主な登場人物は主役の双見奈々。自分にまったく自信のない漫画家である。ちなみに妄想癖がある。そしてそのアシスタントの間瑞希(はーさん。ちなみに奈々の友人の妹。その姉もはーさんらしい。)。奈々の担当編集者である、美女の佐藤楓。
本書を読むと、編集者と漫画家の相性がいかに大事かということがよく分かる。楓は、奈々を天才として買っている(ただし恥ずかしいのでなかなか褒めない。褒め慣れてないので褒めるとすごく疲れる。)のだが、前の担当編集者の戸田は、自分の趣味に合わないので、ネームになかなかOKを出さなかった。これが奈々が自信のもてない大きな原因となっている。
このあたりを読むと、今のシステムに関する問題点が分かると思う。一人の担当編集者がクリエイターでもないのに、自分の趣味でダメ出しをするところに根本的な問題があると思う。その編集者が名伯楽ならいいのだが、そうでない場合は才能をつぶすことになってしまう。しかし、編集者には何のペナルティもない。前の担当者には石を投げたくなる人も多いのではないかと思う。
こういった漫画家の日常が、コミカルに描かれており、時にはニヤリとしてしまう。絵柄も綺麗なので、私の趣味にもあう。いくらストーリーがしっかりしていても、絵柄が綺麗でないのは、私には合わない。
☆☆☆☆