蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

ピカリと光る、おばあさん

2011-08-04 | 趣味

社交ダンス、練習施設の、更衣室での女性たちの会話。


年齢は、60代後半???~70代??


「ねえ、いっしょに、旅行に行かない?
ヨーロッパは、13時間もかかるし、もうしんどいわ。
もう、あっちこっちヨーロッパには行ったし、いまさら、もう、いいわってかんじ。
韓国なら、近いし、便利だし、いいと思うけれど、どう?
あれこれ、お友達に声をかけてるんだけど、みんなスケジュールが合わなかったり、
なかなか調整できなくて。
行ける人と、行こうと思ってるのよ」


一人の女性が、もう一人の女性をお誘いしておられた。



みなさん、やはり、お年が上がるにつれ、ヨーロッパは、きついみたい。
別のダンス教室の後期高齢者の元クラスメート(女性)は、同じ年の元・同級生と
今も毎年ヨーロッパには行っておられるようだけれど。
(ヨーロッパ以外も、じゃんじゃん活動的に)


介護がある、夫が嫌がる、心配事がある、からだに自信がない、・・・などなど
あれこれ、家庭や本人の事情が整わないと、家をあけることはできない。
それに、まず、お金。
ということで、老後にホイホイ海外旅行に出かけられるってことは、
幸せな条件が、幸運にもそろっているということだ。


だいたい、社交ダンスをされているお年寄りの皆様
(あ、失礼。ご高齢の皆様。あ、失礼、そこそこの年齢の皆様)
彼らは、垣間見るところでは、優雅なライフスタイルを送っておられるようにお見受けする。


先日も、個人レッスンの行われるスタジオで、
わたしより1歳年上の娘さんがおられる、妙齢の?女性と、レッスンの合間にお話した。
彼女は、20歳代の先生(男性)に毎週、毎回1時間の個人レッスンを受けられている。
(先生は、孫ぐらいですね)


老人虐待かと思われるほどの、怒号、罵声を浴び、足をピシャッと何度もたたかれる彼女。
「よく、あんな怖いレッスンに、ついて行かれますね。
とても、大変だと感心します」
と、わたしは、思ったままを言った。


すると彼女は、こうおっしゃった。
「わたしは、わがままだから、あれぐらい、きつくしてもらわないと、言うこと聞かないのよ。
いままで、いろんな先生に教えてもらったけれど、やさしくしてもらうと、ちっとも身に付かないから。
今の先生は、とてもキッチリ正確に教えてくださるから、とてもいいわ」
銀色ダンスシューズの足元も軽やかに、爽やかに踊られる、その姿には、年齢は感じられない。


他にもゴルフや、いろんな趣味をやってこられたが、結局残ったのは、社交ダンスだけだった、と。
80歳は軽く超えておられるのに、背筋はピシッ、お顔も艶々、つるつる、ピカピカ。
きめ細かいお肌に、メークがきれいに、のっている。
ゴールドまじりの茶髪ヘアスタイルも、決まっていて、かっこいい。
わたしのほうが、シワもあって、肌も、どんよりなんじゃなかろうか。


社交ダンスをはじめて1年という、別の方(わたしより、少なくとも5歳~7歳以上は年上)とも、
そこでお会いした。
パーティで嫌な思いをした、と、わたしがぼやくと、
その方は「わかるわ~、その気持ち」と話を合わせてくださったが、
ダンス歴1年のその人よりも、わたしのほうがきっと上手くないと想像した。
(彼女が踊っているところを見たわけではないけれど)
彼女は、まだはじめて1年なのに、もう、個人レッスンを受けている。


やっぱり、違うんだ。
上達には、近道があるんだ。
地獄の沙汰も、カネ次第。


そりゃあ、毎日の筋トレ(してないけど)や、練習、努力が大切だというのはよくわかる。
しかし、要は、プロに個人レッスンで教えてもらうと、そりゃあ、上達は早かろう。
と、自分の能力がないのを棚にあげて、ここで、また、ひがむ、わたし。
「ひがみ」は、わたしの定着したライフスタイル?

「わたし、苦節5年」なんて、恥ずかしくて、言えなかった。
日の当たらない道を、ひとり、とぼとぼと、歯を食いしばって耐えて歩いて行こう。
(一昔まえの、スポ根ものの、アニメになってる・・・)


しかしまあ、なんで、こう、皆さんが、きらきら光って見えるんだろう。


とは言うものの、わたしは、一人遊びが、けっこう好きなので、
世の中を観察しつつ、ひとり、にやけたりして、不気味な時を楽しんでいる。


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