この作品を一言で言えば、異世界転生悪役令嬢ものなのだろうか。大体悪役令嬢ものといえば、ゲーム世界によく似た異世界へ悪役令嬢に転生したヒロインが、婚約破棄され、追放されるか処刑されるといったバッドエンドを回避するため、ゲームの知識を駆使して無双するというのが典型的なパターンなのだが、これはちょっと違う。
ヒロインのフローチェは侯爵令嬢。第一王子ジョナスの婚約者だったが、ヤロミーラによって、無実の罪に陥れられ、婚約破棄をされてしまう。そのときヤロミーラに殴られたことがきっかけで前世の記憶を取り戻す。なんとフローチェは大学で、女子相撲部だったのである。それからのフローチェは向かうところ敵なし。何しろ、土俵や行事などを呼び出せ、敵と強制的に相撲を取ることができるのだから。
ちなみに、この世界は、「光と闇の輪舞曲」という乙女ゲームの世界。もちろん相撲とは何の関係もない。
幽閉されていた第二王子(といっても王位継承者としてはこちらが正統)のリジーを助けて、相撲道で、彼を助ける。そうフローチェには立派なショタ属性があったのだ。
悪役令嬢ものと相撲の組み合わせというのがなんとも斬新で面白い。これネタだよねと思っても、笑いながら読んでしまう。
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