マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北野山町の当家決めフリアゲ

2010年10月17日 07時48分40秒 | 楽しみにしておこうっと
10月の秋祭りにおける渡り衆は家の順であって既に決まっている。

しかし、その年の当家は直前の9月にフリアゲと呼ばれる儀式で決められる。

フリアゲの道具は茶碗と半紙だ。

穴を開けた半紙を茶碗に被せる。

その中には当家に当たる氏子たちの名を記した紙片が入れられている。

その儀式は戸隠神社本殿の前に歩み出た総代が振り上げる行為をするのだ。

舞殿から登って本殿前にあがる。

舞殿には二人の総代が残る。立合人である。

一般の人たちは社務所でその厳粛な式典を見守るという。

振り上げられた籤が二つであった場合は一つを茶碗に戻す。

振り上げた籤は広げた白扇に納める。

扇は籤が中に入ったまま折りたたんで閉じたまま持って降りる。

立会人はその行為が厳正なものか見届ける。籤はまだ開かれない。

社務所に降りた総代は自治会長の前に進み出る。

自治会長は広げた白扇からその籤を取り上げる。

この段階でも誰が決まったのかまだ判らない。

そろりと籤が広げられ記された名前を呼び出す。

こうして今年の当家が決まる。

とても厳粛な儀式だと清掃していた2人の当番は話した。

北野山町は22軒。もっと昔は44軒だったそうだ。

フリアゲで決める当家に当たるのは22年に一度の計算になるが、実際はそうはいかない。

一回りしたときに始めに当たった人が、22年後以降のフリアゲのときに当たったのが最後であれば44年後にもなるわけだ。

万が良くその逆であれば2年後になる。

籤とはそういうものだと仰る。

もともとは15日だったが、サラリーマンが増えて集まりやすいその日に近い日曜日に行われている。

(H22. 9.12 EOS40D撮影)