京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 どこかで一服

2011年05月30日 | JESSICAの日本滞在記
                

朝から強い風の音で目が覚めた。まだ4時過ぎ、だがもう外は明るいので少しでも時間をゆっくり過ごそうかと思い、そのまま起きてしまった。

土・日も雨だった。Jessieは外遊びもかなわない。新聞を読む傍らに来て、「見ないで~」と邪魔をし出す。
「ぽつぽつ・しとしとって何の音だかわかる?」と尋ねると「雨」と返ってきた。
「あと、ざあざあ がある」とも言う。

突然に思い出した「きらきらのり」なるものが欲しいらしく、買ってくれと、説明に時間が費やされ、周囲で何となく理解、「ああ、あれね、あれあれ」と了解するためにかかる時間。…日が傾きそうだ。
雨の中の外出となって、六色を選んで見る間にカゴに入れて満足顔。あとは小さな菓子類を。100円だから…、とつい気を緩めてしまうのがあぶないあぶない。
珍しく真剣な面持ちで、描いた絵に色を付けている。「ジェシー、幼稚園大好き」と小声で言いながら二人の先生に渡すという。

毎日毎日Jessie中心の生活リズムが繰り返され、どこかで壊したくもなる。
「よっこらしょ」と腰を上げることもほとんどないのだが、ちょっと空いた時間を読書で過ごしてみたり…。昨夜は午前1時までの読書、  考えたら睡眠時間が少な過ぎたことに気づいた。
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 笑顔であいづちも

2011年05月27日 | JESSICAの日本滞在記
                

「Jessieがしたの」屈託なくリュックから取り出してみせる。先日はアルファベットの大文字と小文字をつなぐのを全部間違えたとけろりと話す。

「だから言ったやろ」「なんで……というふうにしないの?」などとがみがみ言ってはまずい。ちゃんとわかっているのだから。どうしてだったか、何を間違えたのかを。聞いてみるものだ。「ふ~ん」「へェーッ」と話に頷いていると、「だってね、ジェシー・・・」と理由を述べだす。そこでまた「ああ~、そうか~!」と同意してやると笑みが浮かんだ。

箸を左手で持って食べている。前回の滞在時にはまだうまく使えずに、お豆さんがつまめなかった。ときどきサイレンが鳴ったが、今は上手に使っている。
母親が給食用にスプーンとフォークだけを入れて持たせた日があった。帰宅後早速に「マミチャン!なんでジェシーにお箸入れてくれなかったの!?」と真剣に抗議が始まった。お箸だけでいい、という。
耳を傾けていると、言葉の端々にJessieの思いが察せられる場合はあって、いじらしささえ感じることもある。

問題は鉛筆の持ち方が悪いこと。右手で持つが、薬指に乗せている。もう少ししっかり持ってかけるようになってから矯正してみたら…と見守っている。

何事も辛抱強く見守って笑顔であいづち、といけたらいい。が、なんでもJessieの流れに乗ればいいというものでもないのだ。ちょっと悪ふざけしてみせれば、たちまちプイッとひと言「おもしろくない!」と、手厳しい。
いやはやむずかしいこと~。
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 てるぼうず

2011年05月26日 | 日々の暮らしの中で
                
近畿地方も梅雨入りとなった。
早くから天気予報を気にしながら明日を待ったのに、植物園への親子遠足は延期となってしまった。“えらいおばあさんのセンセ”(このお方は園長先生のこと)が、てるてる坊主を作ってくださいと言われたらしく、その相手に指名をいただくことになる。

  ♪てるぼ~うず てるてるぼうず あ~したてんきにな~あれ 
と歌うJessie。出来上がった3体に向かって、なにやらヒソヒソ話しかける声が聞こえてきた。かわいい顔になって、みなほっ!とした思いで笑みがこぼれる、Jessieにしては上出来だ。あーした天気にしてやっておくれ~。 中止なんだけれどね…。

