文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

見上げると君は(4)

2023-01-11 09:13:28 | 書評:その他

 

 この作品もこの4巻が最終巻。高身長かっこいい系の女子の高峯千賀子と低身長可愛い系男子の渋木優希とが織りなすラブコメである。二人は高校二年生なのだが、どの位の身長かははっきり書かれていない。絵から判断すると千賀子さんは、180cm以上、優希君は160cmかそれ以下位か。もしかしたら150cmくらいかもしれない。なにしろ、出会ったときは、千賀子さんは優希君のことを可愛い小学生男子だと思っており、優希君は千賀子さんのことをかっこいいお兄さんと勘違いしていたくらいである。確かに千賀子さんは女子に大人気。いつも女子の取り巻きに囲まれている。そんな二人がラブラブとなるのだから、縁は異なもの味なものという感じである。

 特に大きな事件は起こらず、二人や友人たちの高校生活が描かれる。もちろん二人はラブラブ・いちゃいちゃ。でも知らない人からは仲がいい姉弟に見られているのは残念。みんなでお祭りに行ったり、海へ遊びに行ったり、海の家でアルバイトをしている優希君の親友のシュージをからかったりと高二の青春を満喫している。なお、千賀子さんの浴衣姿とビキニ姿も描かれているが、しかし、どうして浴衣のように体を殆ど隠すようなものと、ビキニの水着のように露出度が高いものが同じように色香を感じるんだろう。結局は露出度ではないということだろうか。不思議だ。実は千賀子さんにはある悩みがある。でも優希君はそんな千賀子さんが一番欲しい言葉をくれる。だから、千賀子さんも優希君のことを好きになったんだろう。

 女子は自分より背が高い男子を好む傾向にあるが、例外もある。現に女子の方が背が高いカップルを見かけたことは何度もある。だから、好きになった娘が自分より高身長でも、気後れする必要はない。ありのままの自分を見せればいいのだ。この作品は、自分より背の高い女子に好意を持っている男子に勇気を与えてくれる作品かも?

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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異世界はスマートフォンとともに。1

2023-01-09 20:53:32 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 本作は、なろう系異世界小説のひとつで、コミカライズもされている。また、この作品は大分前にアニメ化もされている。主人公は望月冬夜という15歳の男子高校生。神様の手違いで下校途中に雷の直撃を受けて死んでしまう。断じて異世界転生ものによくあるように、トラックに轢かれた訳ではない(笑)。神様の不手際で死んだため、その詫として異世界に生まれ変わらせてもらった。もちろんこの手の話にはつきもののチート能力付である。彼の場合のチート能力は火、水、土、風、光、闇、無といった魔法の全属性持ちで、本来個人魔法である全ての無属性魔法が使え、魔力量もものすごいというもの。

 冬夜は双子の美少女エルゼとリンゼを助けたのをきっかけに、どんどん彼に好意をもつ美少女(お嫁さん候補;最終的には9人まで増えるらしい。)が増えていく。公爵(王様の弟)家の令嬢を助け、その母親の眼病を直す。そして、王様を助けて王女の婚約者になってしまうのだ。いくらお嫁さん候補が増えても問題はない。この世界は一夫多妻なのである。(もっとも冬夜は彼女たちには頭があがらないようだが。)もちろん異世界ものではおなじみの冒険者ギルドも出てくる。

 さらには、四聖獣の一体である白虎まで召喚獣にしてしまい、冬夜のこの世界での無双が始まる。タイトルにあるスマホは、神さまと連絡したり、写真を取ったり、検索したりと色々な使い道があるようだ。

 なお、作者はこの作品を書くときにPCは使わず、全てスマホで行ったそうだ。冬夜はこの世界でどこまで成り上がるのか。お嫁さん候補の美少女たちと無事に結婚できるのか。あと3体の聖獣はどう物語に関わってくるのか。色々と気になる。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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銀牙―流れ星 銀 1-3

2023-01-07 10:40:34 | 書評:その他

 

 

 

 本書は、虎毛の熊犬として生を受けた秋田犬・銀の物語だ。最初は赤カブトという熊との闘いを描いたもので、赤カブト編となっている。場所は東北。東成瀬役場と言う立て札があったので、おそらく秋田県の南東にある東成瀬村が舞台だろう。この東成瀬村は平成の大合併でも他の市町村とは合併しなかったので現在も存在している。

 本州にいる熊はツキノワグマだけなのだが、この赤カブトは、ヒグマのように大きく狂暴な人食い熊である。きっと突然変異かなにかで生まれたのであろう。なお、銀牙にはいくつかのシリーズがあるが、これは始まりの物語でもある。

 そして、もう一人赤カブトに因縁のある人物が竹田五兵衛という67歳の老猟師。村で一人だけ熊犬をもち猟銃にかけては一流だが、無口で酒癖が悪い。五年前に赤カブトに左耳をそぎ取られた代わりに、右目を銃で撃って片目にしている。今回も赤カブトに襲われて、右足を失うことになった。しかし使っている銃が昔ながらの村田銃。

 ちなみに、銀はこの五兵衛の熊犬のリキが父親で、大輔の家で飼っている富士が母親である。生まれた子の1匹をもらうという約束が五兵衛との間であったようで、銀は五兵衛のもとで熊犬として、虐待に近いような厳しい修行を送ることになる。

 犬たちが人間のようにしゃべっており、中々面白い動物漫画だ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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BOMBER GIRL CRASH! ボンバーガール・クラッシュ! 1

2023-01-05 09:30:22 | 書評:その他

 

 前作は少年誌(週刊少年ジャンプ)に連載されていたが、この続編になってから掲載しを青年誌(ヤングコミック)に替えたため、エロエロシーン増し増しである。確か少年誌に連載されていたころは読んだ記憶があるが、青年誌に続編が連載されていたことは知らなかった。

