ゆるりまいにち猫日和 (幻冬舎単行本) | |
クリエーター情報なし | |
幻冬舎 |
・ゆるりまい
人間は犬派、猫派に分けられることがある。もちろん中には動物全般がだめだという人もいるが、犬と猫は圧倒的に飼っている人が多いので、ペットの代表のような扱いをされるのだろう。
我が家にもわんこが一匹いるが、実は私は完全な猫派だ。わんこがいるのも、うちの子が面倒は全部自分が持つからとねだったので仕方なくなのである。
もちろん、子供が言ったことに責任を持つはずもない。犬の場合は散歩に連れて行かないといけないし、狂犬病の予防注射に連れて行ったり、フィラリアの薬を与えたりで結構手間と金がかかるのである。
「隣の花は赤い」とよく言うが、吠えるしか能のないうちのアホ犬を見ているとどんどんにゃんこへのあこがれが募っていくのだ。
それはさておき、著者の家には、2歳から12歳までのにゃんこが4匹もいるらしい。それも雄雌2匹ずつ。本書はそんなにゃんこたちとの愉快なまったりライフを漫画と写真で綴ったものだ。
著者は漫画家で、家族は夫と一人息子と母親そして猫4匹。面白いのはにゃんこたちにも色々と個性があるということだ。一番年上のゆうというにゃんこは全く存在感がないらしい。だから1匹だけ鈴をつけられているが、この鈴がないと簡単に行方不明になってしまうという。
にゃんこにも派閥があるらしく、雄二匹と雌二匹でチームをつくりそれぞれ著者と母親の飼い猫という扱いらしい。飼い主の方もいろいろ張り合っているようでそれが何とも楽しいのである。
猫の写真もかなり掲載されているが、くるりという猫は特大と表記されているだけあって確かにでかい(特にお腹周り)。またぽっけという黒猫は写真写りが極端に悪いようだ。本書中に元写真部だという夫君が撮った写真が載っているが、著者からは「よくこんなブサイクに撮れるね」と冷やかされている。
一番若いにゃんこのうたは、保護したときに足を複雑骨折していたようで、夫君が動物病院に連れていったのだが、その時に名前を聞かれたので答えたのがなんと「こだぬき」。もちろん却下で、その後著者が強権発動して「うた」という名前に変わったのである。
もちろん4匹も飼っていると、実際にはなかなか大変だろうが、それ以上に癒されることも多いのではないかと推測する。本書からはそんな日常のまったり感が良く伝わってくるのである。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。