曇り、18度、75%
結婚して、所帯を持って37年、冷蔵庫はずっと2ドアーです。最初は私が一人で生活していたときの小さな1ドアー、息子が生まれてやっと2ドアーを買いました。その息子が幼稚園に入る頃には、3ドアーの冷蔵庫が市場に出てきました。色も小豆色やアボガドグリーン。白物家電の冷蔵庫に色がついたのは、大きな冷蔵庫をダイニングキッチに置くのに調和をと考えられたからだと聞きました。周りの皆さん、こぞって大きな3ドアーの冷蔵庫を買われます。私も欲しくて、欲しくて、でも、我が家にはそんな大きな冷蔵庫を買うお金はありませんでした。
2ドアーだって、大きさがありますがいつも220リットル前後の、小さな私の背丈と同じくらいの冷蔵庫です。20数年前香港にやって来ました。住まいは家具や電化製品が付いたフラットです。大家さんによって違いますが、空調、冷蔵庫、洗濯機が付いているのが標準です。初めのフラットでも2ドアーの200リットル台、以来5件のフラットを経験しましたが、全て大きさも似たり寄ったりの冷蔵庫でした。とにかく大きな冷蔵庫が欲しかった。
夏場のお客様のときは、それこそ頭を使います。飲み物、冷たい食べ物が多い季節です。冷蔵庫も冷凍庫もお客様が見えるまで、隙間なんてありません。お正月も同じ事です。こちらはお正月だって10度を超す陽気です。迂闊に出しっ放しには出来ません。冷凍庫も、冷蔵庫も今の時期から、クリスマスお正月に向けての準備に入ります。いつも心がけていることは、とにかく空間を作っておくこと。すると、ちょっとお腹が空いて冷蔵庫を覗いても、すぐ食べれるようなものなど見つかりません。今、冷蔵庫を開ければ、昨晩のおカブの甘酢が少しタッパに入っているだけです。
10年程前までは、口にも出して、大きな冷蔵庫が欲しいと、叫んでいました。でも、これまたすっかり小さな冷蔵庫に慣れてしまって、何の不満も抱かなくなってかなり経ちました。200リットル前後の冷蔵庫の使い方が身に付いてしまったのです。東京で一人暮らしをする息子が、3ドアーの冷蔵庫に買い替えました。いいなあ。主人の実家は老夫婦の二人暮らしなのに、大きな大きな3ドアーの冷蔵庫です。いいなあとは思いますが、不思議に欲しいとは思わなくなっていました。
日本の家の改築がほぼ終わりにかかった時、主人が冷蔵庫と洗濯機を買って家に入れて置きなさいと言います。まだ住まないのにねえ、と思いながらも電気屋さんに幾度か足を運び、下調べ。いえ、変な注文がついています。日本製、でないとダメなのだそうです。ブランドではなく、日本製。冷蔵庫の売り場で、いいなと思ったら、すぐにお兄さんに、日本製ですか?と尋ねます。変なお客です。大きいものを買いなさいとも言われています。大きいものは4ドアーなんていうものまであります。そんなもの、もう必要ありません。これまた、キッチンと同じで大きい冷蔵庫を使う自分が見えてこないのです。
結局、買い求めたのはパナソニックの3ドアー、330リットルの冷蔵庫です。色はもちろん白。昔の純白ではありません。ややグレーがかって見えますね。白が一番です。
改築が終わって、一番に家に入ったのはこの冷蔵庫と洗濯機でした。昨日のシステムキッチンの対面に置かれています。まだ、通電されていません。使い始めるのはずっと先になりそうです。真ん中が冷凍庫。下が野菜室です。やっと3ドアーの冷蔵庫を手に入れました。高さも、私の身長より高めです。
ずっと慣れ親しんだ2ドアー、ひとつ便利なことがありました。狭いキッチンですが、私の調理家電の数はかなりのものです。冷蔵庫の上には、スタンドミキサー、コーヒーメーカー、トースター、ブレンダー、ジューサーが帽子を被って、整列しています。重たいスタンドミキサーだって、そんなに高い所ではないので、ヒョイと持ち上げます。
まだ、数年は小さな冷蔵庫です。今のままの私の習慣でいくと、この3ドアーの冷蔵庫、どこを空けても空っぽね、と言われそうです。