愉快にいきいきと、心弾ませて一日一日を過ごしている。5歳児の主張もそれなりに次第に理に適い、話にも筋が通るようになってきた。自己主張の論理が面白い。向き合えるだけの成長が認められるのを感じている。

京都の在宅医療の草分け、早川一光先生が言われたという「人がイキイキするには、言葉が往ったり来たり、行き来(イキイキ)することが欠かせんもんや」に納得だ。
会話など滞りがちな暮らしに活力を注入してくれる5歳児のパワー。「喋り過ぎだよ!」と、大人はひと言多いのかも知れない。

      
朝からトンボを捕まえ虫かごを持って登園。逃がしたトンボの代わりにダンゴ虫を5匹入れて帰宅。そしてまたトンボを…。

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 今年も朝顔

2011年05月23日 | 日々の暮らしの中で
                
16日に幼稚園から戻ったJessieと蒔いた朝顔の種が発芽しました。
一瞬Jessieの目が輝いたかに見えました。にこーっと笑って「やった~」と。なかなかよい表情です。
二人で大いに喜び合った朝でした。

  
母親の友人達と南郷水産センターへ遊びに出かけた土曜日。鮎などつかんで、お手軽な体験に歓声が聞こえそうです。
一泊して帰宅、あまり思い出話は出てきません…。
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 ちょっと休息

2011年05月21日 | 日々の暮らしの中で
               

週末は夜更かしが気にならないという楽しみがある。
そして今夜は、母親と一緒に外泊のJessie で、同い年のムサシとの再会は何かを思い出させるのだろうか。1年9ヶ月ぶりとなる日本、顔を忘れていることも当たり前と思われる。

母親の膝に飛び乗らない代わりに、助っ人ババゴンにはくっつき虫のJessie。
勢いあまって叱られることもあるが、今日でも母親の荷物をひとつ引き受け、肩から下げて歩く頼もしさ、優しさ。5歳児のけなげ姿に、遠目でウルウル… ってほどではなかった。

風邪気味の咳をしても一人… 。 
草を刈りながら、婆さまのナムアミダの声がもれ聞こえるのも、「しんらんさま」といい勝負だ。

それにしても静かな晩。たった一週間しか経っていないのに、こんなに静かだったのか?と思わされる
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 「ぼくもわたしも ほとけのこ」

2011年05月20日 | JESSICAの日本滞在記
                
手を合わせ、「親鸞さま ありがとございます。いま、ねむるから おやすみなさい」
調子付いて悪ふざけ、眠るどころではないはしゃぎようだ。

5月21日は親鸞聖人生誕の日。幼稚園からの連絡によると、例年、西本願寺で祝賀園児大会が盛大に開催されるとある。聖人のみ教えを聞いている保育園・幼稚園が、全国に約1000園。遠く北海道からの参加も紹介されたとか。
今年は20日に行なわれ、母親と西本願寺正門に向かったJessie。前回帰国時には、インフルエンザ大流行で中止になった。
法要の行事のあとは、「きれいなおねえさんがいた」アトラクション。「ありがとうの花」「しんらんさま」「ほとけさまは」からミッキーマウスのマーチまで7曲、皆で元気に歌おうという趣旨らしい。

    ♪「しんらんさま」
しんらんさまと ささやくと ここですよ 手をさしのべて にっこりわらって くださるの

しんらんさまの おすがたに ありがとう 手をあわせると やさしくおへんじ くださるの

地球上のあらゆる生物非生物は密接につながりを持っていることを説く、縁起の道理。
いつの間にかに人間中心の考え方に偏ってしまって…。
あ~、てんとう虫の命を奪わないでよかったねえ、Jessie。

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 午前11時からのあと

2011年05月18日 | JESSICAの日本滞在記
                  
バイクに水筒を乗せ、けたたましい騒音を撒き散らして公園に向かうJessie。砂遊びの道具一式を詰めたバケツを提げてその後を追った。
「車が来るから飛び出したらあかんよ~」「待って~。待ってったら!!」普段出さない大声を張り上げ、声変わりしそうだ。

