本の未来を探す旅 台北 | |
クリエーター情報なし | |
朝日出版社 |
・内沼晋太郎、綾女欣伸、(写真)山本佳代子
本書は、「本の未来を探す旅 ソウル」の続編にあたり、台湾(台北)の書店事情を紹介したものである。
台湾においても、日本と同様、昨今の出版事情は厳しいようだ。そのようななかで、若者たちは、個性的な書店を立ち上げている。本書で紹介されているのは、そんな書店の写真と記事。どれも個性的な店ばかりで近くにあれば足を運びたくなる。
日本では、近年街から書店が消えている。私の故郷でも、昔あった書店はみな消えてしまっている。今住んでいる場所でも、住み始めていたころにあった書店でなくなってしまったものも多い。この一つの原因に再販制度があったのではないだろうか。日本の書店は再販制度により本の売値が決まっている。どこで買っても本の値段はいっしょなのだ。それが、書店の工夫を奪ってしまったのではないだろうか。
一方台湾には再販制度はないようだ。だから値引きによる利益減少を回避しようと思えば、それなりに工夫をする必要がある。この本に紹介されている書店は、どれも個性を出すためにいろいろ工夫している。この本を読むと、台湾には元気のある書店が結構あることがよく分かる。
ただひとつ注文がある。記事の文字が小さいのだ。これは私のようなあまり目の良くない人や高齢の人には辛い。大きな活字にすればページ数が増えてしまうという難点はあるのだが、もう少し記事の部分を絞ってでも、大きな活字を使って欲しいと思う。
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