マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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石川町八坂神社節句

2011年06月14日 06時38分29秒 | 大和郡山市へ
節句につきもののチマキがある。

米粉を熱湯でこねて、蒸しあげて搗く。

それをチマキの数の大きさに分けてチマキの型にして串に挿す。

茅の葉で下包みして、それを菰草で包む。

さらに藺草で編んで括る。

下は長さを揃えて切り3本か5本の化粧縄で縛る。

熱湯にくぐらして水気をきれば美しい緑色のチマキ(粽)を作っていたと番条町に住んでいた婦人は家の記録として書き記していた。

節句のチマキは家の食事だったようだ。

県内の祭りごとでそのチマキを神社に供えるところが散見されるが、この日を節句と称する石川町の八坂神社ではそれはでてこない。

節目、節目に氏神さんにお参りして豊作を祈願する六人衆。

この日も風呂敷に包んだお皿を手にして公民館にやってきた。

いつもの人たちだ。

当番の人が用意したお茶をすすってお菓子をいただく。

行事の前はいつもそうしている。

しばらくは歓談をして近況を語り合う。

そろそろ始めようかの言葉に御膳をしかかった。

大きな膳は大御膳(おおごぜん)と呼び三枚、小さめは小御膳で四枚だ。

そこに乗せたのはカマボコ、コーヤドーフ、キュウリ、コンブ、お神酒、洗い米である。

七枚の御膳が揃ったら春日さん(かつては伊勢天照大神宮)、オオクニヌシ、スサノオを祭る三社やアタゴサン、オイナリサン、西、東のハツホサンと呼ばれているイワクラに供える。

手を合わせて参拝したのちは三社を時計方向にぐるりと3周する。

村の人はだれも寄ってこないがこうしてお参りをしている。



御膳の御供(ごく)は下げられて公民館でめいめいが持ってきた皿にいれて持ち帰る。

風呂敷の様相はその中身が増えたので来たときよりも膨れ上がった。

市内の行事は数々あるがこうした風呂敷を持参するケースはさほど見かけない。

昔ながらの形式を今でもされているケースは東山間では数多く見られるが、盆地部でもその手段を用いられるのはたいへん珍しいのではないだろうか。

(H23. 5. 5 EOS40D撮影)