雨、14度、95%
小さな車に乗るのは、殆ど一人。沈み込むようなシートに座れば、前面はガラスの押し入れの隅に座ったような不思議な気分になります。小さな車のくせに、6つもスピーカーが付いています。きっとオープンにしたときのためでしょうか。大音量好きな方には、もってこいの車です。はい、私も大音量好きの一人です。40代くらいまでは、家でも大音量でしたが、流石に50を過ぎると、人様の迷惑を考えます。
日本の音楽家の曲は殆ど聴きませんが、デビューの時からずっと好きなのはサザンオールスターズ。坂本龍一もよく聞く一人です。演歌は、いい曲だと思っても、決して自分でCDを入れることはありません。飽きもせずに聞き続けるのはボサノバ、軽いジャズです。「イパネマの娘」という曲があります。この曲は中学の1,2年の頃初めて聞いた曲ですが、この歳になっても大好きで、出来れば逝く前に最後に聴きたい曲です。好きな曲を聴いていると、疲れも薄らぎます。気持ちも高揚してきます。調子に乗り過ぎると、振りまで付いてしまいます。
車の中でも、ボサノバ主流でしたが、急に、12月に入ってクリス レアの曲が聞きたくなりました。クリス レア、日本ではあまりポピュラーではないと聞きます。30年程前に、「オン ザ ビーチ」を聞いたときのかすれた声、曲自体にもホロッとしたものです。この「オン ザ ビーチ」よりも日本では「ドライビング フォー クリスマス」の方が有名かもしれません。クリスマスで長い道のりを車を飛ばして家族の待つ家に帰る人を描いたこの曲、心温まる曲です。これを聞いた当初は、アメリカのクリスマス風景を思い描いていましたが、実は、クリスレアの住むイギリスでのこと、しかも、高い汽車代を節約して車で迎えにきたレアの奥さんの運転する車の中で出来た曲だそうです。そして、その車はオースティンのミニだったそうです。そこで、私の思い浮かべる風景もここで、イギリスにチェンジしました。ちょっと暗くて重いイギリスの風景の置き換えても、やっぱりいい曲です。
今、車に積んでいるのはベストアルバム、昨晩、CDの整理をする主人が何枚かのクリスレアのアルバムを引っ張り出していました。音楽の好みまで、一致しているご夫婦は羨ましいと思います。我が家は、本も読むジャンルが全く違います。聞く音楽は、ちょっとはクロスオーバーしていますが、やはり違います。クラシックなどは、時折、同じ物が2枚あるなんてこともありました。要するに、相手が何を聞いているか知らないのです。
お正月を前にCDが少し片付きました。私は、車の中でもうしばらく、クリス レアを聞くつもりです。