文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

Newton(ニュートン) 2017年 08 月号

2017-07-20 08:41:08 | 書評:その他
Newton(ニュートン) 2017年 08 月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
ニュートン・プレス


 所用で山口市に行った際に立ち寄った書店で見かけた本書。この号の特集は、書影にもある通り、「素数の神秘」だ。素数とは、2以上の整数の中で、1と自分自身でしか割り切れないような数だ。この素数の性質はまだまだ十分に解明されているとはいえないようだ。この素数は、実は私たちの知らないところで大きく役立っている。ネットの世界では欠かすことのできない暗号化技術。それには素数の性質が大きく役立っているのだ。

 とは言っても、私自身それだけ素数に興味があったわけではない。興味を引かれたのは、同じく表紙に記載されている「誤解だらけのE=mc^2」の方である。E=mc^2とは、もちろんアインシュタインの特殊相対性理論から導かれる、エネルギーと質量の等価則である。私もこの辺りは、ある程度理解しているつもりだったのだが、もしかすると何か誤解をと思い、一応読んでみたが、そう誤解しているところもなさそうなので、ほっとした次第だ(笑)。

 この他短い記事だが、「重力波、史上三度目の検出に成功」とか「テントウムシの後ろばねのくわしい収納法が明らかに」など興味深い内容のものも多い。ただ、この手の雑誌を見ていつも思うのだが、値段が高すぎる。この国の科学リテラシーの現状を見れば、売れないのでどうしても値段が高くなるということなのだろう。資源のない我が国には科学・技術で生き残るしかないのに、なぜか科学・技術が軽視されている。もっと国民全体の科学・技術リテラシーを底上げしないと、我が国に未来はないだろうと思うのだが。このような雑誌が、せめてワンコインで買えるような時代がくることを望みたい。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


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