雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

時を知る

2020-09-04 07:55:20 | 私の好きなフレーズ

   『 「時を知る」ということに関しては、人間は相当能力が劣る生き物のようです。 』


生命の散り時はともかく、大小高低を問わず、ある地位から去る時などは、実に多くの人が無知といえるほどの無神経さなのを見ますと、何だか哀れに感じてしまいます。
そう他人様の姿は哀れに感じるのですが、自分の姿となれば、これがなかなか見えないのですよ。
「知らぬが仏」という言葉があります。最近は、この言葉は人をあざける場合に使われることが多いようですが、本来の意味は、「知ると腹が立つが、知らなければ仏のように平穏な境地でいられる」という意味なのです。
自らの散り時に対しても去り時に対しても鈍感なのは、この言葉が教えるように、人間の性(サガ)であり、人間らしさといえるのかもしれません。

      ( 「小さな小さな物語」第九部 NO.516 より )  


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