文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ラーメン大好き小泉さん 5

2021-11-09 08:02:39 | 書評:その他

 

 ラーメンが大好きな美少女女子高生小泉さんと、そんな小泉さんが大好きな同級生・大澤悠(女子です)の物語の5巻目。この巻は全巻から引き継いだ話題で始まる。そう「つけ麺」は「ラーメン」かということだ。これは、どこまでがラーメンなのかという哲学的な?問いに繋がる。自分でラーメンと言っていればラーメンになるのか?ラーメンとそうでないものの線引きはどこで行うべきか?ここでは、その問いに対する一つの答えが示される。

どこまでが”ラーメン”かなんて結論は出ない(p30)


オイッ!! 小泉さんと高橋潤(委員長)のドヤ顔がなんとも面白い。

 それにしても、小泉さん、悠ちゃんに対する塩対応はあいかわらずだが、少し悠ちゃんに影響されてるのかな。ほんの少し柔らかくなったような。ほんの少しだけど。小泉さんが、カラオケ店でドカ盛りラーメンを食べているのを見つけ、一人カラオケをしている部屋に侵入しようとして通報されてしまう。この辺りは相変わらずだ。

 でも、悠ちゃんは料理上手。小泉さん、悠ちゃんのラーメンサラダの誘惑には勝てなかったようだ。餌付けされている野生動物のような気が・・・(笑)

 その他、海鮮市場の、期間限定牡蠣ラーメンや麺が豆腐や餅のラーメンなどが出てくる。それにしても、これだけ多くのラーメンに関する情報を作者はどうやって仕入れて来ているんだろう。

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック(1)(2)

2021-11-07 08:23:39 | 書評:その他

 

 主人公は鈴木実という少年。父親の治が小さいときに亡くなったため、漫画家の母親・綾と二人暮らし。名字が鈴木なのに、大蜘蛛とどういう関係があるのだろうかという疑問を持った人もいる者と思う。実は、大蜘蛛というのは彼の母親の旧姓だ。ちなみに名字が大蜘蛛なのに、蜘蛛は大の苦手。

 まさか本当に、こんな名字の人はいないだろうと思って、ネットで検索すると、本当にあった。全国に50人くらいいるようだ。でも、タイトルにこの珍しい名字を使うということは、実際に作者が知っている、モデルになった人がいるのかなと思ったのだが、1巻の巻末に種明かしがしてあった。

 どうも作者には「難読希少名字」に凝っていた時期があったらしい。だから登場人物に「一」(にのまえ)とか「月見里」(やまなし)といった初見では読めそうにない名字が出てくる。なお、この作品の巻末には、「難読希少名字」から生まれた短編で、この作品の元となった「ラッキースパイダ―」も収録されている。

 実は、なぜか時折父親の記憶がよみがえる。これがタイトルのフラッシュバックの意味である。それは、父親が好きだった高校時代の母親に関する記憶。父の治と綾は高校時代の同級生だった。
そして、実は、今の母親と昔の大蜘蛛ちゃん時代の母親に恋しているのだ。

 別に大きな事件が起きる訳ではないが、なんかほのぼのとした雰囲気でストーリーは進んでいく。絵柄もほのぼのとした感じで、あまりシュールさが感じられないところが、内容によく合っていると思う。

 

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 267 百草園の娘

2021-11-05 08:28:58 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

「親分、あつしの身體が匂やしませんか」



 この話も八五郎と平次のいつもの掛け合いで始まる。面白いのは平次の返し。

「さてね、お前には腋臭が無かつた筈だし、感心に汗臭くもないやうだ、臭いと言へばお互ひに貧乏臭いが――」



 なんだか平次、八五郎をからかうのが生きがいになっているようだ(笑)。

 それにしても、八五郎が若く美人な娘に弱いのは相変わらず。こんどの相手は、板橋の百草園の娘お玉らしい。百草園というのは、私設の薬草園で、この百草園は本草學者小峰凉庵が生きていた1年前までは、加賀家の庇護を受けていたが、今はもう援助もなくなってしまったようだ。

 お玉はその小峰凉庵の忘れ形見で、八五郎に言わせれば生身の辨天樣と言う位に美人の娘らしい。そのお玉を争って、凉庵の内弟子横井源太郎と打越金彌の二人が争っていた。

 この百草園を舞台に連続殺人事件が起こる。まず、横井源太郎が毒殺され、下男の爲吉が匕首で腹をえぐられ、打越金彌が毒殺される。

 この事件に乗り出してくるのが平次なわけだが、事件の真相を見抜いた平次は、そのまま帰っていく。平次は、四角四面にそれが法に定められているから、犯人を逮捕するのが自分の仕事だ、というような今の刑事ドラマのような真似はしない。それどころか、事件の謎解きをしても、殺されてもいいような奴が殺された場合は、「オラ知らね」とばかりにケツをまくるのだ。これも平次の魅力の一つだと思う。