 
              チョコレートミルクが出来上がります

今日は幼稚園は11時まで。「すぐに帰ってくるんだから早めに行こう」と誘いかけたのは母親だった。
帽子とサンダルを買いに出かけたが、かわいいがたっかいシールをつかんで放さない。欲しいのだと言う。そして自分ひとりでレジへと向かいたがる。
なんて言ったの?「これください」

何もかも社会勉強か…? 和して、笑いがあればすべて順調なんてことでは甘いのかな。
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 「ちがうでしょ!」

2011年05月17日 | JESSICAの日本滞在記
                   

朝から♪メ~リさんの羊の歌声が聞こえる。登園前、支度も済ませ、時間待ちに英語で歌っているJessie。
夕食後は、♪「なんでやねん!」,

Hello everybody.I'm Mr.ボルコウル? ボウクォ~~ル? ブォ~~ルコ~ル?
Hello,Miss トゥアイラー? タイラ~ タイガー 
満足に発音できない生徒、大笑いした末に「え~、もうどっちでもいい」と見限られる。
巻き舌が強すぎて、わからへんわ!

Dは?「ドゥッ」-「ドゥッ」、Tは?「トゥッ」-「トゥッ」師弟の息はあって好調だ。
Cは? ??? 「クッ」と指導が入った。そうだった~。
じゃあ、Pは?「プゥァ」、Bは?「ブッ」
Jは? ???「ジャッ」!! そんなに大きな声出さないで。 
一歩譲る心がけの生徒に向かって、えらそーに手厳しいジェシ子先生。  
「はい、Jは!?」すかさず復習である。…「ジャッ」!!先生の声を一段と高めてしまった。
盛りは過ぎて、反復練習しかないことを知っているのだろうか、この5歳児は。

それでも楽しい英語教室です。 
今日は、「ストーム」でした。
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 さくらぐみ

2011年05月16日 | JESSICAの日本滞在記
        柿若葉が

「あのさあ、前は外にお花とかあったやん」
グッスリ眠った遅い目覚めの日曜日朝、起きぬけにJessieは一生懸命繰り返して私の同意を求めるかのようでした。けれど不覚にもちんぷんかんぷんな返事をしていたようです。「今もあるんだけれどね。枯らしちゃったのよ」なんて。
「お花が咲いた~」を思い出したのはだいぶ経ってからのこと。甲高い声で「ひとつ、ふたつ…」と、毎朝数えたのは朝顔の花でした。
                       
ピンクのヘルメットを被り母親と自転車での登園を楽しんできましたが、今年はさすがにそれも危ぶまれます。大好きなI先生に迎えられ、年長さん「さくらぐみ」で一日ずっと一緒に遊んだボーイがいたとか。日本語に英語が飛び出す会話で、大きなダンゴ虫を捕まえ、てんとう虫の話を先生に報告し、給食も残さずいただいて帰宅です。
子供同士でのお喋りは英語と言うJessieの日常からすると、少し日本語がついてこないところがありそうです。

一日水につけ置いた朝顔の種、帰宅したJessieと一緒に蒔きました。ふたつ?みっつ寝たら伸びてくるの?と。6月末までには充分な成長を見られそうです。
「ジェシーのバイク」、つまり補助輪つき自転車に乗ってのお出かけに付き添うことになりそうで、困っています。
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 やって来ました、こんにちわ

2011年05月15日 | JESSICAの日本滞在記
14日午後6時20分関西空港到着予定だった。 
「カンタス航空JQ19便 ゴールドコーストよりただいま到着致しました」
こんなアナウンスを聞くと一気に胸が高鳴る。手荷物を受け取り出迎えの前に姿を見せるのはまだ先のことなのに、そわそわし出し、出口のほうへ自然と足が向かう。

 
互いに姿を見つけ、久しぶりの懐かしい姿に言葉もなくしばし見つめあう。笑っている。駆け寄って来る? もう来るかな?? あー、来そうにないな… え~~い!ではこちらから!、ジェシ~~。愛しのJessieは、母親の陰に隠れるようにして照れている。一方的に抱きしめた、あれこれポーズを練った挙句の瞬間…だった。はるかでの車内で、このかすかな溝は埋まった、と思いたい。

