晴れ、10度、70%
香港はクリスマスの25日と26日はパブリックホリデーです。つまり公共機関はお休み、郵便屋さんもお休みです。明けの27日になると、ちょっと遅れたクリスマスカードと元旦にと思って出してくださった年賀状がこちらは少し早くポストに入っています。12月はこうしたお便りを頂くのが楽しみのひとつです。27日にポストをのぞくと、ちょっと厚めの封筒が入っています。
送り主とは小学校からの知り合い、高校まで一緒でした。それから、40年近くたって久々に再会した友人からです。40年と一口にいいますが、お互いそれぞれの人生を歩んできたあとです。にもかかわらず、あった途端に、この40年がひょいとワープしてくれるから不思議です。その彼女に久しぶりに会うひと月前に、主人とアムステルダムに行きました。2年前の12月のことです。
アムステルダムのスキポール空港は、おそらく世界でも稀な種や球根が沢山売られている空港ではないでしょうか。通関の中も外も種や球根、生の花を売っています。シャネルやヴィトンがずらりと並ぶ香港の空港とは全く違った趣の空港です。出迎えの人は、花束を抱えて犬を連れて通関から出て来る人を待っています。こんな光景が見られるのは、アムステルダムならではのことでしょう。この空港の真横の白い大きなビルは、アムステルダムの花の集荷市場です。ここから、切り花が世界中に送られます。私も、香港でその恩恵にあずかる一人です。さて、空港でチーズやらと一緒に私も買いました、もちろん、球根に種。我が家の狭いプランターのスペースも考えずに買ってしまいました。
そんな訳で、この40年ぶりに会う友人にひとつ種の袋を土産にしました。彼女の家の庭はご主人が手入れをなさるバラや季節季節の花があります。迷惑でなかったら、庭の片隅に蒔いてもらおうと思いました。早速、蒔いてくれたのでしょう、その年の夏には花の便りをもらいました。その花の名は、ペルシャンジュエル。
日本では、黒種草といわれているそうです。ニゲラともいい、よくドライフラワーになっています。咲いたばかりの頃から花びらが乾燥したようにパリパリした花です。彼女のところに行ったペルシャンジュエルは薄紫です。濃いピンクや深い紫もあります。そして、この夏もまたペルシャンジュエルの花便りが届きました。草木を育てるのは動物同様、手間も暇もかかります。ありがたいやら嬉しい花便りです。
彼女からのちょっと重めのカード、開けてみると可愛いぽち袋が入っていました。ぽち袋好きな私へのプレゼントかと喜んだところ、中に何か入っています。 黒いやや大きめの種です。そうです、ふた夏日本で花をつけたペルシャンジュエルの種が入っていました。種の贈り物。素敵でしょう。
香港の家の鉢に少し、水遣りが出来ないけど日本の家の庭に少し蒔いてみようと思います。
アムステルダムから持ち帰った種が日本で花をつけ、また香港に戻ってきました。ありがとう。
来年、彼女は嬉しいことで大忙しになるはずです。2年ぶりに会えたらいいね。元気でいて頂戴ね。