「それでお仕舞ひさ、さア、歸らうか、八」
 平次はもう立上つて歸り仕度をするのです。
「下手人は親分?」
「横井源太郎の幽靈とでもして置け」
☆☆☆☆

 

 

 

 

 

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おかしな転生I アップルパイは笑顔と共に 

2021-11-03 16:52:20 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 この作品を一言で表せば、異世界転生ものだ。主人公は、腕のいい菓子職人で、パティシエ世界一を決める決勝戦の最中に事故で命を落とす。そして彼は異世界で貧乏貴族の跡継ぎとして転生して、ペイストリー=ミルーモルテールンと名付けられる。モルテールン家は騎士爵の家で、先の戦争で武勲をあげた父のカセロールに領地が下賜され、最下級とはいえ貴族になった。

 ところで、作品によっては、騎士爵や準男爵といった階級は、貴族とは認められなかったり、一代限りというものもある(厳しいのは男爵も一代限りと言う設定もあったような)が、この作品では、騎士爵も領地を持って、代々続く貴族とされているようだ。ちなみに、この世界には、準騎士爵と言う階級もあるらしい。

 この世界には魔法がある。教会で聖別の儀を受けることにより、才能があれば魔法を授かるのだが、普通は13~15歳で行う成人の儀式をでもある。しかし、ペイストリーは僅か7歳で聖別の儀を受けるのだ。モルテールン騎士爵家に盗賊が迫っているので、戦力として期待できるようにするためである。

 もちろん、ペイストリーは魔法を授かる。それは「転写」と言う魔法。名前からはそうたいした魔法のような響きは受けないが、実は超チートな魔法。他の人の魔法を自分に転写することにより、その魔法を使えるようになるし、敵に傷を転写すれば、敵を傷つけることができる。もちろん、絵姿をコピーするようなこともできる。

 この話は、ペイストリーがこの魔法の力とパティシエとしての前世のお菓子作りの知識を使って、異世界で大活躍するという話えである。実はある事件が起こるのだが、この事件が解決したとき、ペイストリー少年は7歳にして、婚約者ができてしまった。しかも超絶美少女だけど4~5歳年上。この巻はここで終わっているが、順調にいけば結構な姉さん女房だが、果たして二人の仲はどうなるのだろう。

 しかし、「転写」の概念がここまで含むとは思いもよらなかった。また、彼のもう一つの能力であるお菓子作りには、あまり「転写」は絡んでいないような感じなのだが、この後どうなるのだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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半七捕物帳 45 三つの声

2021-11-01 09:09:03 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 この話も、半七老人が岡っ引き時代の話を、私に語るという形式のものだ。最初にそんな場面はなかったので、この話は違うのかなと思って読んでいると、最後に、その場面が出てくる。半七捕物帳には色々なパターンがあるが、典型的なのは、最初と最後に、半七老人が私に語っている場面が出てくるがいくつか例外もある。この話はその例外のひとつだろう。

 さて、の方だが、田町に住む鋳掛屋庄五郎が川崎の厄除大師へ参詣するのだが、同行者は、鋳掛職の平七と、建具屋の藤次郎。タイトルの「3つの声」とは、庄五郎の家人が、この3人が〇〇はどうしたかと言う声を聞いたというもの。3人は大木戸のところで待ち合わせをしていたが、誰も他の者が来なかったらしい。

 ところが、夕方になって、鋳掛屋庄五郎の死体が芝浦の沖に浮きあがったのだ。果たして犯人は誰か?

 ところで、こういったものには、話を盛り上げる役として、迷探偵が出てくるのが普通だ。この話にも、高輪の伊豆屋弥平の子分で妻吉という迷探偵が出てくる。どれだけ迷探偵かというと、誤認逮捕で、無実の人間をふん縛るくらいだ。江戸時代は、いくら誤認逮捕しても、特に問題はなかったのだろうか? もっとも、史実によれば、岡っ引きにさえ逮捕権はなかったということだから、ましてや下っ引きが、勝手に人をふん縛れるわけはない。

 このように真面目に見れば、ツッコミどころは多いが、それでもちょっとした伏線が話の中に潜んでいるのでこれを見つけるのも面白いと思う。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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