明日からは一昨年と同じ幼稚園に通わせていただく。持ち物の確認をし、リュックはパンパンで準備も完了。
今日は、公園でピクニックが、昨日からの約束だった。

    四つ星のてんとう虫を見つけて

家にいても、母親にまといつく代わりにご指名をいただくババゴンとの間で、大きな笑い声は絶えない。
日常的に英語での会話が主流となっている現在、英単語はもちろん多く飛び出す。細かな説明をしたいときは英語で喋り出す。そして今夕、私への説明に困り、「マミィちゃん、ハード(hard)って日本語でなんていうの」と確かめてから「難しい」と言い直し会話を続けた。
やなかんじ~。 そんなん、ババゴンにだってわかるわよ、Jessie。


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 まなこをとじて

2011年05月12日 | 日々の暮らしの中で
                  
夜来の雨に濡れて、すずらんが咲いている。

東日本大震災の日からふた月が経った。
頑張れ、頑張ろうと言われたってどう頑張ったらいいのか、立ち上がりようもない方々はきっとたくさんおられるはずだと、常に思いを馳せている。

  「みほとけは」  作曲:信時潔  作詞:中野良一
     みほとけは
     まなこをとじて み名よべば
     さやかにいます わがまえに

     みほとけは
     ひとりなげきて み名よべば
     笑みてぞいます わが胸に

     みほとけは
     したいまつりて み名よべば
     つつみています わがいのち

仏教讃歌「みほとけは」を聞く機会があった。
仏教信者であろうとなかろうと、日本人の琴線に触れるのではないだろうか。
http://www.youtube.com/watch?v=nILNVhxPLYE 聞いた合唱とは違うが、参考までに

神や仏の存在を信じている?と聞かれることがよくある。
信じているとは答えられない。が、何かの力によって守られていることを再三感じてきている。
懐かしい人は、何かを介して、鳥にも蝶にも草花にも化るってわかる気がする。
風になって大きな空を吹きわたり、光に雪に鳥に星になって…、あとに残された人たちを見守っていてくれる、とやはり思いたい。
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 やのあさって

2011年05月10日 | 日々の暮らしの中で
   
8日・9日の晴天を利用し目一杯動いてしまった。今日からは予報通りに雨が降り出した。
蕗石が茎をグンと伸ばし、雨に光って艶やかだ。

雨と共に倦怠感あり、予定していた外出は取りやめた。
朝からゴロンとナマケモノを決め込んで、必要最低限でしか活動せぬことにした。
体力の消耗もない?省エネの極みで、うつらうつらしながら本を広げていた。ところが、家の中が暗くて昼間でも電気が必要となる一日で、節電にはつながらない。

明日… あさって・しあさって・やのあさって、にはJessieを関空に出迎えている。
心待ちにしてきたが、いよいよ目前になった。互いに姿を見つけ、目が合う瞬間を思い描きながら、ハグのポーズをあれこれと練る。再会のわくわく感はここに集中といったところだろうか。
急激な体調の変化だが、一休みしながら回復を待って備えよう。
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 紀伊路最後に、「預かり物」を目に

2011年05月08日 | 熊野古道(紀伊路・中辺路)を歩く
黄緑色のブロッコリーのごとき若葉の盛り上がり、一方には常緑樹の深さと、行く手前方に広がる山並みはまこと豊かな緑色を示していた。順調にバスは進む。その両側に、みかんの花が咲いているだろうかと期待したが、当ては外れた。
七日、これで海とはお別れ、そんな声も漏れ聞こえた最後の紀伊路を歩いてきた。19006歩だった。

 
ソテツを遠目にしたり 鈴なりの梅の傍を通り過ぎる。          芳養王子
    
芳養(はや)王子にあったムクロジの木の下で、ムクロジの実を。
振るとカラカラと音立てるが、丸い黒い塊が入っていて羽子板の羽子に使われるのだと教えられた。周りは石鹸になるのだと。
牛の鼻、目良漁港を過ぎ天神崎へと向かう。

