あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30 (単行本) | |
クリエーター情報なし | |
集英社 |
・菅井敏之
本書の内容を一言で言えば、子供へのお金教育ということだろう。確かにお金はあればいいというものではないが、無いといろいろ困るのは事実だ。本来は子供のころからきちんとした教育が必要だと思うが、学校ではあまり教えられないものの一つだ。だから家庭できちんと教育するしかない。
著者は、子供に与えるお小遣いの定額制は大問題だという(p37)。定額制というのは、何もしなくともお金が入るということだ。だから著者の家では、「働きに応じて」お小遣いをあげていたらしい。しかし、高校生になってからは、部活が忙しくなったので、「定額制+報酬制」に変えたということだ(p89)。子供たちは、何もしていないのにお金がもらえることに最初は少しむずむずしていたということだが、ちょっと疑問がわく。別に部活なんかしなくともいいと思うのだが。自分の好きなこととお金とどちらがいいかを選択させるというのも教育ではないだろうか。
面白いと思ったのは、どうしても欲しいものが出たような場合には、「家族の経営会議でプレゼンテーションさせる」(p134)というものだ。子供のうちからプレゼン力を鍛えるということは、塾などに行くよりはよほどよい教育になると思う。しかし、親の方にもそのプレゼンを判断する能力が求められるので、なかなか大変だろうと思う。
もちろん子供に教育をするのなら、親の方にもしっかり芯があることが必要だろう。お父さんが、いつも酔っぱらって、休みになればパチンコ三昧では、教育もなにもあったものではない。自分に自信があり、子供にお金教育をしたい人には参考になることも多いものと思う。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。