文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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大分市高崎山自然動物園のシャーロット命名騒動に思う

2015-05-08 18:13:39 | オピニオン
 大分市の高崎山自然動物園で、生まれた子猿に、公募で最多だったシャーロットと名付けたところ、英国王室に失礼だと、抗議が殺到したそうだ。かなりの騒ぎになっていたが、結局は、この名前に収まっという。まったく当然の話だろう。

 この騒動に限らず、何かあると、すぐ自分の独善的な正義感を振りかざす人間は驚くほど多い。そもそも、失礼かどうかを決めるのは、英王室だ。苦情を言ってきた者たちは、自分が英王室を代表していると思っているのだろうか。あきれたことだ。その方がよほど、失礼に当たると思うのだが。それに対する英王室の対応はさすがだ。非公式ながらも、王室広報担当者は、「名前の付け方は所有者の自由だ」と述べたという。これこそ、大人の対応。成熟した社会の当たり前の反応だろう。

 私は、日本が基本的に欧米より劣っているとは思わないが、こういった騒動を見聞きすると、やはり日本の社会はまだまだ子供社会だと思ってしまう。自分の考えが絶対正しく、それに外れれば、眼の色を変えて抗議するという偏狭さ、幼稚さは、社会を窮屈にし、いわれのない偏見や差別にも繋がりかねない。もっとひとりひとりが柔軟な思考力を持ちたいものである。


H27.5.9追記
 そもそも、シャーロットという名前自体が、特別なものではない。例えば有名なブロンテ3姉妹の長姉で「ジェーン・エア」の作者の名前もシャーロットだ。このような一般的な名前が王女に付いたからと言って、特別視するのがそもそもおかしなことだ。紫は皇帝の色だから庶民は使ってはいけないとか、これは大名家だけに許されているものだからというのと同じ感覚なのであろうか。今時、こんなことで騒ぐのを世界の人が不思議に思うのも無理はないだろう。
コメント
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