                 
   
      
日本のナショナルトラスト発祥の地。ナショナルトラスト運動とは、(和歌山県の観光情報によると…)美しい自然や歴史的建造物を市民の寄付金で買い取り保存して行く運動だとある。日本語訳をするなら「みんなの大事な預かり者」だという。13haもの広い平らな岩礁が広がる。
これほど潮がひいたのを見たのは初めてだと語り部さん。白く見えるのは貝だ。

 
潮垢離浜の記念碑。熊野に詣でる人々はここで潮に身を浸し穢れを祓ったとされる。いよいよ山また山の中辺路へと向かう前の最後の潮垢離で、出立の浜であった。出立王子に。

 
高山寺山門をくぐり、長い階段を上りつめたところに眠る南方熊楠に、そっと手を合わせてきた。 
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 山また山…の、その前に

2011年05月06日 | 熊野古道(紀伊路・中辺路)を歩く
                 
   「熊野へ参るには   紀路と伊勢路のどれ近し どれ遠し
  広大慈悲の道なれば  紀路も伊勢路も遠からず」

『梁塵秘抄』にある、熊野をうたう今様。紀路は京から舟で淀川を難波まで、そして泉・紀の国の海岸伝いに南下して、中辺路(今の田辺市)から本宮へと参る道。伊勢路は京から伊勢へ出て、新宮に至るものである。

熊野までははるばる山川八十里と。
   「熊野へ参らむと思へども   徒歩(かち)より参れば道遠し   すぐれて 山さびし
   馬にて参れば苦行ならず   空より参らむ 羽賜(た)べ 若(じゃく)王子」

歩いて行くのはしんどいし、馬で詣るのでは苦行になるまい。羽を下さい… 。

一度歩いてみたい、そう思い続けてついにそのチャンスを得た蟻の熊野詣。明日は紀伊路最後となる8回目だ。田辺市にある南方熊楠が眠る高山寺までの11.5kmを、ずっと海沿いに歩く。
「広大慈悲の道なれば」… 一遍上人や西行、芭蕉も寂聴さんも歩いた中辺路の道へ、一歩近づきたいものだ。
楽しんで歩けたら言うことないのだけれど。
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 即興詩人 

2011年05月05日 | こんなところ訪ねて
              
嬉しいことに、普段なかなかお会いできない姉さまの貴重なお時間を私のためにゲット。今日はあれこれお喋りしながら、途中から滋賀県大津市にある義仲(ぎちゅう)寺へと足を延ばすことになった。電車を乗り継いで、京阪膳所駅まで。

 
             巴塚                       芭蕉翁墓
源平合戦の頃、31歳で討ち死にした木曽義仲の菩提を弔うために、巴御前が墓のそばに結んだ庵が始まりだとされる。
しばしばこの寺を訪れていた芭蕉だが、旅に病んで… 51歳。遺言に従い、亡き骸は「木曽塚の右に葬る」と其角が記しているままに葬られている。
     
 
             古池や…                     右手に翁堂
         
   「粟津文庫」前の小さな碑には  よい処へちればさくらの果報かな 蟻洞
境内にはたくさんの句碑があり、全域が国の史跡に指定されているようだ。代々の風雅人、俳諧者の寄進報賽によって維持されてきた、とある。

                 
明るい初夏の陽ざしが戻り、真っ青な空が広がった。こじんまりした義仲寺の境内にある巴塚の上には、満天星(どうだん)の白く愛らしい花が傘を差しかけるかのように広がりを見せて満開である。
小さな藤棚の下に腰掛けて眺めながら、即興で五七五に。俳句を学ぶ姉さまの添削が入る。言葉の使い方の難しさ、楽しさ…、楽しかった。
立松和平氏に倣って、文章にする代わりの五七五、もっと本気でやってみるべし~、と思うのだった。

お会いするたびに何か刺激を受ける姉さまの存在は、嬉しいに尽きる。

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