『最後まで行く』
監督:藤井道人
出演:岡田准一,綾野剛,広末涼子,磯村勇斗,駿河太郎,山中崇,黒羽麻璃央,
駒木根隆介,山田真歩,清水くるみ,杉本哲太,柄本明,諏訪太朗他
西宮まで足を伸ばすのは億劫、伊丹ですら遠く感じてしまう最近ですが、
いただいた株主優待券の期限が来月末なので、気合いを入れて行ってみました。
休日にTOHOシネマズ伊丹へ行くならば、混まないうちの朝イチに限ります。
アグレッシブに作品を撮りつづける藤井道人監督。
この間『ヴィレッジ』が公開されたばかりなのに、次はこれ。
同名韓国作品『最後まで行く』の日本版リメイクです。
母親危篤の報せを受けた刑事の工藤(岡田准一)は、車を飛ばしていた。
妻の美沙子(広末涼子)から何度もかかる電話に応対している途中、
同僚からは署の裏金疑惑を週刊誌が嗅ぎつけたらしいとの電話が入って焦る。
このままでは窓口だった工藤ひとりのせいにされてしまう。
なんとか自分を落ち着かせようとする工藤だったが、
車の前に突然飛び出してきた女性を避けようとしてハンドルを切ったところ、
すぐ後ろから飛び出してきた男性がフロントガラスを直撃。
すでに息絶えていた男性をトランクに突っ込むと、
どうすればこの局面を乗り切れるかを考えるのだが……。
オリジナルと概ね同じなような、さまざまな点で違いがあるような。
以下、ネタバレしまくりなのでご注意ください。
轢き殺した男(磯村勇斗)はチンピラで、組織の金庫番を任されていました。
組織といえばヤクザかと思いきや、これが違う。
寺まで絡んでいるのですから、坊主が信用できなくなる(笑)。
男の死体を母親の棺桶に運び入れる要領は、オリジナルのほうに無理があったから、
リメイクのほうがまだ実現は可能に思えます。
いずれにしても死体ってものすごく重そう。あんなことひとりでできますか。
オリジナルでは監察官とは別に汚職刑事がいたけれど、
リメイクでは綾野剛演じる監察官の矢崎が工藤の相手。
しかし矢崎が黒幕というわけではなくて、もっと上に悪い奴がいるんです。
出世をだしにこんな話に乗るほうが悪いけどさぁ、どこまで腐っているのか警察は。
政略結婚とはいえ、矢崎のことが本当に好きだったらしい妻役の山田真歩の哀れなこと。
あまりにバカっぽいから哀れでもないか。(--;
それにしても最後はやりすぎじゃないですかね。
岡田准一と綾野剛の死闘は見物(みもの)ではありますが、ちょっとしつこいぐらい。
橋の上で岡田准一が死に絶えたか、ぐらいのところでやめてもよかったと思います。
まだやるんかい!と思いました。(^^;
オリジナルでは「墓場まで持って行く」という台詞があって、そこからの「最後まで行く」。
このリメイクだと、「最後まで行く」よりも「最期まで行く」がふさわしい。
結局いちばん賢いのはヤクザってか。組長役の柄本明、さすが。
ここまで闘ったのにふたりは金にありつけんとは。