チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

へそくり

2014年12月16日 | 日々のこと

曇り、17度、59%

 結婚して37年になります。結婚当初は、主人が持って来てくれるお給料が、次の月が来る頃には、ほとんど手元に残りませんでした。贅沢なんかしていません。つましい生活です。冬でも、主人は学生の頃からのコートを着て、私はコートがなくて毛糸のジャケットを編んで着ていました。少し余裕が出ると、息子の幼稚園の準備の為、小学の入学とやはりきちきちの生活です。ですから、へそくりなんて考える余裕もありませんでした。そんな生活をしていたのに、主人は一度も私に働いてくれと言ったことはありません。おかげで、息子の小さい時ずっと一緒にいることが出来ました。

 私が、仕事をするようになったのは香港に来てからです。ひょんなことから頼まれた家庭教師の仕事を22年間続けました。ずっと主人は辞めて欲しかったようです。2年前、ふっと吹っ切れたように仕事を辞めました。働いている間は、寝るところも食べることも主人の傘のもと、自分の働いたお金は本や衣服に使えます。22年間、本と衣服は全て自分で買いました。余分なお金は、主人からもらうお金とは別々に貯金していました。つまり、家の通帳と私名義の通帳を持っていたのです。10年程前、急に主人が日本でマンションを買うと言い出しました。主人に取っては、日本に自分名義の不動産が何もないのが不満だったのかもしれません。いずれは主人の実家も、私の実家も私たちの物になるのは分かっています。持ち物が多いのは、困りものです。でも、主人の望みですから仕方ありません。そのマンション購入時に、我が家の蓄えを全部使いました。その後、どうしたことか私は家の貯金と自分の貯金を同じ口座に入れてしまいました。

 今、手元にある通帳を見ても、どれだけが自分が働いたお金か分かりません。私が仕事を辞めた当初は、そんなに感じなかったのですが、最近、本一冊、口紅一本買うのも何やら主人にすまないような気になってきました。服や靴は買う必要が当面ありません。でも、将来必要になったときは、主人に頼んで買って貰わなけれなりません。主人が、ダメだと言うはずはないのですが、私の心持ちとして申し訳ないような気がします。

 最近は共働きのご夫婦も増えてきました。家計をどう操っているかは存じませんが、奥さんも自分の通帳を持つことをお勧めします。専業主婦の人も、へそくりとは耳障りがよくありませんが、例えば家事の報酬として、いくらかのお金をどこかに貯えて置くのは賢い方法かと思います。

 昔のホームドラマで、額の裏や本の間から出てきたへそくり。実際には小さい家計では、へそくりなんか出来ません。主婦だって、家事報酬として貯めたお金で楽しみのものを買うのは、晴れ晴れしいと思います。「へそくりのススメ」です。さて、これから私はどうやって、主人にすまなく思わずに本を買うかを考えます。私の本読みなんて、一円の足しにもならない趣味ですからね。

コメント
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