Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

安井浩美さんのアフガニスタン報告

2023-07-02 20:20:42 | 雑談

先日行ったばかりの神保町にまたやって来た。

今回の目的地はツアーで散々お世話になっている西遊旅行社。
コロナの流行が始まる前に新しいオフィスに移転したのは知っていたが
 こんなきれいなロビーができていたのにはびっくり。
以前の狭苦しくて質素なオフィスとは段違い。

さてここまで足を運んできたのはアフガニスタンに関するトークイベントがあると知ったから。
 定員25名が満席の盛況。

お話をしてくださったのは共同通信社カブール支局通信員の安井浩美さん。
2021年にタリバンがカブールを占拠した際、派遣された自衛隊機で脱出した唯一の日本人だが、2001年の9.11以降現在までアフガニスタンに在住、それ以前は西遊の添乗員もしていたというすごいお方なのだ。

スライドトークはアフガニスタンの地理の紹介から始まって人種の説明、お気楽な観光地の話も少し交えながら中心は9.11以来の政治情勢。
カルザイ政権が国際援助で巨額の資金を獲得しながら汚職でどこかへ行ってしまったお金が多いこと、それでもなんとかいい方向に向かっていた所で大統領になったガニがくそだったこと、さらにアメリカの中途半端な介在でタリバンを政権に取り込もうとしたものの、治安が不安定な所で強引に米軍を撤退させてしまったばかりにタリバンに完全支配されてしまったことなど、実に分かりやすい。
しかもご本人が取材した困窮する家族たちの話が写真と共に紹介されるので臨場感が半端ない。
病院の子供たちや、延々と並ぶ小さな小さな墓など、たまらない。

親交のあった中村哲先生のことにも少し触れて、殺害された背景にはパキスタンがいるらしいとのこと。その理由は川上のアフガニスタンで取水をされると川下のパキスタンで使える水が少なくなるからと言う説明になるほど、とうなってしまった。

安井さんのお話の後には西遊の社長のお話も。
今年の5月に現地に行ったそうで、日本の外務省は危険度4を発しているので旅行会社としてツアーを組むわけにはいかないが、欧米やタイあたりからも旅行者が来ているという話。
バーミヤンの写真など魅力的で、あわよくば個人旅行の依頼を待っている気配ありありだったが、安井さんによるとタリバンはいつなにをしでかすかわからない、軍も警察も制服を着ない私服に銃を持っているので公務員なのか強盗なのかもわからない、と恐ろしくて、さすがに命を賭してアフガニスタンに遊びに行くわけにはいかない。
高校生の頃から憧れているアフガニスタンだけれど、ここばかりは一生行かずに終わってしまいそうだ。

ところでロビーにはカラフルな刺繍製品が並んでいたが
 
これは安井さんが現地の女性たちの就労のために起こした工房のもの。
以前は女の子たちのための学校を開いていたが、タリバン政権下で無理になったのでこの活動に力を入れているとのこと。

見るととてもしゃれたデザインで作りもしっかりしているので、支援の意味も込めてトートバッグを一つお買い上げ。
 
Made in Afghanistanのタグが誇らしい。

実際にはものすごくシビアな状態であろうアフガニスタンのことを、しかし笑いも交えながら伝えてくださった安井さんにはますます活躍していただきたい。
このトークイベント、行って本当に良かった。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする