蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

終活なんか何も無い

2023-11-09 | 暮らし
ある人、Bさん(70代男性、趣味仲間)に終活について聞いてみた。

彼の返事は、
「終活なんかする必要ある?
いったい、何をするの?」

全く思い浮かばないようだった。

「例えば、自分がいなくなった後の事態に備えて申し送り事項とか、大事なもの、ことを伝えるとか、、、
後の人が困るだろうから、要らないものを処分するとか、
いくらでもありますやん」

そんなものは無いそうだ。
隠し口座とか、隠し子とか、無いらしい。
(隠し子はいないと思うが、隠し口座の一つや二つはあるはず)

「では自分の介護費用は?」
「妻や子供がいるじゃないか」
葬儀費用は家族葬が増えて、さほど要らなくなったが、自分の介護費用もさることながら、妻を介護することもありえるのだが、、、。
全く考えたことがないとか。
アスリート体質の健康的な方である。

住んでいる家も、子供に分割するとなると、遺った人がまだ住んでいたら真っ二つに割るわけにはいかないし、、、
だが、何から何まで、一つも微塵も考えたことがなく、これから考えようという気もなさそうだった。

彼が言うには、大半の人はそんなことを考えなくても、うまくすんなり行くとのこと。
先祖から伝わるものがあるわけじゃなし。
自分で築いた遺すものがあるわけじゃなし。
身一つ。
子供にかかる費用も負担してきたし、もう何の義務もない。
なんにも終活する材料がないらしい。

ところで。
奥さんの趣味は絵を描くこと。
一日中、四六時中、365日、絵を描いているわけではないだろうから、「何しておられるんですか?」と聞くと、「知らん」との答え。
Bさんはいつも体育会系で出歩いて家に居ないので、おそらく、全くご存知ないだろう。
それはそれで、調整が取れていると思う。

「世の中の無職、リタイア高齢の方々は、いったい何しているのか、すごく興味があります」
と聞くと、
「何かしている人なんかほとんどいない。
皆んな、何にもしてない。それが普通だ」
と、なんとスッキリした答え。

「しかし、何もしないのは苦痛ではないですかね?」と疑問をぶつけると、
「普通の人は何もしていない。それが普通だ」
と同じ答え。
問答にならないので、この話題を終えた。

彼の言う「普通」は、自分の周りの人々を基準にしている。
周りの人々は、人によって違うから、自分の周りの人が自分と違う場合は、周りが普通ではない、となる。
自分が普通であって、自分の周り以外は普通ではない。
じつに、わかりやすい。
そういう話を聞くと、(面と向かって口に出して言わないが)わたしは普通ではないのだと再認識する。


海外ニュースは全く映画を見ているかの捉え方。
平和な国に暮らす典型的な日本人だと感じる。
かと言って、理解を深めたとしても、何が出来るわけでもないが。
中途半端な知識や感情、思考なら、元々備わっていない方がマシ。
自分はどう関わるかである。
無意識、無関係、無関心も、一つのスタンスである。

趣味関係の事柄で、わたしが俯瞰的な観察状況を言うと、とても驚くBさん。
自分がどっぷり釜の中に浸かっていると、見えないことはたくさんある。
だが、見えるからといって、それだけだ。
活動方針やプランを立てる指針になれば良いが。