、彼女が通った小学校も出場します。誰と言って知りあいもいませんが、のぞいてみることにしました。
賀茂川畔を走ったマラソン大会後、「アスリートになりたい」などと口にしていたJessie。この大会に参加できる可能性はありませんが、少しだけ、向こうから駆けてくる彼女の姿をこうした集団の中にみて見たく、思い描きながら目の前を走りぬけていく選手に声援を送りました。

「誰でも自由に夢を見ることができるんだよ / 叶えるのは魔法じゃない / 自分の力」
これは、日本選手団の公式応援歌『夢がチカラ』にあった一節でした。夢を信じて前に進もうとする、すべての人への応援歌に聞こえます。


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 驚き力?

2014年02月07日 | 日々の暮らしの中で

大阪城がどこにあるのか、もちろん地理的なことですが、とんとわかりません。どうやって行ったらよいのか、自分で行ってみようと思ったこともないので無関心だったわけでしょう。行ったことはあるのです。2度。そのうち1度は数年前、友人に案内されて。

今日、京阪電車で大阪の「渡辺橋」から乗車して京都へと戻る時です。「天満橋」を過ぎて「京橋」につく手前で電車は地下から地上に出ます。ぼんやり外を見ていたら、なんとなんと、ビルの向こうにみどりいろの大阪城が写真のようにはっきりと見えるではありませんか。(写真はネットより拝借です)
昨年の10月から月4回通い出していましたのに、今日まで全く気付かずじまい。もちろん電車でどっち向きに座るかにもよりますが、もう思っても見なかった発見に、ただ一言。

「わー、びっくりした~!」

一日一回、「わー びっくりした~!」を言うようにしましょっと。できたらもう少し視点の違った驚きのこころで…。

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 気配を探りながら

2014年02月05日 | 日々の暮らしの中で

朝から静かな雪降りだった。家々の屋根が白く覆われている。かき集めれば雪玉だってできるといった積雪量など大したことはないが、あの二人がいたらきっと大喜びしたに違いない。

「木」に「春」と書いて春の木、「椿」。解けた滴をこぼして光っている。
風が強く、厳しい寒さであっても、ともかく寒は明けた。…というだけで春の証しを探して感覚を澄まそうと、自然と気持ちが働くのがいい。

3カ月余の片づけをしながら、これが終わったあとのことを考えている自分がいる。なんとなくせわしかった時間のあわさいで、とりとめもないことを考えてきた。年の神が入れ替わったのなら、それを機に私も生き直し、といこうか。
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 「かわいい“まご”には…」

2014年02月03日 | JessicaとTylerの日本滞在記

オーストラリアへ帰る!! 
Jessieの強い気持ちがインフルエンザからの回復を早めたのでしょうか…。1月29日、インフルエンザA型と診断され、先生やクラスのお友達とは突然のお別れとなってしまいました。小学校へはこの日を入れてもうあと3日を残すだけでしたのに。帰国は2日…。

予防のためにTylerも薬を内服。ところが、両わきの下から背、胸、腹と上半身まっかにジンマシンが広がり休日救急診療所に駆けつけたのが2月1日夜。2日帰国当日の朝、母親に疲れが出たのか体調悪し。それなら私が代わって二人を送り届けようというわけにもいきません。ヤキモキ続きでしたが、とにかくおかげさまで無事帰国しました。

言葉が行ったり来たり。タイムリーに思いを言葉にし出した2歳児。オウム返ししながら言葉を覚えていくのがよくわかります。いつの間にか覚えた歌を口ずさみ、関西空港まで居眠りもせずでした。
 ♪ きしゃ(は)はしる けむり(を)はいて むらからまちへ やのように・・・ 

31日にはクラスで「お別れ会」を予定して下さっていましたが登校できず、尻切れトンボに終わってしまいました。個別にプロフィールを書いてもらっていたJessie。先生はそこにたくさんの写真や言葉を添えてくださってます。クラスのみんなと楽しそうに勉強したり運動するJessieの姿を見ていて、とても嬉しかったと。


本にお手製の「しおり」をはさんでプレゼントしてくれたお友達。裏にはカンガルーの絵が描かれていました。

二人の可愛い姿が消えてしまった淋しさと、どこかでホッとする気持ちとが同居です。
私もまた自分のしたいことの世界を大切に、当面は修了課題に取り組まねばなりません。 

「かわいい“まご”にはたびをさせよ」とJessieは言います。それなら、次回は思い切って一人で日本に来ませんか、Jessie?
現地校ではすでに新学年となって授業は始まっています。一足早く3年生に進級です。


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