雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

予想を超えた

2020-02-10 20:37:05 | 日々これ好日

        『 予想を超えた 』

     大型クルーズ船内の
     新型コロナウイルスの感染者数は
     大方の予想を遥かに超えて
     わが国の検疫体制や 医療体制にとって
     大きな試練となった
     今こそ わが国の国力が問われているし
     国民の バックアップのあり方が 問われていると思う
     乗客乗員の皆様 試練に堪え切ってください
     残念ながら 私は エールを送ることしかできませんが

                      ☆☆☆ 

 

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清少納言で十分

2020-02-10 08:40:36 | 麗しの枕草子物語

     麗しの枕草子物語 
               清少納言で十分

頭の中将殿が、ちょっとした誤解から私のことをひどくお憎しみになられていたことにつきしては、すでにお話させていただきました。
そのことに関連して、頭の中将殿からのお手紙に、公任殿の御歌を拝借しまして『草の庵を誰か訪ねむ』とお返しいたしましたことが大変な評判になってしまったことも、すでにお話し申し上げました。

さて、あの騒動で、私としましては一応の面目を果たしたのですが、その陰でこのような噂もございましたのですよ。
ご返事申し上げました翌日、源の中将殿が私を訪ねて来ました時、
「『草の庵』やある」
などと声高に呼ばれますものですから、
「そのような粗末な者などいませんよ。せめて『玉の台(タマノウテナ)』とでも呼んで下さいまし」
と申し上げますと、昨夜のご返事が大変な評判となり、今後は『草の庵の君』とでもお呼びしようと考えているのですよ、と申されるのです。
とんでもないことです。
そのような情けない名前が後世にまで伝えられたりしたら、身を隠してしまいたいほどの気が致します、と強く抗議いたしましたので、幸い私の望みどおり、このとんでもない名前は消えてしまいました。

さらに、このようなお話もあるのです。
公任殿がお酔いになっている席でのことですが、なにがし式部という女房を、「我が紫やさぶらふ」と大声でお探しになったそうでございます。
そして、このことから、自分は「紫式部」と呼ばれるようになったと、かの女房の日記に書き残されているそうでございますよ。

『紫』というのはあでやかゆえに残り、『草の庵』は粗末なゆえに消えていったと噂されるむきもあるようですが、いえいえ、私めは、『清少納言』という名前で十分でございますわ。


(第七十七段 頭の中将の・・、より)

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