 主人公は羅生門エミ―という賞金稼ぎ。なにしろ「天使のハートと悪魔のボディを持つ女」(自称)である。だから魔性の美貌を持つ、スタイル抜群のエロエロ美女で、戦闘時にはエロを前面に出したような衣装に身を包む。そして、武器はカスタムトンファーの夜叉丸。トンファーが武器と言うのも珍しいが、この夜叉丸は、刃が出たり、銃になったりするすぐれものである。

 前作で、エミ―と敵対していた犯罪組織メガリスは崩壊しているが、この作品は、里鎖・ミンクス率いる新生メガリスとの闘いが主になっている。このメガリスに属する犯罪者たちはテロ・ファイターと呼ばれているが、変な人ばかり(もう変態の域だろう)で、この巻に出てくるのは巨大なはさみを使うシザース・北川、車を爆の性走させわざとクラッシュさせるトラッカー・オーモリ、ムキムキの女戦士ブルーノ斉藤、母乳の代わりに溶解液を出す”ビッグ・ママ”ミツコと変な人ばかり。どれだけ変なのかは本書を読んで確かめて欲しいが、いずれも大変態に相応しい連中だ。

 戦闘派美女が好きな方、ちょっとMっ気がある人にはお勧めの作品かな?

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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古代幻視

2023-01-03 10:22:21 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 本書は闘う哲学者である故梅原猛さんが古代に思いを馳せたエッセイ集である。題材になっているのは、縄文土偶、柿本人麻呂、吉野ケ里遺跡、清少納言、北野天満宮、中世の物語文学など。

 ただ梅原さんは思い込みが強いようで、例えば縄文土偶には必ず縦の線があると書いており、あれは胎児を取り出したあとだとしている。梅原さんは子供さんがいるのに、奥さんが妊婦さんだった時のお腹を見たことがないのだろうか。あれは正中線といって、誰でももっているが、妊婦さんになると、特に目立つようになるものだと思う。事実そのような説明をしているものも多い。また必ずそんな線があるわけではない。例えば縄文土偶を代表する有名な遮光器土偶。ネットで調べた限りでは、そのような線はみあたらなかった。

 人文科学の分野では大ボスの言ったことが定説になるようなところがある。あのように権威が言ったことに従うのではなく、敢然と立ち向かうようなエネルギーがないと独自の梅原日本学を打ち立てることはできなかっただろうと思う。

 梅原さんは伝承を大切にする。例えば梅原さんの著書に柿本人麻呂について述べた「水底の歌」があるが、そこで大御所の斎藤茂吉が人麻呂の終焉の地を島根県の湯抱としたことについての反論のひとつに、かの地には人麻呂の伝承がまったくないことを上げている。

 私も湯抱と言うことは無いと思う。島根県なので多少の土地勘はあるが、湯抱というのは今でも鄙びたところである。人麻呂の時代は言わずもがやというところだろう。どうして宮廷歌人でならした人麻呂がそんなところに行って死ななければならないのか。今のように整備された道路なんてない時代である。

 それに湯抱は今でこそ温泉地になっている。いつ頃から温泉地となったかははっきりしないものの、一説には戦国時代と言われている。しかし人麻呂の活躍した時代はそれよりずっと昔なのだ。だからここに人麻呂が湯治に訪れるなんてことはまず考えられない。

 そして、梅原さんは歴史の敗者にスポットを当てる。それが聖徳太子だったり、柿本人麻呂だったり清少納言だったり、菅原道真だったり。清少納言が歴史の敗者というのは意外に思う人が多いかもしれない。どうして紫式部と並ぶ平安女流文学を代表する人物が敗者なんだと。彼女は一条天皇の皇后になった藤原定子に仕えた。しかし、定子は、父道隆の死後、叔父の道長に父の地位をとってかわられて、兄弟は流刑にされ、後ろ盾を失い失意の中で夭逝している。そして清少納言は定子に非常に近い人物だったし、晩年は没落したという話もあるのである。

 また、絵巻物は宝の山だが、研究が進まないのはたぶん学問のセクショナリズムのためだろうと嘆く。そしていくつかの絵巻物を紹介した後今昔物語の話に移る。

 少し梅原さんのエネルギーに辟易するようなところもあるが、定説を疑うというその姿勢は評価できると思う。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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博多っ子純情 1

2023-01-01 08:54:08 | 書評:その他

 


 博多に住む中学生郷六平の青春というか性春というか、色々ませた子供の生態を描いた作品。昭和の街の子を描いた作品だ。

 自分の中学生のころ振り返ってみると、田舎と都会の違いだろうか、どうも登場人物たちが、性に興味を持ちすぎているような気がする。六平が友人二人とストリップ小屋に入る場面があるが、そもそも田舎にはそんなものなかったし。でも、でてくるのがあんな吐き気を催しそうなあれなら、まったくうらやましくなんてないからね。

 この感覚は良く分からない。祭で締め込みをしたらかっこいいと言われるようになる。締め込みというのは、一言で言えば相撲取りのまわしのようなものだ。要するに、尻丸出しの恰好なのだ。しかし博多っ子の祭にかける情熱。しみじみ博多のようなところに生まれなくてよかったと思う。あんな恰好をするのは普通に恥ずかしいぞ。

 六平ら博多ものは山笠いのちのようなところがあるが、今でもそうなんだろうか。私など、どうもそんなのは苦手なので、博多などの派手な祭のあるところに生まれなくってよかったとしみじみ思う。

 良くも悪くも、昭和の博多にはこんな風俗があったという後世の良い資料になるだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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